[アップデート] Amazon Lightsail for Research が利用可能になりました

2023.03.02

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いわさです。

今朝のアップデートで Amazon Lightsail for Research というものがアナウンスされていました。

突然登場したので混乱しましたが、今回は基本的な機能を触ってみたので紹介します。

Lightsail との違い

Lightsail は数クリックでミドルウェアなど含めたセットアップ済みのサーバーを簡単にデプロイ出来るサービスです。

Lightsail for Research では同じように数クリックで仮想マシンをデプロイ出来ます。
ただし、デプロイ出来る仮想マシンは Ubuntu Desktop ベースの仮想マシンとなっています。
さらに、Lightsail と同様にブループリントに基づいて事前にソフトウェアをセットアップ済みの状態で作成することが出来るのですが、JupyterLab / RStudio / Scilab など分析用途のクライアントアプリケーションが導入可能になっています。

そしてリモート接続時には NICE DCV を使っており GUI ベースでの利用が可能になっています。(SSH も可能)

以前、Workspaces で Ubuntu Desktop がサポートされていましたが、Lightsail for Research では AD なども不要なのでよりお手軽に、あるいは一時的な利用でも使えそうな印象です。

Lightsail とは別で管理される

Lightsail for Research という名前ですが、Lightsail とは別のコンソールからアクセスし、インスタンスの管理も Lightsail とは別になっています。

Lightsail for Research の起動メニューは Lightsail コンソールの上部に存在していますが、全く別のコンソール画面へ遷移します。

そして Lightsail for Research でインスタンスを作成しても次のように Lightsail インスタンス一覧には表示されません。

ちなみに、EC2 コンソール上にも表示されません。
Lightsail と同様に Lightsail for Research 用のマネージドなネットワーク上で起動・管理されているようです。

ただし、Lightsail for Research でもブロックストレージを追加することが出来るのですが、このストレージについては Lightsail コンソールと共通で管理出来るストレージでした。
以下は Lightsail for Research 上で作成したブロックストレージです。

Lightsial for Research の仮想コンピューターで使っていた追加ストレージをデタッチし、Lightsail の仮想サーバーへアタッチすることが出来ました。

使ってみる

本日は実際にインスタンスを作成して接続してみましょう。

流れとしては Lightsail と同じで、ブループリントとプラン(スペック)を選択肢して仮想マシンを作成します。
その後ブラウザ上からリモート接続して利用する形となります。

インスタンス作成

本日時点では次のブループリントが用意されています。
ひとつづつ確認は出来ていないですが、ドキュメントによるとベースは全て Ubuntu です。

プランは 6 つ用意されています。
なお、ここで選択したプランは変更出来ないのでご注意ください。後述しますがスナップショットからの復元が必要となります。

Lightsail for Research の料金については Lightsail の料金ページに既に追加されています。

仮想サーバーと異なり、月額ではなく時間ベースでの料金表示となっていました。
「よくある質問」によると、スタンダードプランは GPU を必要としないアプリケーションやデータを分析したりする際に使用し、GPU プランはニューラルネットワークなどを使用したり高度なシミュレーションを実行する際の使用を想定しているようです。

数分で作成が完了しました。

リモート接続

Ubuntu を起動ボタンあるいは対象インスタンスの「オペレーティングシステムにアクセス」メニューから接続することが出来ます。

接続すると次のように Web ブラウザ上から GUI でのリモート接続を行うことが出来ました。
NICE DCV (NICE Desktop Cloud Visualization) が使われています。

オプションを利用

Lightsail と同様にいくつかオプション機能があります。
サイドメニューを見る感じだとストレージの追加が出来るようです。試してみます。

ディスク追加

リージョンとディスクサイズのみを指定します。
このあたりも細かいカスタマイズは出来ないですがお手軽な感じが Lightsail に似ています。

追加ディスクの作成後、先程作成したインスタンスへアタッチします。アタッチボタンを押すのみです。

システムモニターで確認してみるとデフォルトの 50 GB のストレージに加えて、追加した 8 GB のディスクが認識されていました。

なお、仮想コンピューター削除後も追加ストレージは削除されずに料金が発生し続けるので覚えておきましょう。

スナップショット作成

スナップショット作成もメニューから行うことが出来ます。

対象仮想コンピュータを選択してスナップショットを作成します。

ただし、作成したスナップショットから操作出来るのは本日時点では仮想コンピュータの作成とスナップショットの削除のみとなっており、Lightsail のように EC2 へのエクスポートや別リージョンでの起動などはサポートされていないようでした。

スナップショットから仮想コンピュータを作成しようとするとプランを選択することが出来ます。
既存の仮想コンピュータのプラン変更は出来ないので、このようにスナップショットから復元して再指定する形になりそうです。

ただし、この場合でもリージョン間の移動は出来なかったのでご注意ください。

Lightsail サーバーで使えていたオプションの多くは使えない

なお、Lightsail ではサーバー向けの様々なオプションが用意されていましたがこれらは利用出来ません。

  • 静的 IP
  • DNS 管理
  • オブジェクトストレージ
  • ロードバランサー
  • コンテナー
  • データベース
  • CDN ディストリビューション
  • VPC ピアリング

公式ドキュメント

なお、Lightsail for Research のドキュメントは Lightsail とは別で新しく用意されています。

さいごに

本日は Amazon Lightsail for Research が利用可能になったので試してみました。

雑にいうと Lightsail の Ubuntu Desktop 版というところでしょうか。
Workspaces よりも簡単に用意出来て、RStudio や JupyterLab を使えそうです。

東京リージョンでも利用可能なので是非使ってみてください。