Amazon Connect のアウトバウンド発信で呼び出しタイムアウトを指定できるようになりました

Amazon Connect のアウトバウンド発信で呼び出しタイムアウトを指定できるようになりました

2026.05.13

はじめに

Amazon Connect のアウトバウンド発信において、未応答になるまでの呼び出し時間を指定できる RingTimeoutInSeconds パラメータが利用できるようになりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/11/amazon-connect-outbound-campaigns-ring-time-configuration/

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/APIReference/API_StartOutboundVoiceContact.html

AWS の What’s New では、2025年11月に「Amazon Connect アウトバウンドキャンペーンで、未応答通話の呼び出し時間設定をサポート」として公開されています。

一方で、RingTimeoutInSeconds 自体は StartOutboundVoiceContact API のパラメータとして追加されています。今回の検証では、Amazon Connect のアウトバウンドキャンペーン機能からの発信に限定されず、StartOutboundVoiceContact API によるアウトバウンド発信でも、TrafficType = CAMPAIGN として発信することで利用できました。

これまで StartOutboundVoiceContact API による発信では、接続されない場合のダイヤルタイムアウトは 60 秒でした。今回のアップデートにより、RingTimeoutInSeconds を指定することで、発信先が応答するまで待機する最大時間を 15〜60 秒の範囲で調整できます。

本記事では、RingTimeoutInSeconds の概要、何がうれしいのか、AWS CLI での指定例について紹介します。

結論

StartOutboundVoiceContact API のリクエストで RingTimeoutInSeconds を指定すると、アウトバウンド発信時に、発信先が応答するまで待機する最大時間を秒単位で設定できます。

ただし、RingTimeoutInSeconds を利用するには、TrafficTypeCAMPAIGN を指定する必要があります。

主なポイントは以下です。

項目 内容
パラメータ名 RingTimeoutInSeconds
対象 API StartOutboundVoiceContact
Integer
指定可能な範囲 15〜60 秒
必須 いいえ
未指定時の動作 デフォルトで 60 秒
利用条件 TrafficType = CAMPAIGN として発信
CampaignId 必須ではない

RingTimeoutInSeconds を指定しない場合は、従来通り 60 秒のダイヤルタイムアウトとして扱われます。

何が変わったのか

公式ドキュメントでは、StartOutboundVoiceContact API の説明に以下のように記載されています。

Dialing timeout for this operation can be configured with the “RingTimeoutInSeconds” parameter. If not specified, the default dialing timeout will be 60 seconds which means if the call is not connected within 60 seconds, it fails.

この操作のダイヤルタイムアウトは RingTimeoutInSeconds パラメータで設定できます。指定しない場合、デフォルトのダイヤルタイムアウトは 60 秒です。つまり、60 秒以内に通話が接続されない場合は失敗します。

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/APIReference/API_StartOutboundVoiceContact.html

また、RingTimeoutInSeconds の説明は以下です。

The maximum time the outbound call will wait for the destination to answer the call, in seconds

アウトバウンド通話が、発信先の応答を待機する最大時間を秒単位で指定します

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/APIReference/API_StartOutboundVoiceContact.html

つまり、アウトバウンド発信時に「何秒鳴らして応答がなければ失敗扱いにするか」を API リクエスト単位で指定できるようになりました。

通常のアウトバウンド発信でも利用できる

AWS の What’s New では、アウトバウンドキャンペーン向けのアップデートとして紹介されています。

Amazon Connect アウトバウンドキャンペーンでは、キャンペーンマネージャーが音声通話の呼び出し時間を 15~60 秒の範囲で設定できるようになりました。この時間を超えると、通話は「無応答」としてマークされ、次の連絡先に転送されます。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/11/amazon-connect-outbound-campaigns-ring-time-configuration/

一方で、API リファレンスを見ると、RingTimeoutInSecondsStartOutboundVoiceContact API のリクエストパラメータとして定義されています。

また、TrafficType は未指定の場合、デフォルトで GENERAL です。ただし、今回の検証では、RingTimeoutInSeconds を指定して TrafficType を指定しない場合、以下のエラーになりました。

InvalidRequestException: TrafficType CAMPAIGN is required to enable ring timer

そのため、RingTimeoutInSeconds を利用する場合は、TrafficTypeCAMPAIGN を指定する必要があります。

今回の検証では、CampaignId を指定しなくても、TrafficTypeCAMPAIGN を指定することで StartOutboundVoiceContact API の呼び出しは成功しました。

そのため、本アップデートは「Amazon Connect のアウトバウンドキャンペーン機能からの発信専用」というより、StartOutboundVoiceContact API によるアウトバウンド発信で TrafficType = CAMPAIGN として発信した場合に利用できる呼び出しタイムアウト設定、と捉えると分かりやすいです。

なお、公式ドキュメントでは、TrafficType = CAMPAIGN の通話はデフォルトでは許可されておらず、利用前に Connect Customer campaigns のサービスクォータ引き上げリクエストが必要である旨が記載されています。

何がうれしいのか

一番うれしい点は、応答がない通話を最大 60 秒待たずに、業務に合わせた秒数で切り上げられることです。

例えば、架電先が電話に出ないことが多い業務では、毎回 60 秒待つと 1 件あたりの処理時間が長くなります。RingTimeoutInSeconds を 20 秒や 30 秒に設定することで、応答がない通話を早めに失敗扱いにし、次の処理へ進みやすくなります。

短時間で多くの顧客に連絡したいアウトバウンドキャンペーンでも有効です。アウトバウンドキャンペーンでは、利用できるエージェント数や同時に処理できる通話数に応じて、発信できる量が変わります。応答しない宛先に対して長く呼び出し続けると、その間は発信処理が滞り、次の顧客への発信に進みにくくなります。
そのため、キャンペーンの目的が「できるだけ多くの顧客へ短時間で接触すること」であれば、呼び出し時間を短めに設定することで、未応答の通話を早めに切り上げ、キャンペーン全体の進行速度を上げられる可能性があります。

また、独自のシステムから StartOutboundVoiceContact API を呼び出している場合も、TrafficType = CAMPAIGN として発信することで、未応答と判断するまでの時間を明示できます。これにより、再発信、別チャネルでの通知、未応答件数の集計など、後続処理の前提をそろえやすくなります。

ただし、短くしすぎると顧客が電話に出る前に未応答扱いになる可能性があります。処理効率と応答率のバランスを見ながら調整するパラメータと考えるとよさそうです。

RingTimeoutInSeconds の設定値

RingTimeoutInSeconds は、StartOutboundVoiceContact API のリクエストで指定します。

パラメータ 説明 必須 デフォルト値 指定可能な範囲
RingTimeoutInSeconds 発信先が応答するまで待機する最大時間を秒単位で指定 いいえ 60 秒 15〜60 秒

例えば、20 秒だけ呼び出して応答がなければ未接続として扱いたい場合は、RingTimeoutInSeconds20 を指定します。

一方で、10 秒のように最小値を下回る値や、90 秒のように最大値を超える値は指定できません。

AWS CLI で指定してみる

AWS CLI では、start-outbound-voice-contact コマンドに --ring-timeout-in-seconds オプションを指定します。

https://docs.aws.amazon.com/cli/latest/reference/connect/start-outbound-voice-contact.html

以下は、アウトバウンド発信で呼び出し時間を 20 秒に設定する例です。RingTimeoutInSeconds を利用するため、--traffic-type CAMPAIGN を指定しています。

aws connect start-outbound-voice-contact \
  --instance-id "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx" \
  --contact-flow-id "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx" \
  --destination-phone-number "+819012345678" \
  --source-phone-number "+815012345678" \
  --traffic-type CAMPAIGN \
  --ring-timeout-in-seconds 20 \
  --region ap-northeast-1

今回の検証では、--campaign-id を指定しなくても、以下のように ContactId が返却され、API 呼び出しに成功しました。

{
  "ContactId": "e62cc587-3c42-45a6-bf5c-d180c133c082"
}

上記の値は例です。実際に利用する場合は、以下を自身の環境に合わせて置き換えてください。

  • --instance-id:Amazon Connect インスタンス ID
  • --contact-flow-id:発信後に開始するコンタクトフロー ID
  • --destination-phone-number:発信先電話番号
  • --source-phone-number:Amazon Connect インスタンスに関連付けられた発信元電話番号
  • --region:利用している AWS リージョン

source-phone-number を指定しない場合は、queue-id の指定が必要です。公式ドキュメントでは、発信元電話番号を指定しない場合、キューを指定する必要があると説明されています。

なお、TrafficType = CAMPAIGN の通話はデフォルトでは許可されていないため、利用前に Connect Customer campaigns のサービスクォータ引き上げが必要です。

また、利用している AWS CLI のバージョンによっては、新しいパラメータが利用できない場合があります。--ring-timeout-in-seconds が認識されない場合は、AWS CLI を最新バージョンに更新してから再度確認してください。

まとめ

Amazon Connect の StartOutboundVoiceContact API で、RingTimeoutInSeconds を指定できるようになりました。

これにより、アウトバウンド発信時に、発信先が応答するまでの最大待機時間を 15〜60 秒の範囲で調整できます。未指定時は従来通り 60 秒です。

AWS の What’s New ではアウトバウンドキャンペーン向けのアップデートとして紹介されていますが、RingTimeoutInSecondsStartOutboundVoiceContact API のパラメータであり、TrafficType = CAMPAIGN として発信することで、通常のアウトバウンド発信でも利用できます。

応答がない通話の待ち時間を短縮したい場合や、後続処理に進むまでの時間を制御したい場合に便利なアップデートです。発信業務に合わせて、適切な秒数を検証してみてください。

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