CCoE(Cloud Center of Excellence)についてまとめてみた

CCoE(Cloud Center of Excellence)についてまとめてみた

Clock Icon2020.03.05

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オペレーション部 江口です。

AWSでは、クラウドの運用を成功させるために、CCoE(Cloud Center of Excellence / クラウドCoEとも)というチームを立ち上げることを提唱しています。 この記事ではAWSの考えるこのCCoEとは一体どういったものなのか、調べてまとめてみました。

そもそもの話:CoE(Center of Excellence)とは

CCoEの話の前に、まずはCoEとはなにか、というところから確認したいと思います。

「Center Of Execellence」はそのまま訳せば、「卓越した拠点」といったところでしょうか。

Wikipedia英語版では、冒頭でCoEについて以下のように説明しています。

A center of excellence (COE) is a team, a shared facility or an entity that provides leadership, best practices, research, support and/or training for a focus area.

日本語訳:

センターオブエクセレンス(COE)は、フォーカスする領域のリーダーシップ、ベストプラクティス、研究、サポート、および/またはトレーニングを提供するチーム、共有施設、またはエンティティです。

https://en.wikipedia.org/wiki/Center_of_excellence

まあ要するに、ある専門領域についての人材、知識や設備などを集約したチーム/拠点ということですね。

CCoEとは

さて、ではCCoE=Cloud Center of Excellenceとは、どういった意味になるでしょうか。

AWSの2016年のブログ、「How to Create a Cloud Center of Excellence in Your Enterprise」では、クラウドの推進に成功している企業はみな以下のようなチームを持っており、それを「CCoE」と位置づけています。

A team of people dedicated to creating, evangelizing, and institutionalizing best practices, frameworks, and governance for their evolving technology operations, which are increasingly implemented using the cloud.

日本語訳:

クラウドによってより推進される、テクノロジーの運用を進化させるため、ベストプラクティスやフレームワーク、ガバナンスを作成・伝導・制度化するための専門の人材を集めたチーム

上記だと直訳調なのでもう少し噛み砕いて言うと、

「企業内でクラウドを推進していくために仕組みを整え広めていく専門チーム」

といったところでしょうか。

CCoEの原則

下記はコスト最適化についてのAWSのホワイトペーパーのドキュメントですが、ここでは適切にクラウド環境をスケールさせることでコストを最適化に貢献する、ということでCCoEの立ち上げを勧めています。

https://docs.aws.amazon.com/whitepapers/latest/cost-optimization-laying-the-foundation/cloud-center-of-excellence.html

そして、CCoEを組織するうえでの原則として以下を紹介しています。 (原文まで紹介していると長いので訳文だけ載せておきます)

  • CCoEの体制は組織の変化に合わせて進化していく。
  • クラウドを自身の製品として扱い、アプリケーションチームのリーダーを自身の顧客として扱う
  • 企業の文化を、自身(=CCoE)の行うことすべてに組み込む
  • 組織の変更管理はビジネスを変化させる中心のプロセス。企業の文化・規範を変えるため、意図的に的を得た組織の変更管理を 実践する。
  • 「変化することが常である」というマインドセットを受け入れる。アプリケーション、ITシステム、ビジネスの方向性の変化が期待される。
  • 運用モデルをどうするかで、人々がどのように役割を果たしビジネスの成果を達成するかが決まる。

端的に言えば、クラウドがそうであるように、CCoE自身も動的に変化し進化していく組織であるべきだ、ということかと思います。

CCoEを実際に運用する企業の事例

AWS Summit Tokyo 2019では、実際にCCoEを社内で組織したDNPがその運用について事例の講演を行っていました。当Developers.ioでもセッションレポートが上がっています。

【レポート】DNPにおけるCCoEの役割とAWS DeepRacerを活用した人材育成 #AWSSummit

講演時のスライドは下記にアップロードされています。

https://pages.awscloud.com/rs/112-TZM-766/images/J1-04.pdf

おわりに

以上、ざっくりとCCoEとは何かをまとめて紹介しました。重要な点として挙げた点を最後にもう一度、まとめ代わりに書いておきます。

  • CCoE(クラウドCoE)は、「企業内でクラウドを推進していくために仕組みを整え広めていく専門チーム」である
  • CCoEは、自身も、動的に変化し進化していく組織であるべき

クラウドを利用する文化をうまく企業に根付かせるために、こうしたチームを組織することの重要性をご理解いただけたなら幸いです。

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