【レポート】Alteryx製品ロードマップ紹介!キーノート:Breakthroughs in Analytics, Data Science & Platform #Alteryxinspire
こんにちは、データアナリティクス事業本部ソリューション部・新納(にいの)です。Alteryx Inspire 2021、楽しんでいますか?
本エントリではAlteryxの製品ロードマップが発表されたキーノート、「Day 2 Keynotes – Breakthroughs in Analytics, Data Science & Platform」のレポートをお届けします。
セッション概要
登壇者
- Suresh Vittal, CPO, Alteryx
- Jay Henderson, VP, Product Management, Alteryx
- Alan Jacobson, CDAO, Alteryx
- Denise Frey , Director, Product Engineering, Alteryx
- Lindsey Zibell, Sr. Manager, Product Management, Alteryx
- Jake Porway, Machine Learning (ML) and Data Science Expert, Co-Founder and Executive Director, DataKind
- Nick Jewell, Sr. Dir. Product Marketing, Alteryx
- Debika Sharma, Sr. Dir, Global Strategic Alliances Strategy and Corporate Development, Alteryx
- David Sogn, VP of Data & Analytics, HCL Technologies
- Madhu Raman, Head of Intelligent Automation Solutions, AWS
- Justin Saint Clair, VP, Product Management, Tableau
内容
データインテグレーションはビジネスアプリケーションを次のレベルへ引き上げ、高度なプロセスの自動化やより深いインサイト分析、従業員や顧客のより強固なエンゲージメントを実現するのに役立ちます。業界のリーダーがそれぞれの武運席のブレークスルーについてディスカッションします。
レポート
Alteryx製品ロードマップ
キーノートの始まりはAlteryx社Product Management VPのJay Henderson氏によるAlteryx製品群のロードマップ紹介から。
Alteryx Designer
まず、Alteryx社のコア製品であるAlteryx Designerのロードマップから。Designerはデータアナリストがより便利にデータ分析できるように改良を重ねてきました。例えば、データ閲覧ツールで手早くデータプロファイリングができるようになりましたし、AMPエンジンによるマルチスレッドでのワークフロー実行で処理時間の短縮を可能にしました。
今後リリースを予定している新機能は以下の通り。
ワークフローの差分比較
Alteryx Designer上でワークフローを指定し、差分を比較する機能が紹介されました。
ツールコンテナごとの実行順序制御
コンテナの処理ごとに実行順序を制御する「Control Containerツール」が紹介されました。デモではレポートを作成する処理が完了したあとにメールで送信する処理を実行しています。
ツールレコメンデーション
AIを利用してワークフローのシーケンスを学習し、次に追加すべきツールをレコメンドする機能です。これによりワークフローの作成がより早く行えます。
Alteryx Server
続いてAlteryx Serverの製品ロードマップです。組織内で大規模にAlteryxを使用しているユーザー向けに、オートメーション・セキュリティ・スケーリングの観点で改良をすすめています。Designer同様、AMPエンジンによるマルチスレッド処理によるワークフロー実行の高速化や、ワークフローやスケジュールなどのアセットをCollectionで集中的に管理し、パーミッションはActive Directoryと連携できるようになりました。
将来リリース予定の新機能は以下の通り。
Web UIの改善
アクセシビリティ向上や、ローカライゼーションに注力していきます。
Server APIの拡張
Serverオブジェクトの作成・更新・削除・クエリをAPIで可能にし、管理者タスクの自動化をより容易になるよう機能を拡張します。
Schedule Forecastの機能拡張
ジョブのスケジュール状況をタイムスロットとヒートマップで表し、いつServerがビジー状態になるか可視化するSchedule ForecastはAdminユーザーのみが利用可能でした。将来的には一般ユーザーにも利用可能となる予定です。
