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『Agile Samurai Base Camp』が2013/12/08(日)に開催されるらしいので主催者に色々話を聞いてきた #agilesamurai

2013.11.20

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2013年12月08日(日曜日)、書籍『アジャイルサムライ』に関連する大規模セミナー『Agile Samurai Base Camp』が渋谷:株式会社サイバーエージェントにて開催されます。時間帯は10:00 - 18:00100〜200人規模で行われる大型全日イベントです。

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では早速、本編インタビューへ参りましょう。「書籍『アジャイルサムライ』のこれまで」と題して、発売から関連イベントの発足やその盛り上がり等歴史にもエントリ末尾で触れていますので、是非そちらも読んで頂けると幸いです。

目次

 

インタビュー/西村直人氏、和田卓人氏、有野雅士氏

今回インタビューで訪れたのは永和システムマネジメント東京支社@上野。『アジャイルサムライ』監訳者の2人、西村直人角谷信太郎両氏、そして今回のイベント主催者でもあり、最近発売された書籍『リーン開発の現場 カンバンによる大規模プロジェクトの運営』の翻訳をされた市谷聡啓氏が所属している会社となります。

応接室の本棚には、永和さんの社員の方々が執筆された書籍がズラリと。これは壮観ですね。目の当たりにした時には思わず『おおっ!』と唸ってしまいました。

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今回お話を伺ったのはこちらの御三方。終始なごやかなムードで場は進みました。これより以下インタビューへ。

  • 西村 直人氏 (写真右)
    • (永和システムマネジメント所属 アジャイルコーチ、アジャイルアカデミー学長、『アジャイルサムライ』監訳者)
  • 和田 卓人氏 (写真中央)
    • (タワーズ・クエスト株式会社取締役社長、"テスト駆動開発(TDD)の第一人者にして伝道師"。『アジャイルサムライ』TDDパートレビュー担当)
  • 有野 雅士氏 (写真左)
    • (株式会社アルティネット所属 アジャイルコーチ)

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開催に至った経緯・背景等

ーー
まず始めに、今回のイベント『Agile Samurai Base Camp』開催に至った経緯や背景などありましたら教えて下さい。
西村 直人氏(以下、西村):
経緯ね…
和田 卓人氏(以下、和田):
早速"経緯"に口ごもるマスターセンセイ(笑)
西村:
元々は@papanda(ぱぱんだ:市谷聡啓氏)が、『アジャイルサムライのイベントをやりたい』というところから。『アジャイルサムライ』が現在、もう少しで(発行部数)3万部が見えてくる。以前は頻繁にアジャイルサムライのイベント等に関わっていたが、そこから時間も暫く経ち、1万部以上が新たに読まれている。しかしそこの層に対してのイベントをしてないな、じゃ企画をしよう、というのが経緯です。
和田:
専門書でこの数字はすごいですね。
西村:
以前であれば『読書会』という形で参加者・興味を持った人をケアする場があった。疑問や不安などあれば近くの読書会に参加し、読者同士で疑問を解消し、ディスカッションする場=道場(※アジャイルサムライ読書会では各地方の会場をこう呼んでいる)があった。読者はその後、各々自分の分野に戻っていく。そんなサイクルが出来ていました。しかし今、そういう場はほぼ無くなっている。@papandaもそこに危機感を感じていた。僕らも新たに増えた読者層の人々に対し、アプローチして行く事に興味があります。

 

想定する参加者層

ーー
今回公式サイトには、協力してください - Agile Samurai Base Campのページが設けられています。参加者層がこれまでのイベントとは若干異なっていると思いますが、これはどういう意図があるのでしょうか?
西村:
今回想定している参加者の条件としての1つは:『アジャイルサムライを読んだ人』。現場で始めたいと思っているけれども、まだそこまで行っていない人。いわゆる『Newbie(初心者)』の方々ですね。
和田:
初心者、というよりも(アジャイルを)やり始めたばかりの人、と言う方がしっくり来るかも。
西村:
興味を持ってもらっている人。
有野雅士氏(以下:有野)
ノービス(novice)のほうが意味合い的に近いかも。
和田:
シューティングゲームを始めて、第1面に立った人。
西村:
そう。そういった層の方々にアプローチして行きたい。新しい人がなるべく来やすいようにイベントではなく、大規模セミナーとして今回のBase Campは設計しました。これまで勉強会や各種イベントに参加している人は、『学び方』を知っている人だと思っています。なので今回は逆に、そういう勉強会等の場に『入りにくいな〜』と思っている人、躊躇している人、またはそういう場自体を知らない人々にアプローチしていくイベントとして位置付けています。そういった人たちを対象にしているので、全体的には入門編、易し目の内容になっていると思います。学び方を知っている人からすると、今回の内容は物足りなく映ってしまうかも知れないですね。

