モバイルアプリ用のターゲットPush通知サービス『Amazon Pinpoint』で出来る事を確認してみる #reinvent #pinpoint

2016.12.02

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AWS re:Invent 2016のKeynoteで発表されたモバイルアプリ用のターゲットPush通知サービス『Amazon Pinpoint』。様々なデータソースとの統合も可能という事で何やらとても便利そうな機能ですが、実際はどのような事が出来るのでしょうか?当エントリではその内容についてざっとではありますが見て行きたいと思います。

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はじめに

Amazon Pinpointを使用すると、ターゲットとなるキャンペーンを簡単に実行出来、モバイルアプリのユーザーエンゲージメント(ユーザー(顧客)が企業などのサービス提供者に対してどれぐらい愛着を持っているかを示す度合い:※参考)を促進出来ます。

Amazon Pinpointは、ユーザーエンゲージメント促進を行う上での以下の作業を行う上で非常に役立つ機能を兼ね備えています。

  • ユーザーの行動を理解
  • ターゲットとするユーザーを定義
  • 送信するメッセージを決定
  • メッセージ配信の最適なタイミングをスケジューリング
  • キャンペーンの結果を追跡

応答率が伝統的な電子メールマーケティングキャンペーンの数倍となる事が多い事から、アプリの使用傾向とユーザーの行動に基づいてターゲット設定された『プッシュ通知』は、モバイルアプリのユーザーエンゲージメントの一般的なアプローチとなっています。ターゲットとしているプッシュ通知を使用する事で、メッセージの関連性と効果を高め、エンゲージメントを測定し、キャンペーンの継続的な改善を行う事が出来ます。

Amazon Pinpointを使い始めるのはとても簡単です。

まずはじめに、AWS Mobile HubがあなたをAWS Mobile SDKとアプリケーションを統合するプロセスにガイドします。次に、ターゲットセグメントやキャンペーンメッセージを定義し、配信スケジュールを指定します。キャンペーンが実行されると、Amazon Pinpointはメトリクスを生成し、その情報を基に分析を実行してキャンペーンの影響を追跡していく事が出来ます。

Amazon Pinpointを利用する際、初期コストや固定の月額費用は掛かりません。キャンペーン対象のユーザー数、送信したメッセージ、収集したイベントの料金のみを支払う形となっているため、アプリケーションの成長に合わせて小さく始め、大きく育てて行く事が可能です。

Amazon Pinpoint利用で得られるメリット

ユーザーの行動を理解出来る

Amazon Pinpointは、ユーザーがモバイルアプリにどのように関わっているかの情報を明確に示す事が出来ます。ユーザー獲得、ユーザーエンゲージメント、ユーザーの人口統計、カスタムイベント、キャンペーンのファンネルを分析する為のダッシュボードによるリアルタイム分析機能が含まれている為、ユーザーとアプリケーションとの関わりを理解する事が出来ます。

Pinpointを使用する事で、セグメント全体、セグメント属性、または時間別でユーザーデータをフィルタリングしたり、ダッシュボードのデータを表示したりドリルダウンしたり出来ます。

ターゲットを指定したキャンペーンを展開出来る

Amazon Pinpointを使用すると、アプリユーザーベースのターゲットとなるセグメントに関連性のある、パーソナライズされたプッシュ通知メッセージを配信する為のターゲットを絞ったキャンペーンを作成出来ます。

キャンペーンのオーディエンスに対するセグメンテーションは、アプリを開いた回数やアプリ内の特定の機能の使用率などの一般的な指標によって定義できます。

様々な、異なるソースのデータを使用して、Amazon Pinpointでターゲットセグメントを定義する事が出来ます。Pinpointは、モバイルアプリからユーザーデータを自動的に収集したり、Amazon S3やAmazon Redshiftなどの他のAWSサービスで収集されたデータをインポートすることができます。

サードパーティのデータソースでのデータとの統合は簡単です。データをAmazon S3にエクスポートし、事前構築された統合を利用してPinpointにデータをインポートします。ターゲットセグメントを定義すると、カスタマイズしてモバイルアプリのユーザーエクスペリエンスに直接統合できるプッシュ通知キャンペーンを実行できます。

結果を測定出来る

Amazon Pinpointは、キャンペーンの結果としてアプリが開かれ、収益がキャンペーンから生成された回数を含むキャンペーンのユーザーエンゲージメントへの影響を追跡するためのアプリの使用状況に関するレポートを提供しています。

