Amazon Connect AIエージェント回答の推奨タイプに追加された「推奨メッセージ」を試してみた
はじめに
What’s New や管理者ガイド上では記載を見つけられませんでしたが、Amazon Connect の AI エージェント回答の推奨タイプに、「推奨メッセージ」 の設定欄が表示されるようになっていました。
この項目は、どこで設定し、実行時にはどの AI エージェントが処理するのかが少し分かりにくい機能です。そこで今回は、実際に設定して動作を確認しながら、推奨メッセージの設定方法と実行時の流れを整理してみます。
先に結論
推奨メッセージは、エージェントが AI エージェントに送る質問や依頼をボタン化するためのショートカットとして使えました。
設定自体は 回答の推奨タイプの AI エージェント で行いますが、エージェントワークスペース上でボタンをクリックすると、その文言は Connect フローの [コネクトアシスタント] ブロックで指定した Orchestration タイプの AI エージェント への入力として送信されます。
つまり、推奨メッセージは固定回答を表示するための機能ではなく、Orchestration タイプの AI エージェントに対して、よく使う依頼文をすばやく送るための導線 と考えると分かりやすいです。
今回の検証では、以下のような依頼文を推奨メッセージとして登録しておくと、エージェントが必要なタイミングで AI にすばやく依頼できました。
- この問い合わせの対応方針を教えて
- お客様に確認すべき項目を教えて
- この内容に該当する社内ナレッジを探して
- 回答文のたたき台を作成して
- 会話内容を要約して
回答の推奨タイプの AI エージェントに推奨メッセージを設定する
AI エージェントの 回答の推奨 タイプに、「推奨メッセージ」 の入力欄が追加されていました。

説明文は以下のとおりです。
ユーザーが AI エージェントと対話するために選択できる推奨メッセージ。
実際に以下の5つを設定しました。コンソール上では、各メッセージは 100 文字以下で入力する必要がありました。
- お客様に確認すべき項目を教えて
- この内容に該当する社内ナレッジを探して
- この問い合わせの対応方針を教えて
- 会話内容を要約して
- 回答文のたたき台を作成して

デフォルトの AI エージェント設定
[デフォルトの AI エージェント設定] では、回答の推奨タイプの AI エージェントを指定します。

ここで推奨メッセージを持つ AI エージェントを選んでおくことで、後述するコネクトアシスタントの入力欄でショートカットボタンが表示されるようになります。
Connect フロー
フローは、エージェントにつながるように作成します。

今回のポイントは、[コネクトアシスタント] ブロックです。ここでは オーケストレーションタイプ の AI エージェントを指定します。

つまり、設定上は以下のように役割が分かれています。
- 回答の推奨タイプの AI エージェント
- 推奨メッセージを持つ
- デフォルトの AI エージェント設定で指定する
- Orchestration タイプの AI エージェント
- Connect フローの [コネクトアシスタント] ブロックで指定する
- 実際の質問処理と回答生成を担う
この時点で、どちらが実行時の本体なのか少し迷いますが、実際に動かしてみると挙動がはっきりわかりました。
動作確認
まず、コンタクトを受ける前の時点では特に変化はありません。

チャット対応を開始した直後も、画面上は通常と変わりません。

コネクトアシスタントの入力欄にホバーすると、設定した推奨メッセージがボタンとして表示されました。

今回は以下の問い合わせで確認しました。
【カスタマーからの問い合わせ】
クラスメソッドメンバーズについて教えてください。プランも知りたいです。
【エージェントの応答】
承知しました。内容を確認しながらご案内しますので少々お待ちください。
「この問い合わせの対応方針を教えて」をクリック
ボタンをクリックすると、そのテキストが Orchestration タイプの AI エージェントへの入力として送信されました。ログを確認すると、クエリ 「クラスメソッドメンバーズ プラン 料金 サービス内容」 でナレッジベースの Retrieve ツールが呼び出され、使用モデル claude-sonnet-4-5 が以下のような対応方針を返していました。
お客様との会話内容を確認いたしました。お客様は「クラスメソッドメンバーズ」について知りたいとのことで、プラン情報も求めていらっしゃいます。以下の対応方針でご案内ください。
対応方針
1. サービス概要の説明
- クラスメソッドメンバーズは、AWS総合支援サービスで、初期費用・月額費用無料で利用できる請求代行サービスが基本となります
- AWS利用費割引、24時間365日の技術サポート、セキュリティ設定などが標準で提供されます
2. 3つの割引プランの紹介
- 一律割引プランv2: AWS全サービス全リージョン7%OFF
- EC2・CDN割引プラン: 主要EC2オンデマンド15%OFF、CloudFrontのアウトバウンド通信費65%OFF
- 組織管理プランv2: AWS全サービス全リージョン4%OFF
3. 無料で自動付帯される特典の説明
- 日本円建て請求書払い / 24時間365日の無償サポート / セキュリティ初期設定と変更対応 / AWSクラウド保険 / 管理ポータル提供 / 高額不正利用防止など
4. お客様のニーズに応じた提案
- お客様の利用状況や目的をヒアリングし、最適なプランをご提案ください
- プレミアムサービスやオプションサービス(有償)についても、必要に応じてご案内ください
5. 次のステップ
- 詳細な資料請求やお見積もりのご案内
- お問い合わせ先: info@classmethod.jp または 0120-991-668(平日9:30〜18:30)

