組織開発とは?

2023.04.04

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
エンジニアリング統括室は、従業員体験向上をミッションとしています。
従業員体験の向上に関する業務は人事領域における、組織開発にあたります。
そこで、「組織開発とは何なのか?」に立ち返り、組織開発の目的人材開発との違い組織開発のプロセスについてまとめます。

組織開発とは?

組織開発とは、組織の目的を達成するために人やチームの関係性に働きかけ、組織のパフォーマンスを高める取り組みです。
MissionやVisionを策定している会社であれば、その達成に向けた「人やチームの関係性」に関わる問題点を発見し、解決案を実施し、改善結果を確認する。制度や仕組みとして対応していくことで、場当たり的なものではなく、効果の継続を見据えて対応していきます。
なお、組織開発の定義には諸説あります。ここでは、どの説にも共通する基本的な内容にまとめています。

組織開発の例

組織開発の例としては、以下のようなものがあります。

  • パフォーマンス改善 - 人事評価制度や目標管理を通して組織のパフォーマンスの向上を狙う取り組みなど
  • チームの関係改善 - チームビルディングの各種施策。例えば、対話の質を向上させる取り組みなど
  • コンフリクト解消 - 本来協力が必要な部門間で利害が衝突しないように共通のKGIを設定するなど
  • 組織設計 - 組織構造に起因する問題を解決するために、組織改編を行う

組織開発と人材開発の違い

組織開発は「人と人との関係性」や「チーム間の関係性」に働きかける取り組みです。
例えば、組織と個人のパフォーマンス向上のための評価制度や、カルチャーの浸透・強化・維持のための施策などがあります。
一方で、人材開発は個人の成長に働きかける取り組みです。
例えば、全社員向けの研修や、マネージャーの1on1スキルの強化、またそれによるメンバーへのコーチングの質の向上などがありえます。

組織開発の目的

組織開発の目的組織の目的を達成できるように、組織における「人と人との関係性」「チーム間の関係性」に関わるプロセスを改善することです。これにより、業務の質や効率が高まり、組織が目的達成をしやすい状態になっていくことを狙います。

組織開発のプロセス

準備フェーズ1

組織開発は組織の目的を達成するための活動という前提があります。
そのため、組織の目的が曖昧な場合はまずその点を明確にする必要があります。
  • 組織のMission,Visionの策定
  • 組織のMission,Visionを実現するための戦略の策定
が主な対応になります。

準備フェーズ2

組織開発は組織の目的を達成するために、組織に関わる問題を繰り返し解決していく活動になります。
そのため、何が問題か発見可能にするために問題を可視化することが必要となります。
可視化の手段として組織アセスメントがあります。
組織アセスメントは、組織における任意の活動を評価可能にする取り組みです。
例えば、
  • 評価制度の運用が機能しているかどうかを判断するアセスメント
  • 従業員エンゲージメントの状態を判断するためのエンゲージメントサーベイ
などがあります。
システム開発において、モニタリングから問題を把握可能にしていく動きに似ています。
一度に全ての観点の可視化は難しいため、可視化も段階的に進めることになります。

実施フェーズ

組織の目的の達成や、戦略の遂行の障壁になっている点を発見し、重要度の高いものから解決していくのが基本的な活動になります。
重要な問題を解決したら、次のボトルネックを発見し、取り組んでいくため、その活動は循環したものになります。

1. 問題の検出

準備フェーズで整えておいた可視化の手段や、チームでのコミュニケーションから得た情報などから問題を検出します。
例えば、従業員エンゲージメントサーベイからの検出をする場合は、スコアの絶対値が低い項目や推移として低下傾向にある項目が対象となります。

2. 問題の選定

複数検出された問題から、取り組み対象を選定します。
問題の大きさや、依存関係をふまえて、現状のボトルネックになっていると考えられる対象を選びます。

3. 問題の明確化

選択した問題を明確化します。明確な状態とは、理想状態と現状の双方が事実をベースに整理された状態で、埋めるべきギャップが把握できている状態です。前提情報に不足がある場合、追加の情報収集をする必要があります。収集方法としては、
  • チームでの対話
  • より具体的な情報を収集するための匿名アンケート
  • より具体的な情報を収集するための個別インタビュー
などがあります。チームでの対話が理想ですが、関係性の問題など十分に情報が得られない場合は匿名アンケートや個別インタビューに頼ることになります。
追加情報の収集例としては、従業員エンゲージメントサーベイでリソースに関わるスコアが低い事がわかった場合、どの種類のリソースが不足しているのか、どのくらい不足しているのか、なぜ不足しているのか、などの情報を集めます。

4. 解決策の立案

問題が明確になったら、解決策を立案します。
ここは解決対象によって取り組み内容が異なるため、特別詳細な補足はありません。

5. 解決策の実施

解決策を実施します。
ここは解決対象によって取り組み内容が異なるため、特別詳細な補足はありません。

6. 解決有無の確認

解決策の実施が完了したら、問題の解決有無を確認します。
問題の明確化フェーズが機能していれば、理想と現実のギャップが明らかになっているはずなので、そのギャップが解消されたかどうかを確認します。

2階建ての組織開発

組織開発は全社を対象にした施策もあれば、各部門内に閉じた施策もあります。
そのため、大枠のすみわけとしては
  • 1階 - 全社施策
    • 全社人事が推進
  • 2階 - 各部施策
    • 各事業部にHRBPがいる場合は、事業部長とHRBPが推進。必要に応じて全社人事と連携
    • 事業部にHRBPがいない場合や、事業部以外の個別部門については組織施策の推進を委ねられた任意のマネージャー陣が推進。必要に応じて全社人事と連携
という形で対応していくのが一般的になります。

まとめ

組織開発について
  • 人材開発の違い
  • 目的
  • プロセス
などに関してまとめました。
ビジネスのスピードがはやくなっている昨今において、組織の目的を達成するために必要な要素は変化しやすくなっています。そのため、以前にも増して組織の変化に関わるアジリティが求められています。
組織としての適応速度が高まった状態=「学習する組織」を目指し、適応力を高めていきたいところです。

関連情報