【レポート】 セッション 「Westrock’s Automation Journey: Scaling Insights with Alteryx（Westrockの自動化ジャーニー：Alteryxでインサイトのスケーリングを実現）」 – Alteryx Inspire 2025 #AlteryxInspire

こんにちは、業務効率化ソリューション部のikumiです。

2025年5月12日(月)～5月15日(木)まで、アメリカ・ラスベガスでAlteryxの年次カンファレンスイベント「Inspire 2025」が開催されました。

https://www.alteryx.com/inspire

当エントリではオンデマンドでも公開されている 「SWestrock’s Automation Journey: Scaling Insights with Alteryx（Westrockの自動化ジャーニー：Alteryxでインサイトのスケーリングを実現）」 のレポートをお届けします。

セッション概要

概要

Discover how Westrock is accelerating business analytics with automation at scale. From streamlining data preparation to building automated insights and reporting, Westrock has transformed a data-driven business with Alteryx. Join this session to explore their journey—from Designer to Auto Insights— and learn how they’re driving agility, efficiency, and innovation with data & automation.

Westrock社がどのようにして、全社規模での自動化によってビジネス分析を加速させているのかをご紹介します。
データ準備の効率化から、インサイトやレポーティングの自動化まで、Alteryxを活用することで、同社はデータドリブンなビジネスへと大きく変革を遂げました。
本セッションでは、DesignerからAuto Insightsまでの導入の流れをたどりながら、Westrockがいかにしてデータと自動化を活用し、アジリティ・効率性・イノベーションを実現しているのかを学ぶことができます。

スピーカー

• Brad Shaw 氏

  • Lead Product Manager, Alteryx

• Khadija Ceesay 氏

  • Sr Analyst, Self-Service Analytics, Smurfit Westrock

• LaShell Estes 氏

  • Director, Self-Service Analytics, Smurfit Westrock

セッションレポート

ビジネス分析の動向

• 長年にわたり、BIやレポートへの投資が行われている
• 競争が激化する中で、高品質な意思決定を継続的に行える企業が成功している状況

• これまでのIT主導やアナリスト主導の分析から、エンドユーザー主導の時代へと移行が進んでいる
• データそのものではなくデータを成果に変えることが重要であり、Alteryx One Platformが迅速かつ価値のある意思決定を支援できるツールである

Smurfit Westrock社について

• Smurfit Westrockは紙やパッケージ製品の大手企業で、Amazonの箱やビールケース、ファストフードの包装などで広く使われている

• スピーカーのKhadija Ceesay 氏はSmurfit WestrockのSelf-Service Analyticsチームで、日常業務の自動化に取り組むシニアアナリスト
• LaShell Estes 氏は同チームのディレクターで、ビジネスユーザーへの分析活用支援を行っている

Alteryxによる価値創出

• Alteryxは、繰り返し作業をやめて「どうすれば再利用できる仕組みを作れるか」を考えるきっかけになっている
• また、単なるツールではなく、業務の考え方そのものを変える"基盤"として機能している

• Auto Insightsに出会い、「ダッシュボードを作らずにインサイトを得られる」ことに非常に驚いた
• スピーカーは大量のレコードを見なくても、データを変換してツールに渡すだけで意味を教えてくれる点に可能性を感じたとのこと

Alteryxのユースケース：ExcelからAlteryxへの変換

• これまでは、各拠点ごとにExcelタブを作成し、グラフやチャート、KPIを記載したサマリーシートを作成し管理していた
• それぞれ同じデータソースからKPIデータを取得して加工を実施していたような状況

• Alteryxでは、3つのデータソースに接続しデータの整備と前処理実施
• サマリーや明細データを出力し最終的にはPower BIのダッシュボードに反映する仕組み

• Power BIのダッシュボードにAuto Insightsのリンクも埋め込み、データの深堀りを行えるようにしている

• Alteryx Designer にAuto Insights Uploader Toolを配置することで、簡単に連携が可能

• また、Auto Insights では、Playbooksによって自動で提案されるKPIや比較軸により、従来のダッシュボードでは気づかなかった視点が得られることが利点と感じている

Auto Insightsの活用

• Auto Insightsは、ユーザーのスキルレベルに応じて柔軟に使い分けられるのが特徴
• アナリストはDesignerでワークフローに組み込み、ナレッジワーカーはPlaybooksで即時にインサイトを得ることができる

• 同社では、Auto Insightsを紹介したことで、社内での関心や問い合わせが増加し利用希望者も出てきた状況
• 従来のダッシュボードを完全に捨てるわけではなく、Auto Insightsを補完的に活用する動きが広がっている

現場が抱える課題について

• 「リーダー層の賛同」「社内展開」「技術的課題」「プロセスの見落とし」のうち、どの課題を抱えているユーザーが多いのか？
• 多くの人が「リーダー層の賛同」に苦労しており、説得には具体的でインパクトのあるユースケースが必要
• また技術的な問題では、IT部門の協力も得られづらいという意見も挙がった

Q&A

• 質問：Auto Insightsをチームに共有するには何が必要ですか？

  • 回答：Auto Insightsの「ミッション」を他のメンバーに共有するには、Viewerライセンスが必要です。作成者はオブジェクトライセンス（編集権限）を持ち、閲覧者には編集不可のビューアーライセンスを付与する運用が可能で、月次レポートなどはサブスクリプション機能で自動メール送信もできる。

• 質問：Auto InsightsとPower BIなど他のツールとの違いは？

  • 回答：Auto Insightsは「なぜ起きたか（Why）」に踏み込む分析が強みです。Power BIは定型のKPIダッシュボードに適しており、Auto Insightsはその裏にある要因や変化を深掘りする用途です。

• 質問：Auto Insightsの社内展開はどう進めたのでしょうか？

  • 回答：社内のAlteryxのパワーユーザー（CAEs）を巻き込み、コミュニティを形成しました。成果物をオフィスアワーなどで共有し、「それどうやったの？」という関心を引き出すことから始めました。

さいごに

以上、「SWestrock’s Automation Journey: Scaling Insights with Alteryx（Westrockの自動化ジャーニー：Alteryxでインサイトのスケーリングを実現）」 のセッションレポートでした。

今回のInspireのセッションでは、Auto Insights に触れたセッションが数多くあります。それけ話題の機能を実際の運用に落とし込んでいる事例を聞けたいい機会になりました。また、私自身も気になっていた従来のBIとの比較についてですが、Westrock社は「使い分け」というように語ってくれたのが印象的でした。今回のセッションと通じて、必要な数字はBIで追いかけ、データと深く会話するときにはAuto Insights が使えそうだと思えました！