Amazon Connect ワークスペースでデータテーブルを更新し、着信フローを切り替える「緊急スイッチ」を作ってみた

Amazon Connect ワークスペースでデータテーブルを更新し、着信フローを切り替える「緊急スイッチ」を作ってみた

2026.02.16

はじめに

2025年11月のアップデートにより、Amazon Connect でカスタム UI を作成・表示できる「Amazon Connect ワークスペース」機能が追加されました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/11/amazon-connect-create-custom-uis/

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/use-views-to-create-persona-based-workspace-pages.html

この機能により、管理者やエージェントといった役割ごとに最適化された専用ダッシュボードを作成できるようになりました。

特に、「Data Tableコンポーネント」と「ワークスペース」を組み合わせることで、運用の柔軟性が大きく向上します。

従来、緊急時のアナウンス切り替えなどを行うには、管理者がコンタクトフローを直接編集して公開し直すか、別途開発したツールを使う必要がありました。
また、「データテーブルを直接編集すれば良いのでは?」と思われるかもしれませんが、データテーブルの管理画面はすべてのデータが表示されるため、誤って別の設定を削除してしまうリスクがあります。

しかし本機能を使えば、「必要なスイッチだけ」をフィルタリングして表示し、トップページから安全かつ直感的に操作できるようになります。

本記事では、この機能を活用して、現場担当者(スーパーバイザーなど)向けの「緊急モード切り替えスイッチ」を作成する手順を解説します。

実現する構成

  • データテーブル: スイッチの状態(ON/OFF)を保存する場所。
  • Views(ビュー): スイッチを操作する「画面(UI)」を作成する機能。
  • Workspace(ワークスペース): 作成したビューをConnect管理画面に表示させる設定。
  • Connectフロー: 電話着信時にデータテーブルを参照し、通常/緊急を分岐させるフロー。

データテーブルの作成

まず、スイッチの状態を保存するためのデータテーブルを作成します。
Amazon Connect コンソールの「ルーティング」>「データテーブル」から「データテーブルを作成」をクリックし、名前を EmergencySwitchTable とします。

cm-hirai-screenshot 2026-01-27 13.52.43

属性(列)の定義

以下の2つの属性を追加します。

  1. SettingKey

    • プライマリ属性として設定
    • タイプ:テキスト
    • 役割:スイッチを特定するための「名前(ID)」
      cm-hirai-screenshot 2026-01-27 13.54.10
  2. IsActive

    • タイプ:ブール値
    • 役割:スイッチの「ON/OFF状態」
      cm-hirai-screenshot 2026-01-27 13.56.01

レコード(行)の追加

テーブル作成後、実際に使用するスイッチのデータを1行追加します。

  • SettingKeyMainSwitch
  • IsActivefalse (初期状態はOFF)

cm-hirai-screenshot 2026-01-27 13.56.01

なお、テーブル作成時に自動生成される デフォルト という値の行は削除できない仕様のため、そのまま残しておきます。(後ほどView側でフィルタリングして非表示にします)

cm-hirai-screenshot 2026-01-27 14.05.47

Connectフロー(着信時)の作成

電話がかかってきた際に、データテーブルの値を読み取って分岐するフローを作成します。

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  1. データテーブル ブロック

    • 作成した EmergencySwitchTable
    • クエリ名GetStatus
    • 検索条件: SettingKeyMainSwitch と等しい固定値を設定します。
    • クエリ属性: IsActive を指定します。(この設定により、IsActiveの値が後続のブロックで利用可能になります)
      cm-hirai-screenshot 2026-01-27 14.10.25
  2. コンタクト属性を確認する ブロック
    先ほど取得した IsActive の値をチェックします。

    • 確認する属性のタイプ: データテーブル
    • データテーブルのキー: GetStatus.IsActive
    • 条件: true,falseと等しい
      cm-hirai-screenshot 2026-02-16 14.55.53
  3. プロンプトの再生 ブロック(分岐先)

    • Trueの場合: 「現在、緊急メンテナンス中です...」などの緊急アナウンスを流します。
    • False: 通常のアナウンスを流します。

ビュー(操作画面)の作成

次に、スイッチを切り替えるための画面を作成します。
Amazon Connect コンソールの「Views」から「ビューを作成」をクリックします。

  • 名前: EmergencySwitchView
  • 目的タイプ: Workspace Page

cm-hirai-screenshot 2026-01-27 14.24.59

Data Table コンポーネントの設定

画面左側のコンポーネント一覧から [Data Table] をドラッグ&ドロップし、以下の設定を行います。

  • Data Table: EmergencySwitchTable
  • Mode: Read and Write
    • ここをWrite可能にすることで、更新用のフローを作成することなく、画面操作だけで直接データテーブルを書き換えることができます。
  • Display: Table
  • Primary Values 1 (フィルタリング設定)
    • Attribute Name: SettingKey
    • Value: MainSwitch

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フィルタリング設定について

Primary Valuesを設定することで、画面上には MainSwitch の行だけが編集可能となり、編集対象を限定できます。

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もしこの設定を行わない場合、削除できない仕様の「デフォルト」行や、他の設定行まで表示・編集できてしまい、誤操作の原因となります。

▼ フィルタリングなしの状態(Default行が見えてしまっている)
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設定が完了したら、ビューを「公開」します。

ワークスペース(表示設定)

作成したビューを、Connectの管理画面に表示させるための設定を行います。
「ワークスペース」 を新規作成します。

  • 名前: EmergencySwitchWorkSpace
    cm-hirai-screenshot 2026-02-16 15.07.19

ページの追加

「ページを追加」をクリックし、以下のように設定します。

  • 既存の接続ページを使用する
  • ページ: ホーム (Connect管理トップページ)
  • 表示: EmergencySwitchView (先ほど作成したビュー)

これにより、Connectにログインした直後のホーム画面(ダッシュボード)にスイッチが表示されるようになります。

cm-hirai-screenshot 2026-02-12 15.55.20

割り当て

このワークスペースを表示させるユーザー(セキュリティプロファイルまたは特定のユーザー)を選択します。

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設定を保存します。

動作確認

対象ユーザーでAmazon Connect管理画面にログイン(またはリロード)します。
トップページに、作成したデータテーブルのビューが表示されました。
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「書き込み」モードに切り替えると、false を変更できます。

MainSwitch の行のみが編集可能なため、迷うことなく操作可能です。

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修正できました。これで、電話着信時のフローがこの値を参照し、緊急アナウンスへ切り替わるようになります。

cm-hirai-screenshot 2026-02-16 9.13.02

補足:カスタムページとして表示する場合

ホーム画面ではなく、左側メニューの専用アイコンから開く「カスタムページ」として設定することも可能です。
ワークスペース設定の「カスタムページスラッグでページを設定」を使用します。

  • ページスラッグ:page/EmergencySwitchView
    cm-hirai-screenshot 2026-02-16 9.11.16

cm-hirai-screenshot 2026-02-16 9.15.30

設定すると、サイドバーにアイコンが出現し、クリックすると専用URLでビューが表示されます。

cm-hirai-screenshot 2026-02-16 9.13.42

補足:エージェントワークスペースに表示させる場合

エージェントワークスペース(CCP)上にこのビューを表示させることも可能ですが、「常時表示」はできない点に注意が必要です。

エージェントワークスペースの「ガイド(Guides)」機能は、あくまでエンドユーザーからの問い合わせ(コンタクト)に対応するための機能であるため、通話やチャットが発生していない待機状態では表示されません。

実装する場合は、以下の手順が必要です。

  1. 表示用フローの作成:
    「ビューを表示」ブロックを配置し、作成した EmergencySwitchView を指定したフロー(例: ShowEmergencyViewFlow)を作成します。
  2. インバウンドフローの設定:
    着信フローの中に**「イベントフローの設定」**ブロックを配置し、「エージェントUIのデフォルトフロー」として、上記 1 で作成したフローを指定します。

これにより、電話着信時(通話中)のみスイッチ画面を表示させることが可能です。

参考

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/amazon-connect-workspaces.html

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