この時点で、推奨メッセージは単なる固定文言ではなく、会話文脈を踏まえて Orchestration 側がナレッジ検索と回答生成を行うためのショートカット入力 として動いていることがわかります。
「お客様に確認すべき項目を教えて」をクリック
続いて 「お客様に確認すべき項目を教えて」 をクリックしてみます。同様に Retrieve ツールでナレッジベースを検索し、ヒアリング項目を返しました。
お客様への確認項目をご案内いたします。最適なプランをご提案するために、以下の点をヒアリングしてください。
お客様に確認すべき項目
1. 現在のAWS利用状況
- 既にAWSを利用されているか、これから導入予定か
- 利用中の場合、月間のAWS利用費の規模
- 現在の請求方法(直接契約、他社経由など)
2. 主な利用サービス
- どのAWSサービスを主に利用されているか(EC2、RDS、S3、CloudFrontなど)
- 基幹システム、Webメディア、データ分析など、用途は何か
- AWS Organizationsを利用しているか、または利用予定か
3. 課題やニーズ
- コスト削減を重視されているか
- 技術サポートが必要か
- セキュリティ対策を強化したいか
- 請求書の一本化や円建て請求を希望されているか
- 社内にAWS管理者がいるか
4. 支援レベル
- 請求代行サービスのみで十分か
- プレミアムサービス(運用支援、コンサル)も検討されているか
- 導入支援、マイグレーション、運用代行などの有償オプションに興味があるか
5. 予算と決裁
- 予算が決まっている場合、前払い型のバウチャープランも検討されるか
- 従量課金での稟議申請が可能か
これらの情報をもとに、3つの割引プランの中から最適なものをご提案できます。

回答の粒度としても、エージェントが次に何を聞けばよいかがすぐ分かる内容になっており、実運用でも使いやすそうです。
文脈に応じた回答の推奨も同じ導線に表示される
今回の確認で分かったのは、通常の回答の推奨も、推奨メッセージの候補と並ぶような形で表示されることです。
実際には、「クラスメソッドメンバーズのサービス概要とプランの違いについて知りたい」 という文脈に応じたボタンが表示され、クリックすると詳細な回答が生成されました。

このことから、エージェントワークスペース上では以下の2種類の候補が混在して見えていると考えると理解しやすいです。
- 管理者が事前設定した固定の推奨メッセージ
- 会話文脈に応じて AI が提示する回答の推奨
つまり、定型ショートカット と 文脈依存の提案 が同じ導線で使えるようになっていました。
対応完了後に「会話内容を要約して」をクリック
最後に、対応完了後に 「会話内容を要約して」 をクリックすると、会話の要点が自動でまとめられました。
顧客の問題
- クラスメソッドメンバーズについての情報を求めている
- AWSの利用を検討中でサービス概要とプランの違いを知りたい
- 初期段階でAWSの導入検討中
エージェント対応内容
- クラスメソッドメンバーズのサービス概要を提供
- AWS利用費割引、技術サポート、請求書発行などが初期費用・月額費用無償で提供されることを確認
- 3つの割引プランの詳細比較説明を提供
- 全プランの無料特典内容を提供
プロフィール情報
- AWS利用状況:これから利用を検討中
- 関心事項:サービス概要とプランの比較
- サービス特徴:初期費用無料、月額費用無料の請求代行サービス

このように、問い合わせ中の支援だけでなく、対応後の振り返りや後処理にも活用できます。
最後に
Amazon Connect AI エージェントの回答の推奨に追加された推奨メッセージは、エージェントが AI を効率よく使うためのショートカットとして活用できそうです。
今回確認した構成では、推奨メッセージは 回答の推奨タイプの AI エージェント で設定し、クリック後の入力は Orchestration タイプの AI エージェント が処理していました。
この関係を理解しておくと、どこに推奨メッセージを書くべきか、どこで Orchestration 側のプロンプトやナレッジ検索を調整すべきかが整理しやすくなります。
対応方針の確認、ヒアリング項目の整理、会話要約など、利用頻度の高い依頼文から登録しておくと、エージェントが AI を使う導線を作りやすくなりそうです。





