Amazon Connectでキューからキューへの転送がサポートされました

2018.08.07

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事業開発部の酒匂です。 Amazon Connectでキュー(Queue)からキュー(Queue)への転送がサポートされたそうなので、試してみました。

Amazon Connect Now Lets You Transfer Calls Between Queues Automatically

Amazon Connect now enables you to automatically transfer calls from one queue to another in your contact flow. This lets you minimize call wait times in your contact center, adjust to changing call patterns dynamically, or to assign calls to more qualified agents. You can use metrics, such as agent availability or queue capacity, to determine which queue to route the call to.

To get started, first create a customer queue contact flow. Next, define the conditions for transferring calls using blocks in your contact flow. Finally, use a Transfer to queue block in your contact flow to enable calls to automatically transfer to the desired queue For more details, see Using Queue to Queue Transfer.

以下のようなことが記載されております。

  • キューからキューへ転送できるようになったことにより、コールセンターでの顧客の待ち時間を最小限にできる
  • 着信パターンを動的に変更することができる
  • 例えば経験豊富なエージェントが空いていたら、そっちで受けてもらうようにする
  • キューを転送する条件として、エージェント空き状況やキューの状態を利用できる

コールフローの基本的な流れとしては、

  1. 転送先(着信先)のキュー(Queue)を設定し、そのキューへ転送する

2-1. キューに受付可能なエージェントが存在する場合、エージェントに着信する

2-2. キューに受付可能なエージェントが存在しない場合、顧客キューに転送され、待ち呼となる

この、2-2の時は、「お待たせしており、申し訳ございません・・・」のプロンプトを一定間隔で流すことになると思いますが、この時に別のキュー(=本来着信させるべきキューのとってのバックアップとなるキュー)へ転送するということができるようになりました。

試してみる

以下の動きができるのかを確認します。

  1. 「問い合わせ受付」へ転送する

  2. 空きのエージェントがいないので、待ち呼となる

  3. 「契約手続き受付」の空き状況を確認

  4. 空きがあったので、「契約手続き受付」へ転送

問い合わせフローの作成

「問い合わせ受付」キューに転送するフローにします。

顧客キューフローの作成

「問い合わせ受付」キューに転送するフローに転送したけど、空きのエージェントがいなくて、待ち呼のフローに入った場合のフローとして作成します。ここで、「人員の確認」ブロックで別のキュー(契約手続き受付)の状況を確認し、空きのエージェントがいれば転送するようにします。

「人員の確認」ブロックの「確認するキュー」で状況を確認するキューを指定します。

確認手順

  1. ルーティングプロファイルに「問い合わせ受付」キューが設定されている受付可のエージェントが存在しない状態にします。

  2. ルーティングプロファイルに「契約手続き受付」キューが設定されている受付可のエージェントが存在する状態にします。

  3. 電話機からAmazon Connectのフローへ電話をかけます。

  4. ルーティングプロファイルに「契約手続き受付」キューが設定されている受付可のエージェントに着信することを確認します。

キューからキューへ転送するとは?

とあるキューに入って、待ち呼になった場合に別のキューに転送するということなので、最初から複数のキューに対して待ち行列に入るというわけではありません。

1つのキューに対して待ち行列に入るのですが、他のキューの状況をチェックし、状況によっては待ち行列に入っていたキューからは抜けて、別のキューへ転送するということになります。

例えるならば、ジュンク堂池袋店の1階にある大きなレジカウンターで順番待ちをしていると、空きが出たレジ担当者が「こちらへどうぞ」と声をかけてくれてそっちに行くのではなくて、最初はレジカウンター3番で順番待ちしていたのだけど、レジカウンター5番が空いていたので、そっちに移動したというイメージになります。前者の場合は、順番待ちをしている対象は「全レジカウンター」になりますが、後者の場合は「特定のレジカウンター」です。キューからキューに転送するというのは、後者になります。

おわりに

コールフロー上で色々と着信させるキューの制御が行えるようになってきておりますが、一方でエージェント側はルーティングプロファイルにキューごとに優先度をつけることができますので、コールフローを設計する際は、この両方を考慮する必要があります。

参考