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『サポーター』制度について

ーー
そうは言っても、今回のような登壇者の方々が発表されるのであればやはり聞いてみたい!という勉強会常連の方々も少なからずいるのではないでしょうか。そういった人たちはどうすれば良いんでしょう?
西村:
その場合は、先程URLも挙がってましたが、是非『サポーター制度』の方でバックアップしてください。今回の場合で言えば、どちらかと言うと、自分が行くというより、自分の身の回りの『勉強会に参加していない』人に勧めて、参加を促して欲しい。
有野:
参加者層の裾野を広げて欲しいと思っています。今回はその切っ掛けになってくれれば。『一緒にアジャイルサムライの読書会に行こうよ!』みたいな。そんな人が増えてくれると嬉しいですね。自分も"アジャイルサムライ読書会 埼玉道場"をやってみて強く思いました。ムーブメント大事。

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(写真:有野 雅士氏)

西村:
勉強会に良く来る人達で集まって語り合う場もとても楽しいんですが、今回はそうではない、『アジャイルサムライ』を知らない/イベントに来たことない/学び方を知らない、という人たちにもアプローチする場を設けてみたい。そういう気持ちはありますね。
ーー
実際、サポーターになると何か特典はあるんでしょうか?
西村:
まず、ポスターがダウンロード出来ます!その他、考えているものは色々あります。あ、ちなみにイベントは今回1回限りでは無く、継続して行なっていこうと思ってます。今のところ、サポーターの数は10名程。もしあれだったら、ご希望であればサポーターの方の社名も載せましょうかね?
  • プレイベントに参加(検討中のワークショップをいち早く体験出来る)
  • 運営のイベントに各種アイコン掲載
  • イベント終了後に改めてサポーター&参加者の交流会を開催
  • サポーター限定のイベントを行いたい。これは是非やりたい。
  • グッズは…絶賛調整中です(笑)

 

イベントポスターについて

ーー
今回のイベントで公開されたポスター、各所での評判は良いみたいですね〜。
西村:
デザインは僕が考えました!そして書いてくれたのは@NEKOGETさん!(@NEKOGETさん、ありがとうございます!)そしてキンコーズ行って印刷してきたのはいんだれ(※有野氏)!w
そして俺、このインタビュー終わったら、池袋ジュンク堂にポスター貼りに行くんだ…(※このインタビューが行われたのは11/18のお昼。このブログがUpされてる頃には既にお店にポスターが貼られているはずです。)
西村:
ちなみにこれはサポーターの方が、自社の社内に貼り出してくれたPOP付きのポスターです。こういうのは本当に嬉しいですね〜。(注:画像を一部加工してます。)

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ーー
サポーターになるには、どうすれば良いのでしょうか?
西村:
募集サイト、Doorkeeperのここから辿れます。是非サポーターになってください!

 

当日の楽しみ方

ーー
イベントに備えて、心構えとか何か準備しておく事とかあったりしますか?
西村:
まずは何より、『アジャイルサムライ』を読んできてください!
有野:
イベントは、全体的に読んだ前提で進行して行くと思われますので。
西村:
最低限、インセプションデッキorテスト駆動開発の辺りは読んできて頂けると。読んだ上で、疑問点や聞いてみたい事などを幾つか持ち寄って来て欲しい。そんで、是非意見をぶつけて欲しい。
有野:
あ、あと名刺は持って来てみても良いかも知れないですね。
西村:
参加者間での交流なんかも、是非してみてくださいね。