結果のイベントデータをエクスポートして、既存の分析ツールを使ったカスタムアナリティクスを実行する事も可能です。また、A/Bテストで様々なメッセージをテストし、結果を追跡し、ターゲットセグメントに最適なメッセージを送るのに便利なサービスとなります。

Amazon Pinpointの機能一覧

Amazon Pinpointで利用出来る機能には以下のようなものがあります。

アプリケーションからの利用状況データ収集

AWS Mobile SDKをアプリに統合する事で、アプリの使用属性、デバイス属性、カスタム属性を収集可能です。 属性を使用して、アプリユーザーにとって最も適切なタイミングで配信される、高度にターゲット設定されたプッシュ通知を作成する事が出来ます。

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組み込みアナリティクスを用いた分析

Amazon Pinpointにはユーザー獲得/ユーザー関与/人口統計/カスタムイベント/キャンペーンのファンネルを分析する為のダッシュボードによるリアルタイム分析機能があり、ユーザーがアプリケーションに対してどのように関わっているかについて理解する事が出来ます。

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外部データとの統合が容易に

Amazon Pinpointでは様々なデータソースからターゲットセグメントを定義する事が出来ます。Amaozn S3やRedshift等の他のサービスで収集されたデータから作成する事も可能です。Amazon PinpointはAmazon S3と統合されているため、JSON及びCSV形式のターゲットユーザーセグメントを、Salesforce等のサードパーティソースからインポートし、SalesforceからAmazon S3にエクスポートし、Amazon Pinpointにインポートする事が出来ます。

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セグメントを作成してキャンペーンをターゲットに設定

Amazon Pinpointを使って、国やOSプラットフォームなどのデバイス属性、使用頻度や頻度などのユーザー・アクティビティ、サブスクリプション・レベルなどのカスタム属性に基づいて独自のユーザー・セグメントを構築する事が可能です。また、Amazon S3とAmazon Redshiftの独自のデータでカスタムセグメンテーションクエリを実行し、これらをセグメントとしてPinpointにインポートする事も可能です。

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キャンペーンメッセージを作成

Amazon Pinpointを使用して、カスタム設定されたテンプレートからメッセージを作成出来、キャンペーン内の各ユーザーにパーソナライズされたメッセージを配信する事が可能となります。Amazon S3から直接、各ユーザーのパーソナライズされたメッセージとともに、ユーザーのデバイスIDをインポートして、パーソナライズされたメッセージを送信する事も可能です。

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キャンペーン1回限り or 定期的なスケジュールで設定

Amazon Pinpointでは、定義を行ったタイミングで即時 or 定期的なキャンペーンとしてプッシュ通知を送る事が可能です。キャンペーンをスケジュールすることで、複数のタイムゾーンにまたがって特定の時刻に配信されるプッシュ通知を最適化出来ます。

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キャンペーンの結果を分析

Amazon Pinpointで展開されているメトリックを使用して、キャンペーンの影響を測定および表示する事が出来ます。結果のイベントデータをエクスポートして、既存の分析システムを使用してカスタムアナリティクスを実行する事も可能です。

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A/Bテストを容易に実行

Amazon PinpointにはA / Bテストが含まれており、ユーザーのサブセットで最大5つの異なるメッセージとキャンペーンスケジュールをテストし、結果を測定し、最適なメッセージをターゲットセグメントに送信できます。

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採用目標到達プロセス(ファネルチャート)のダッシュボードを構築

Amazon Pinpointを使って、キャンペーンの目標を定義して表示してキャンペーンの掲載結果を分析し、ユーザーがキャンペーンにどのように参加しているかを素早く確認する事が出来ます。セッションの開始、キャンペーンの送信からユーザーの応答までの時間、カスタムイベントなどのイベントを含め、各目標到達プロセス内で最大5つのステップを定義可能です。

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Amazon Pinpoint APIによるキャンペーンの自動化

Amazon PinpointのAPIを使ってキャンペーンを自動化出来ます。Pinpoint APIを使用すると、メッセージ認証情報の更新、デバイスエンドポイントのインポート、セグメントの定義、キャンペーンの定義、キャンペーンやアプリのイベントデータの保存やエクスポートを行う事が出来ます。

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まとめ

という訳でAmazon Pinpointに関する特徴・機能に関する内容のご紹介でした。FAQについては以下リンクから展開されていますので、併せて内容をご確認頂けますと幸いです。こちらからは以上です。

参考情報: