[アップデート]Amazon Connect Agent Workspaceで顧客の課題解決を提示する「ステップバイステップガイド」が利用できるようになりました!
こんにちは、洲崎です。
Amazon ConnectのAgent Workspaceでステップバイステップガイドが利用できるようになったので紹介します。
対応リージョン
現時点で対応しているリージョンは下記です。
バージニア北部、オレゴン、ソウル、シンガポール、シドニー、東京、カナダ、フランクフルト、ロンドン
最初にまとめ
- ステップバイステップガイドはエージェント向けに顧客の課題解決のためのグラフィカルなガイドを提供する機能
- UIテンプレートは5種類(Cards,Confirmation,Detail,Form)利用でき、用途に応じて作成可能(組み合わせも可能)
- 電話応対用のフローとステップバイステップ用のフローは別で作成し、DefaultFlowForAgentUIという属性を使って動的にステップバイステップ用のフローを呼び出して利用する
- Agent Workspaceの画面のみ対応している
Agent Workspaceとは
Agent Workspaceとは、Amazon Connectの付加機能がデフォルトで連携されているエージェント向け画面になります。
電話の受発信ができるCCP画面に加え、顧客情報を表示できるAmazon Connect Customer Profilesや、外部システムのナレッジ検索ができるAmazon Connect Wisdom等を1つの画面で行うことができます。
普段は通常のCCP画面を利用することが多いと思いますが、Amazon Connectの付加機能を利用する際はAgent Workspaceを利用する方がすでに機能拡張されている為便利です。
通常のCCP画面
Agent Workspace画面
※AWS公式ページを参照
Agent Workspace画面はAmazon Connect ダッシュボードにある「エージェント Workspace」から飛ぶか、次のURLから飛ぶことができます。https://instance name.my.connect.aws/agent-app-v2/
今回は後者のAgent Workspace画面でステップバイステップガイドの機能が追加されました。
ステップバイステップガイドとは
ステップバイステップガイドは、エージェントが顧客の課題を特定するためのガイダンス提供機能です。
Amazon Connectのコールフローに組み込むことで、特定のフローに対してエージェントが顧客とのやり取りで何を確認する必要があるかを示すガイドを設計することができます。
以下は、新規予約業務の例です。
※AWS公式ページを参照
Make new reservationの場合のStepや、Car rental、Trip to Mexico等、旅行関連のガイドが見れるようになっています。
エージェントは顧客と会話しながら、これらのガイドをすぐに確認することができます。
ビューのテンプレート
ステップバイステップガイドは、Amazon Connectのフロー上で設定しますが、「ビュー」と呼ばれるブロックを設定する形になります。
ビューブロックには、5つのUIテンプレートが利用でき、コンタクトフローの画面からビューを選ぶことでそれぞれのテンプレートを確認することができます。
Cards
Cardsは、エージェントにカードのような形で見せてガイドする機能です。
アイコン、タイトル、詳細情報等を見やすい形で設定することができます。
テンプレートの情報は”新規予約”の業務をイメージしており、new reservationやCar rental等の情報を整理して表示しています。
Confirmation
Confirmationは、アクションの完了時に何が起こったかや、次のステップやプロンプトをユーザーに表示するページです。
テンプレートだと、7/22にレンタカーの予約を更新した、といった情報をエージェントに通知する内容となっています。
Detail
Detailは詳細な情報を表示するページです。
テンプレートは、Hello Worldです。
一般的なユースケースはAmazon Connect CasesやAmazon Connect Customer Profilesにある顧客の情報を、エージェントにポップアップで表示させたい時になります。
Form
Formは問い合わせフォームのようなページを作成することができます。
(開くとなぜかInternal Server Error, please try again
が表示されます..)
テンプレートは旅行の詳細を登録するページになっています。
List
Listはタイトルと説明の項目を縦に並べているページです。
テンプレートではクリックしたらリンクに飛べるページ(List item with link)と、飛べないページ(List item not a link)を分けて設定されています。
Wizard
最後のWizardについては、Amazon Connectコンソール(東京リージョン)からは確認ができず、ドキュメントからの紹介になります。
(ドキュメントを参照)
見た目はFormと似てますが、複数のページを持たせることができるとのことです。
追々機能アップデートで追加されそうな気がします。
やってみる
ステップバイステップガイドの有効化
ステップバイステップガイドの有効はセキュリティプロファイルから行う形になります。
実際に機能をつける管理者側はセキュリティプロファイルの「数字とフロー」の中にある「ビュー」の「表示」にチェックをします。
ステップバイステップガイドを見るエージェント側はセキュリティプロファイルの「エージェントアプリケーション」にある「カスタムビュー」の「アクセス」にチェックをします。
上記のセキュリティプロファイルを対象のユーザーに割り当てることで利用可能になります。
Cardの設定
実際にフローに組み込んでみます。ビューブロックはコンタクトフローブロックの「統合」の中にあります。
ビューブロックをクリックして設定します。今回はCardsで作ってみます。Cardsを指定して、「プレビューで開く」をクリックします。
Cardの編集画面に移動します。項目の変更は右のJSON入力のところで行います。
JSONを入力していくと、右のプレビューページも自動で反映されます。
GUIなのにJSONベースで設定していくのは面白いですね。
JSONの入力が完了したら、開いてるページは残しておきつつ、先ほどのビューブロックも開きます。
Cardの編集画面のコピーボタンをクリックして、ビューブロックの同じキーのところにJSONを貼り付けます。
あとはHeadingの部分も入力が必要になるので、手動で設定しました。
ビューブロックが出来上がったら、以下のような形でフローを作成します。(今回は意図的に通話中はCardを表示し続けたい為、ループ処理を加えています)
ビュー(今回はCard)を表示するフローと、電話を受けるフローは別々で作成する必要があります。
電話を受けるフローも以下のような形で作成します。
注目するところは、真ん中にある「コンタクト属性の設定」ブロックです。
ここで、名前空間を「ユーザー定義済み」、値を「DefaultFlowForAgentUI」にして、値をビューで作成したフローのContact IDを入力します。
するとフロー内で別のフローを動的に呼び出すことが可能となっています。
これで、フローの作成は完了になります。
テスト
Agent Workspaceを立ち上げて、Availableの状態にします。
電話をかけると、ステップバイステップガイドで設定した内容が表示されました!
カードをクリックしてみると、中身も確認できる状態です!
最後に
Amazon ConnectのAgent Workspaceでステップバイステップガイドが使えるようになったので試してみました。
今回はシンプルに旅行窓口で絞って、電話が来たらFAQのような形で見れるように作成しました。
他にもAmazon Connect Customer Profilesの顧客情報を動的に引っ張ってきたり、複数のビューを組み合わせたりして作り込むことも出来そうです。
UIテンプレートもすでに5つ利用できますし、今後の機能アップデートも期待されます。
昨今、コールセンターはCX(顧客体験)とEX(従業員体験)が重要視されています。
今回のアップデートは、EXの向上(特にエージェント)に特化したアップデートですが、結果的にお客さまの回答スピードも早くなりCXも連鎖して向上するサービスなのでは感じています。
エージェントに適切なガイドをパパッと出したいケース等ある場合、一度試してみてはいかがでしょうか。
ではまた!コンサルティング部の洲崎でした。