 

イベント全体の構成など(前半)

西村:
今回、デッキとTDDに絞りました。何でかというと、初めての人に少しでもやれる事を伝えたい、そう考えるとこの2つは何か出来るんじゃないか、仕事で活かせる部分が大きい要素になるんじゃないか、ということで絞りました。
まず最初は会場説明、諸注意等など。今日は2トラック構成であるという事をお伝えしつつ、角谷さんの基調講演へと繋げていきます。
角谷さんの基調講演については…本読んで何を始めれば良いのか。その前に何をすべきなのか。その点、誰が話すのがベストかという事を考えて、アジャイルサムライ監訳者である角谷さんにお話頂くことにした。テーマとしてはそのものズバリ『何を始めると良いのか』でお願いしています。
全体での基調講演が終わると、ここでドリフの如く仕切りが入り(?笑)、トラックが分割されます。完全パーティションという訳ではなく、他パートの声がざわざわっと聞こえるような緩い感じを想定しています。

 

イベント全体の構成など(中盤)

    西村:
    中盤はトラックに分かれて、3部構成で進みます。
    • 『どうやってはじめるの?』では、タイトルそのままの通り『どういう風に始めるのが良いのか』、『一人で始めるにはこうするのが良い』等の導入のやり方について、まずは進め方のお話を聞いてみましょう、という時間になっています。
    • 『体験してみよう!』では、その流れを受けて実際にどういう風にやるのか、やっているのか体験してみましょう、という時間になります。時間帯的にはお昼ご飯を挟む形ですね。
    • 『他の現場から学ぼう!』では、代表者が話した後、事例紹介として代表者以外の方々数名にもお話をして頂きます。
    西村:
    上記の構成を受けて、『インセプションデッキ』パート、『TDDパート』それぞれの中盤戦が進む形になります。『インセプションデッキ』パートでは"1人で始めるインセプションデッキ"というテーマで、周りをどういう風に巻き込んでいくかについて語り、体験できます。
    和田:
    TDD(テスト駆動開発)については、『TDDをどうやって始めるの?』という話をしたいと思います。これまでのTDDBC(TDD Boot Camp: TDD の体験型イベント。)で講演している内容を踏まえたものになると思いますが、そこにこの疑問を追加した形で進めようと思っています。
    『体験してみよう!』では、『ライブコーディング編』と『座談会・相談会編』の2部構成で進める予定です。『ライブコーディング編』では"百聞は一見に如かず"という事で、実際にペアプロでTDDを行っているところを見てもらいます。コンセプトは『1人で/現場で始めるTDD』。自習が前提です。なのでそのスタンスに対して"見てみる事が出来る場所"を設ける形にしました。

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    (写真:和田 卓人氏)

    書籍を読んだだけでは、基本的には文字情報しかない。文字情報だけでTDDをやるというのは難しいと思います。現物を見た方が早い。実際に手を動かそう、というのがTDDBC。でも人によってはハードルが高く見えるかも知れない。まずはやっているところを見に来てください。そういうような場を設けたいと思います。『こわくないTDD』をお見せしたい。
    また一方で、『自分は果たして、テスト駆動開発をやっているんだろうか?』と悩んでいる人も多いと思います。そこで悩まなくても良いんですよ、という事もお伝え出来ればと思っています。
    和田:
    『座談会・相談会』ですが、このコーナー、"体験してみよう"がコンセプトなんですけど見るだけで体験はしない訳ですね(笑)、本当に体験してみたい人は、このイベントに参加した後、別のイベントに思い切って参加してみて欲しい。今回はその前段階として、実際にどういう風にやっているのか見てみたり、始めるにあたってどうすれば良いのか、何をすれば良いのかについて興味あるテーマでお話をしてみて欲しい、疑問を解消して欲しい。そういう意図で設けました。
    座談会・相談会と銘打っていますが、イメージとしては『しゃべり場』のような、井戸端会議のようなスタイルが近いかも知れないですね。代表者が話しているのを皆で聞くのでは無く、皆が喋って皆が聞く。
    後半座談会・相談会については、テーマを3〜4つ程設けて、その中で興味があるところに移動してもらい、色々お話に参加して守らればと思っています。前半のライブコーディングについてもっと!という人のために、テーマの1つを『ライブコーディング』にする事も検討中です。