Alteryxパートナー企業製品とのインテグレーション
Alteryx利用ユーザーが使用する他製品とのインテグレーションを進めています。
Adobe Marketing Cloud製品と連携して顧客分析を行ったり、APIを持たないシステムからデータをUiPathを利用して取得し、Alteryxでデータ加工・分析するような事例が紹介されました。
また、多くのカスタマーがデータをクラウド上に保管していることを受け、クラウドベンダーとのパートナーシップもより強固なものにしていきます。その一例として、Snowflake社とのパートナーシップ締結が取り上げられていました。
Alteryx Platform SDK
スピーカーはAlteryx社Product ManagementのシニアマネージャーであるLindsey Zibellにバトンタッチ。
Alteryx Platform SDKはAlteryxを拡張するためのコードフレンドリーな開発者ツールです。
カスタマイズされたシステムのためにデータコネクタや、既存のシステムにAPIアクセスするコネクタを作成したり...といったユースケースが考えられます。
このSDKの改良点として、以下のポイントが挙げられます。
- Alteryx Designerで利用可能なツールをこれまでの半分の量のコードで作成できる
- 開発時間も4分の1で済む
- カスタムツールでAMPエンジンを利用できる
SDKのメンテナンスに注力しており、実際にAlteryx社の開発チームでも利用しています。今後は対応言語も増やしていく予定です。
Designer Cloud
スピーカーはAlteryx社Product EngineeringのディレクターであるDenis Frey氏に交代し、Designer Cloudを紹介します。
Designer CloudはWebブラウザ上でワークフロー作成を可能にする機能です。これによりマシンの制約がなくなりますし、管理者目線では利用者やワークフローの管理も容易になります。
Designer Cloudをいち早く体験したい方は、Designer Partner Programからアーリーアクセスプログラムに参加可能です。
Intelligence Suite新機能
次はAlteryx社CDAOのAlan Jacoson氏によるIntelligence Suiteの紹介です。
Computer Vision
バージョン2021.1から追加された、イメージ処理をするためのツールです。
PDFファイルを読み込み、自動でテーブル検出して構造化されたデータに変換するデモンストレーションが行われました。
Alteryx Machine Learning
Alteryxプラットフォームに新たに加わる、Alteryx Machine Learningが紹介されました。Webブラウザ上からガイドに従って機械学習モデルを構築する機能です。
データを読み込むと即座にデータが探索され、属性をひとめで分かるように表示します。
データのパターンを発見することもできます。
ガイドに従うことで機械学習を学びながらモデリングできます。
結果をPowerPointや画像として出力し、他のメンバーに共有することも容易に可能です。
キーノートの途中ですが、データサイエンティストと統計家とのラップバトルが始まりました。こういうお楽しみ要素もオンライン開催ならではの特徴ですね。
パートナー企業3社による事例紹介
Alteryx社のパートナーであるDataKindからJake Porway氏、AWSからGreg Khairallah氏、HCLからDavid Sogn氏がそれぞれ登壇しました。ニューノーマルな時代におけるデータ分析の事例や、どのようにしてデータドリブンな組織になるか、などのトピックでそれぞれがセッションを持ちました。
最終的にはAlteryx社Debika Sharma氏を交え、今の時代ならではのデータ分析についてのパネルディスカッションで本キーノートを締めくくりました。
おわりに
Alteryxの製品ロードマップをメインにしたキーノートセッションでした。Designer CloudやAlteryx Machine Learningの登場で、Alteryx製品がSaaSらしく使えるようになりそうですね。マシンリソースなどの制約を離れてより便利により早くデータ分析結果にリーチできるのではないでしょうか。また、ツールコンテナごとの実行順序制御はお客様からの要望も多く、痒い所に手が届くようなアップデートにも期待が高まります。
Inspire開催期間は終了しましたが、ビデオオンデマンドで視聴可能なセッションも多くあります。参加者アンケートに答えるとTシャツがもらえるようですので、ご興味のある方はぜひInspireのポータルサイトにアクセスしてみてください。