[アップデート] Amazon EFS の Elastic Throughput モードの最大読み込みスループット性能が倍増しました
Amazon EFS の Elastic Throughput モードにおいて、最大読み込みスループット性能が 2 倍に向上しました。本記事ではこのアップデートの詳細と、Elastic Throughput モードの特徴について紹介します。
アップデートの概要
- Elastic Throughput モードの最大読み込みスループット: 30 GiB/s から 60 GiB/s へ倍増
- 対象リージョン: 東京リージョンを含む、一部のリージョンで本アップデートが適用
アップデート詳細
最大読み取りスループットの向上
アップデート対象はElastic Throughput モードにおける最大読み込みスループット性能を対象としています。
- 30 GiB/s から 60 GiB/s へ最大読み込みスループット性能が 2 倍になりました
出典: Amazon EFS performance - Amazon Elastic File System
対象リージョン
本アップデートは東京リージョンを含む一部のリージョンで適用されています。アップデートが未適用のリージョンと比較すると読み書きの性能差が顕著になってきています。 日本国内でも東京と大阪リージョン間で DR を検討する際は性能差にご注意ください。
出典: Amazon EFS quotas - Amazon Elastic File System
Elastic Throughput モードの特徴
Elastic Throughput モードは、AWS が現在推奨しているモードで、アプリケーションが必要とするスループット性能を自動的に提供します。課金体系には、他の EFS モードと比較すると以下の特徴があります。
- 保存容量に加え、データの読み込みと書き込みの転送量に応じた従量課金が発生します
- EFS の中で唯一アーカイブストレージクラスをサポートしており、長期保存データの保管コストを大幅に削減できます
詳細は以下の記事をご参照ください。
なお、アーカイブストレージクラスを利用する際は、ストレージクラスの移行時に発生するコストを事前に把握しておくことをお勧めします。
読み込みスループットを確認したいところですが
CloudWatch のメトリクスでは最大書き込みスループット値は確認できますが、最大読み込みスループット値の確認方法は現在提供されていません。
PermittedThroughput
For file systems using Elastic throughput, this value reflects the maximum write throughput of the file system.
引用: CloudWatch metrics for Amazon EFS - Amazon Elastic File System
読み取りスループット値の検証にはベンチマークテストが唯一の方法です。ただし、Elastic Throughput モードではファイルの読み書きに応じて課金が発生するため、実数値の確認は省略します。
おわりに
前回の 2024 年 8 月のアップデートに続き、今回も最大読み込みスループットが向上しています。おそらく最近の AI や機械学習ワークロードへのサポート強化といったところではないでしょうか。EFS は、高性能な FSx for ZFS、Lustre、NetApp ONTAP と比較すると、ちょっとした共有ファイルシステム用途だとランニングコストを抑えられ私は重宝して利用しています。