偶発を味方につける

偶発を味方につける

この記事では、仕事における偶発の活用について整理します。
Clock Icon2025.05.29

こんにちは。人事グループ・組織開発室に所属し、組織開発を担当しているてぃーびーです。

仕事には計画的に進む部分もあれば、偶発的に進む部分もあります。中心となるのは計画的な部分ですが、偶発的な部分をうまく活用すると、その恩恵を得ることができます。

この記事では、仕事における偶発の活用について整理します。

偶発の例

たとえば、オフィスで働いていると以下のような出来事が偶然発生することがあります。

  • 近くの席にいるチーム内外の同僚のやりとりから、意図せず主要業務以外に関する情報を得る
  • たまたまオフィスですれ違った同僚との雑談から業務の重要なやりとりにつながる
  • たまたまオフィスですれ違った同僚とのやりとりから交流が深まる
  • 近くで聞こえてくるシニアなメンバーのやりとりから、対人コミュニケーションのノウハウを学ぶ
  • オフィスにいる雰囲気のいいチームの談笑から、そのチームの人間関係の良さを知る
  • オフィスにいる険悪なチームのやりとりから、そのチームのリスクを知る

偶発がもたらす価値

偶発がもたらす価値には以下のようなものがあります。

偶発性の種類 内容
情報獲得・気づき 偶然の会話や周囲の会話や視覚情報から、業務に役立つ情報や新たな気づきを得る
人間関係の形成・深化 ちょっとしたきっかけで関わりが発生し、新たなつながりを得たり、既存の関係を深めたりする
関係性の把握 偶然の会話や周囲の会話や視覚情報から、周囲の関係性を理解する
協働の発生 たまたまの会話や相談から共同作業につながることがある
リスクの早期察知 周囲の雰囲気や発言から、トラブルや不満の兆候に気づける
閃きのきっかけ 他者の話や偶然の状況が、発想の転換や新たなアイデアの種になる
文化の体感 周囲の振る舞いややりとりから、職場の価値観や判断基準を学べる

オフライン・オンラインの関係

偶発的な出来事の影響はオフラインで得やすく、オンラインでは得にくくなります。

オフラインで偶発的に得られたはずの恩恵をオンラインでも得るための工夫について以下にまとめます。

得たい恩恵 オンラインでの工夫例
情報獲得・気づき オープンな Slack チャンネルや情報共有ツールで実況や状況の共有を促進する
人間関係の形成・深化 ランダム1on1、オンライン雑談会、オンライン趣味コミュニティ、横断タスクフォース
リスクの早期察知 定例のチェックイン(気分スコア、最近の気づきなど)を仕組み化し、心理的負担なく発信しやすくする
閃きのきっかけ アイデア募集チャンネルや「ざっくばらんに話す会」など、目的を定めすぎない雑談・発散の場をつくる
心理的安全性の醸成 カジュアルな自己開示の場を用意すること。たとえば、日報や週報にちょっとした個人的な話を書く
協働・連携の発生 Slackなどで「今○○してます」「気軽に相談できます」などのステータスを表示し、声をかけやすくする
暗黙知の獲得・文化の体感 日報や振り返りの共有・議事録のオープン化などで、他人の思考や行動の背景を観察できるようにする

これらはあくまで一部の例なので、社外の取り組みの例をウォッチしていると他の工夫も知ることができます。

まとめ

マネージャーにとって、偶発を味方につけることで、部門やチームのミッションの成功率を高めることができます。また、チームの成功だけではなく、メンバーのキャリアの成功にも影響します。
定例を始めとしたコミュニケーション設計をどうするか、オフラインの交流をどのように促すか、座席配置をどのように工夫するか、入社や異動で加わったメンバーが偶発を味方につけることができるようにどのようにお膳立てするかなど、よい偶発が発生するように検討するのもマネージャーの腕の見せどころになります。

メンバーにとっても同様に、偶発を味方につけることで、担当しているミッションの成功率を高めることができます。また、個人のキャリアの成功にもつながります。できるだけ接点を減らして担当業務に集中するとそのタスクに閉じた範囲については効率が良いですが、組織やチームの成功や個人のキャリアの成功を加味すると不足が出やすくなります。集中と偶発のバランスを取って動けるように調整したいところです。

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