 

イベント全体の構成など(後半)

西村:
これまでの内容でまだ不安があれば、ここで更に聞いて解消して欲しいと思います。現在プログラム的には疑問解消〜基調講演の並びになっていますが、先に基調講演を行って、後は関係者各位が残っているので好きなだけ質問したり、お話してください。という形にするのも良いかもですね。うん、そうしよう!(と連絡する西村氏)最後の『解消しよう!』は"ノーブルノウハウ"(No bull Know How:ステージの前で先生役が座り、質問者が並ぶ。人の質問を聞けるというメリットが有る)のような形でも面白いかもしれないですね。
西村:
@papanda(市谷氏)は、一番最初から道場をやってきた人間、現場から始める、という点にこだわりを持ち続けてきた氏に、『明日から始める』為の背中を叩いてもらうような、クロージング講演をお願いしました。イベント開催日は日曜日。翌日月曜日から何か1つ始めよう!そういう風に思って、何かしらを始めてくれると嬉しいですね。

 

さいごに

ーー
そろそろお時間となりそうです。最後に、イベントに参加登録している方々、またこのエントリを御覧になっている方々、興味を持っている方々にメッセージをよろしくお願いします。
和田:
イベントに参加した際には、是非ともプロジェクトや現場で成果を出せるようなものを何か1つでも、持って帰ってもらえると嬉しいです。
有野:
中盤の時間帯は間に昼食タイムを設けてあるので、昼ごはんを皆で食べに行くというのも良いかも知れませんね。講師を誘っても良いと思います!隣近所に座った人たちと交流を深めてみたりなんて事もチャレンジしてみてください。
西村:
このイベント、実は裏テーマは『ぼっちを救え』だったりします!今設定する事に決めたw 実は自分も昔TDDを始めた頃はぼっちで、周りに(TDDの)理解者がいない状態で戦ってたりしてました。同じ志を持ったものがいるというだけでも心強いものです。このイベントで是非、そういう『仲間』を増やして欲しい。そういう思いはありますね。
ーー
本日はありがとうございました!

という訳でお送りして来ました独占インタビュー、いかがでしたでしょうか?実は自分もスタッフ(裏方業)として当日参加する予定です。

参加を決めている人は勿論の事、参加しようかどうしようか迷っている、上司や同僚から勧められているけどどうしようかな〜と考えている、そんな方がいましたら是非とも思い切って1歩前に踏み出して、この場に参加して頂けると幸いです。主催者スタッフ一同、お待ちしております。

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(写真:ポスターを掲げる和田氏、西村氏)

 

おまけ:書籍『アジャイルサムライ』のこれまで

書籍はこちら。

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書籍『アジャイルサムライ』は2011年07月16日に初版発売。原著『The Agile Samurai: How Agile Masters Deliver Great Software』が発売された頃から注目度は非常に高く、翻訳・発売が発表されると同時に読書会が都内で開始。

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そして瞬く間に読書会や関連イベントの勢いは日本各地へ広がりました。以下GitHubのサイトはアジャイルサムライ読書会専用のもの。

以下ページにはこれまで開催された日本全国の読書会の地域別ページもまとめられていますが、その数なんと33道場!

日本各地で熱い読書会が開催された流れで、これまでに2回、『全員集合!』的なイベントが催されて来ました。それが『アジャイルサムライ読書会 他流試合』『Agile Samurai Dojo Gathering』です。 過去2回共に、多くの参加者と高い熱量で、大盛り上がりの勉強会となりました。特に2つ目の『Gathering』では、原著者の"マスターセンセイ" Jonathan Rasmusson(ジョナサン・ラスマセン)氏も登壇・参加されるという展開に。(過去2回、共に私も参加し、個人ブログに参加レポートをUpしてますので併せて載せときます。)

"アジャイルサムライ他流試合" 2011/09/18 at オラクル青山センター

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"Agile Samurai Dojo Gathering" 2012/03/24 at オラクル青山センター

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