
Claude Code v2.1.211 の主要アップデート
クラウド事業統括本部の石川です。Claude Code の v2.1.211(2026-07-15 公開)がリリースされました。今回はプロンプトキャッシュの誤課金リグレッションやバックグラウンドエージェント周りの不具合修正が中心で、承認メッセージの見た目を偽装できてしまう脆弱性への対処も含まれています。
アップデートサマリー
v2.1.211 では 37 件の変更が入りました。新機能は stream-json 出力の拡張が 1 件のみで、大半はバックグラウンドエージェント・認証・Claude in Chrome 連携まわりの不具合修正、およびチャット連携時の権限確認プレビューとフック判定に関するセキュリティ修正です。
注目のアップデート
- 新機能: stream-json 出力にサブエージェントのテキストと思考過程を含められる
--forward-subagent-textフラグ・環境変数を追加(v2.1.211) - 不具合解消: Bedrock・Vertex・Mantle・Foundry でプロンプトキャッシュが誤って新規入力トークンとして課金されるリグレッションを修正(v2.1.211)。ユーザーが停止したバックグラウンドエージェントが自動的に再起動し、古いプロンプトを再実行してしまう不具合も修正(v2.1.211)
- セキュリティ: チャットチャンネルに中継される権限確認プレビューが、紛らわしい文字によって見た目を偽装できてしまう不具合と、auto モードが PreToolUse フックの
ask判定を上書きしてしまう不具合を修正(v2.1.211)
アップデート内容
新機能
- stream-json 出力にサブエージェントのテキストと思考過程を含める
--forward-subagent-textフラグとCLAUDE_CODE_FORWARD_SUBAGENT_TEXT環境変数を追加しました。エージェントの内部挙動を外部ツールから可視化したい場合に利用できます。
従来、claude -p --output-format stream-json によるヘッドレス実行では、サブエージェントの内部で生成されるテキストや思考過程は出力されず、親エージェントに返る最終結果しか観測できませんでした。本フラグを有効にすると、サブエージェントの assistant メッセージ(テキスト・thinking)も stream-json に転送され、parent_tool_use_id で親のツール呼び出しに紐づけて識別できます。
ユースケースは主に3つです。第一に、CI やパイプラインからの実行時にサブエージェントの進行状況をリアルタイムでログ基盤へ流すオブザーバビリティ用途。第二に、Agent SDK ベースの独自 UI でネストした会話を表示するカスタムフロントエンド構築。第三に、サブエージェントの思考過程をストリームから直接観測するデバッグ・検証用途です。
改善
- ターミナルのレイアウトとレンダリング性能を改善しました。
- バックグラウンドエージェントの結果報告を改善し、実行中のエージェントについては結果を捏造せず、実際の完了を待ってから状況を報告するようになりました。
- "always allow" 権限ルールの保存先をリポジトリルートに変更し、git worktree 内で許可した内容がセッションや worktree を跨いで保持されるようになりました。
- タイムアウト・トークン予算・リトライ回数などの整数環境変数が、
1e6のような指数表記や64_000のような桁区切り表記を受け付けるようになりました。 - このほか、Vim モードの
s/Sが NORMAL モードで vim の挙動どおりに動作するようになったほか、/usage-creditsが組織管理者へのリクエスト送信前に確認を求めるようになるなど、細かな改善も行われています。
セキュリティ
- チャットチャンネルに中継される権限確認プレビューが、双方向オーバーライド文字・ゼロ幅文字・紛らわしい引用符を無害化しておらず、ツール入力の見た目を偽装して承認メッセージを操作できてしまう不具合を修正しました。
- サンドボックス外の Bash に対する PreToolUse フックの
ask判定を auto モードが上書きしてしまう不具合を修正し、フックのaskは必ずプロンプト確認まで引き上げられるようになりました。 - Claude in Chrome のファイルアップロードのパス検証を強化しました。
修正
- プロンプトキャッシュの誤課金を修正: Bedrock・Vertex・Mantle・Foundry で、末尾のシステムコンテキストブロックがリクエストのたびに新規入力トークンとして課金されてしまうリグレッションを修正しました。
- バックグラウンドエージェントの意図しない再起動を修正: ユーザーが停止したバックグラウンドエージェントが自動的に再起動し、復活したエージェントが古いセッションの古いプロンプトを再実行してしまう不具合を修正しました。
- LLM ゲートウェイ認証でのバックグラウンドジョブ失敗を修正:
ANTHROPIC_AUTH_TOKENとANTHROPIC_BASE_URLを使う環境で、デーモン再起動後にバックグラウンドジョブが "Not logged in" と表示されてしまう不具合を修正しました。 claude agentsジョブの削除不能を修正: git がワークツリーを認識できなくなった場合にジョブが完全に削除不能になっていた不具合を修正し、削除できない理由が行に表示されるようになりました。- バックグラウンドセッション再開時の空会話を修正: 停止直後のバックグラウンドセッションを agents ビューから再度開くと、同じセッション ID のまま空の会話が始まってしまう不具合を修正しました。
- 並行セッションの一斉ログアウトを修正: 1 つの認証情報ストアを共有する多数のセッションが、スリープからの復帰後に一斉にログアウトしてしまう不具合を修正しました。
/clear後のコスト表示を修正:/clearを実行してもセッションのコストカウンターがリセットされず、ステータスラインのコスト表示が正しく$0から始まらない不具合を修正しました。- Windows のヘッドレス print モードでのクラッシュを修正: 標準入力が読み取れない場合にクラッシュまたは無言で終了してしまう不具合を修正しました。
- このほか、MCP サーバーの再接続、Bedrock/Vertex でのモデル起動時の挙動、Claude in Chrome との連携、アクセシビリティ(スクリーンリーダーの通知音)、
/loop実行後のセッション表示など、多数の細かな不具合が修正されています。
最後に
v2.1.211 は新機能こそ少ないものの、クラウド経由でプロンプトキャッシュを利用している場合の誤課金リグレッションや、バックグラウンドエージェントの意図しない再実行など、実運用への影響が大きい不具合修正が中心のリリースです。権限確認プレビューの見た目偽装に対するセキュリティ修正も含まれるため、Bedrock・Vertex・Mantle・Foundry でクラウドモデルを利用している方やバックグラウンドエージェント機能を活用している方は、早めのアップデートをおすすめします。
参考文献






