Amazon Connectの軌跡〜東京リージョンのローンチから今までを振り返る- Amazon Connect アドベントカレンダー 2022
こんにちは、洲崎です。
Amazon Connect アドベントカレンダー 2022、2日目の記事です!
クラスメソッドとギークフィードさんの有志が募ってチャレンジしている企画になります。
(アドベントカレンダーのカレンダー一覧はこちら↓)
2日目なのでちょっとエモい内容で、「Amazon Connect」の東京リージョンローンチから今までをいくつかピックアップして、年別で振り返ってみました。
この記事で伝えたいこと
Amazon Connectは他のAWSサービスとともに進化し続けるコンタクトセンターサービスです。
それではAmazon Connectはどのように進化していったかを振り返ります。
2018年
Amazon Connect 東京リージョンローンチ
2018/12/11、Amazon Connectが東京リージョンにやってきました。
それまでは従量課金制のコンタクトセンターサービスはあまり見当たらず、当時はコールセンターシステム業界の黒船とも呼ばれてました。
シドニーリージョンで日本向けのサービスが提供されており、050と0800の番号が利用可能でしたが、距離における遅延や電話番号といった課題がありました。
東京リージョンにきてから距離の遅延も解消し、03と0120番号が利用できるようになります。
Amazon ConnectはさまざまなAWSサービスと連携できます。
(ドキュメントより参照)
AWS LambdaやDynamoDBを利用して、DB参照を含めた動的なルーティングを作成できます。
Amazon S3を利用することで、非常に安価で堅牢性の高いストレージサービスに通話録音データやレポートデータを保存することができます。
Amazon OpenSearch ServiceやAmazon QuickSightを利用することで、グラフィカルに通話履歴を見るダッシュボードを作成することができます。
AWSサービス以外だと、Salesforceと連携は東京リージョンに来る前から連携可能です。
弊社のブログだと2017年10月頃には連携できるようになってました。
2019年
2019年は、音声のテキスト化や感情分析、チャット機能等、オムニチャネルや機械学習といった付加価値をつけたサービスが発表されました。
これらのアップデートで、Amazon Connectはより可能性を見せてくれるサービスに変わっていきます。
Amazon Transcribe 日本語化
Amazon Transcribeが日本語対応されました。
Amazon Transcribeは自動音声認識(ASR)サービスであり、音声からテキストへの変換を行うサービスです。
それまで日本語の文字起こしは、AWSで出来なかったため他のサービスと組み合わせる必要がありましたが、Transcribeが日本語対応することで、AWSだけで完結できるようになりました。
Amazon Comprehend 日本語化
同じ時期に、Amazon Conprehendも日本語対応されました。
Amazon Conprehendは指定したテキストを分析し、キーフレーズの検出や感情の判定を行えるサービスです。
録音したデータをAmazon Transcribeで日本語でテキスト化し、キーフレーズや感情分析をAmazon Conprehendで行うといったことができるようになりました。
Amazon Connect Chat
通話に加えて、Amazon Connectでチャット機能が利用できるようになりました。
エージェントは電話を取る画面と同じインターフェイスでチャット対応も可能になります。
チャット画面のソースコードはJavaScriptですが、Amazon Connect上から簡単に生成することができます。
Contact Lens for Amazon Connect
名前的にもインパクトがある、革命的なサービスです。
Amazon Connectで行われた通話情報を解析し、テキスト化や分析を行うには、上で紹介をあげたTranscribeやComprehendが必要ですが、Contact Lens for Amazon Connectはその辺りをフルマネージドで提供してくれます。
この時は残念ながら日本語は未対応でした。
2020年
2020年は、AWS re:Invent 2020のキーノートでAmazon Connectの新機能が5つも紹介されました。
ここで発表されたアップデートは従業員体験や顧客体験を意識したサービスが多いです。
Amazon Connect Tasks
エージェントのタスクを管理したり、スーパーバイザにエスカレーションを上げれる機能です。
Amazon Connect Wisdom
顧客の問い合わせを機械学習で分析し、エージェントに顧客の課題を解決するために必要な情報を提供する機能です。
