
Amazon Connect AIエージェント連携時のAmazon Bedrock AgentCore Gateway料金仕様を整理してみた
はじめに
Amazon Connect AIエージェントのバックエンドとして、Amazon Bedrock AgentCore Gateway (MCP Server) を採用する構成において、コスト試算を行う際のポイントを解説します。
AgentCore Gatewayの料金体系はMCP(Model Context Protocol)の機能ごとに分かれていますが、Amazon Connectと連携させる場合、Connect側の仕様(ツールの設定方法) を理解することで、どの料金が適用されるかが明確になります。
前提となる構成
本記事では、以下の構成を前提とします。
- MCP Client: Amazon Connect AIエージェント
- MCP Server: Amazon Bedrock AgentCore Gateway
- バックエンド: AWS API Gateway / AWS Lambda
AgentCore Gatewayの課金項目
AgentCore Gatewayの料金表には、主に以下の3つの項目が存在します。
- API 呼び出し (ListTools、InvokeTool、Ping)
- 検索 API (Search API)
- ツールインデックス
それぞれの項目が、Amazon Connect連携時にどのように適用されるか詳細を見ていきます。
なお、本記事は執筆時点(2026年1月)の仕様および公式ドキュメントに基づきます。最新の料金はAWS公式ページをご確認ください。
1. API 呼び出し (InvokeTool のみ)
- 料金: 1,000 回の呼び出しあたり 0.005 USD
MCPの仕様上、クライアントがツールを利用するには「ツール一覧の取得 (ListTools)」と「ツールの実行 (InvokeTool)」というプロセスが存在しますが、Amazon Connect AIエージェントとの連携において、課金対象として実行されるのは 「InvokeTool(ツールの実行)」のみ です。
エージェントの実行時(会話中)に ListTools が利用されることはありません。
Connect側でのツール設定プロセス
なぜ実行時に ListTools が利用されない(課金されない)のかと言いますと、Amazon Connect AIエージェント側で利用するツールを事前に設定(追加) しているためです。
Amazon Connectのエージェントビルダー画面では、Gatewayに登録されているツールの中から、このエージェントで使用するものを具体的に選択して追加します。
例えば、AgentCore Gatewayに CheckReservation(予約確認)と CreateReservation(予約作成)という2つのツールが定義されているとします。
以下の通り、Connect側でもこれらを「利用するツール」として設定画面で明示的に追加します。

Connect AIエージェントの設定画面
ツール選択の判断はConnect内で完結する
このようにConnect側でツール定義を保持しているため、実行時にGatewayに対して「今どんなツールが使えるの?」と問い合わせる(ListTools)必要はありません。
顧客の問い合わせ内容に基づき、どのツールを選択すべきかAIエージェント自身が判断し、決定した特定のツールに対して直接実行リクエスト(InvokeTool)を送信します。
したがって、コスト試算はシンプルに 「必要なツールを実行した回数」 ベースで行うことができます。
ドキュメント引用:
You can associate tools with an AI Agent to provide it with the ability to perform actions or access external systems.
(AI エージェントにツールを関連付けることで、アクションを実行したり外部システムにアクセスしたりする機能を提供できます。)
2. 検索 API
- 料金: 1,000 回の呼び出しあたり 0.025 USD
料金表にある「検索 API」は、通常のツール実行フローでは発生しません。
この料金が発生するのは、Gatewayで「セマンティック検索」を有効化し、かつ x_amz_bedrock_agentcore_search という検索用ツールを明示的に呼び出した場合のみです。
Connect連携では不要な理由
前述の通り、Connect AIエージェントは利用可能なツール(例:CheckReservation 等)を静的に設定済みです。
エージェントは既に「自分には何ができるか」を知っている状態であるため、実行時にわざわざGatewayに対して「ツールを探す (Search API)」必要がありません。
ドキュメント引用:
If you enabled semantic search for your gateway when you created it, you can call the x_amz_bedrock_agentcore_search tool to search for tools in your gateway with a natural language query.
(作成時にゲートウェイのセマンティック検索を有効にした場合、x_amz_bedrock_agentcore_search ツールを呼び出して、自然言語クエリでゲートウェイ内のツールを検索できます。)
3. ツールインデックス (設定により回避可能)
- 料金: 1 か月あたりのインデックス作成ツール 100 個あたり 0.02 USD
「ツールインデックス」料金の発生有無は、Gatewayの設定における 「セマンティック検索」機能の有効/無効 に依存します。
ドキュメントから読み解く発生条件
上記のドキュメント引用部にある "If you enabled semantic search..."(セマンティック検索を有効にした場合) という記述は、この機能がオプション(選択可能)であることを示しています。
料金表の「ツールインデックス」は、この検索機能のためのインデックス作成費用です。したがって、以下の挙動となります。
- セマンティック検索を「有効」にした場合
ターゲットがGatewayに接続されると、検索のためのインデックスが自動的に作成され、課金が発生します。 - セマンティック検索を「無効」にした場合
インデックス作成自体が行われないため、課金は発生しません。
Amazon Connect連携のように「利用するツールが決まっている」ユースケースでは、Gateway作成時にセマンティック検索を 「無効(オフ)」 に設定することで、この固定費を削減することが可能です。
まとめ
Amazon Bedrock AgentCore Gateway を Amazon Connect と組み合わせて利用する場合の料金適用は以下のようになります。
| 料金項目 | 適用 | 理由・備考 |
|---|---|---|
| API 呼び出し | あり | ツール実行回数(InvokeTool)に応じた従量課金。 ListToolsは利用されない。 |
| 検索 API | なし | Connect側でツールを設定・判断するため、Gatewayへの検索リクエストは不要。 |
| ツールインデックス | なし | セマンティック検索を「無効」に設定すれば回避可能。 |
構成を検討する際は、不要なセマンティック検索機能をオフにし、1,000 回の呼び出しあたり 0.005 USD というシンプルな「ツール実行回数ベース」の試算を行うことをお勧めします。