Salesforce、ServiceNow、Zendeskと連携することができます。
Amazon Connect Customer Profiles
複数システムの顧客の情報をAmazon Connectでプロファイルとしてまとめる機能です。
Salesforce、Marketo、ServiceNow、Zendesk、Shopifyと連携することができます。
Real-Time Contact Lens for Amazon Connect
2019年に発表されたContact Lens for Amazon Connectがリアルタイムで利用できるようになりました。
通話後の分析しかできなかったのが、通話中の会話も分析できるようになり、より活用方法が広がります。
Amazon Connect voice ID
音声のみで本人確認が完了するサービスです。
本人確認をするためにいくつかの質問に答えるケースはよくあると思いますが、Amazon Connect Voice ID はこのプロセスを省略するために、発信者の音声特性(リズム、ピッチ、トーンなど)を分析し、機械学習によって本人であることを識別します。
最初にボイスプリントとして登録しておき、2回目からは対話型で会話をすることで認証を完了することができます。
この時はまだ日本語は未対応です。
2021年
2021年は、待ち望んでいた日本語対応のサービスが多かったです。
サービスとしては発表されていたけど、日本語対応が...といった日本にいる全てのAmazon Connectユーザーの悩みを払拭してくれました。
Amazon Lex 日本語化
くるぞくるぞ..と待ち望んでいたサービスです。
Amazon Lexは自動音声チャットボットで、”声”を認識して自動応答してくれるサービスです。
作り込み次第になりますが、AWSだけで日本語のボットを作ることができます。
Contact Lens for Amazon Connect 日本語化
Contact Lens for Amazon Connectが日本語化することで、TranscribeやComprehendを組み合わせずとも、Amazon Connect内でマネージドに利用できるようになりました。
簡単に実装できる為、当たり前のように日本語の音声テキスト化やテキスト分析が利用できるようになります。
Amazon Connect Voice ID 日本語化
音声のみで本人確認が完了するVoice IDも日本語化されました。
早速下記記事で試してみましたが、問題なく利用することができました。
新しいCCP - エージェントアプリケーション
CCP = Contact Control Pannel でエージェントが電話を受ける画面になります。
従来のCCPに加えて、新しいCCP(エージェントアプリケーション)が発表されました。
エージェントアプリケーションで、特に開発することなくAmazon Connect WisdomやAmazon Connect Customer Profilesも同じ画面で情報を見ることができるようになります。
2022年
2022,顧客の要望を汲み取ったアップデートが多いように感じます。
最後のAWS re:Invent2022ですが、直近で内容を掴みきれてない部分もあるので、こちらは別記事でもう少し細かく解説します。
Amazon Connect アウトバウンドキャンペーン
Amazon Pinpointと呼ばれるサービスと連携して、csvで取り込んだリストに対して自動発信します。※東京リージョン未対応です。
Amazon Connect Cases
Amazon Connect内部で問い合わせ管理ができるサービスです。
Amazon Connect Customer Profilesで顧客登録、Amazon Connect Tasksでタスクの割り当て、Amazon Connect Casesで会話した内容をケースとして登録します。
AWS re:Invent2022
Amazon Connect Agent WorkSpace
Contact Lens with agent performance management
Forecasting, capacity planning, and scheduling
Amazon Connect Global Resiliency
Amazon Connectは夢と希望に溢れたコンタクトセンターサービス
2018年にAmazon Connectが東京リージョンにきて、今に至るまでを振り返ってみました。
東京リージョンのローンチから4年ほどのアップデートを遡りましたが量が多かったです。
毎年のように新機能をリリースするAmazon Connect。ワクワクしますし今後のアップデートもぜひ追っていきたいところです。
またこれらはピックアップした内容であり、全てのアップデート内容ではありません。
細かなアップデート含めた一覧については、リリースノートをご確認ください。
ではまた!コンサルティング部の洲崎でした。