[アップデート] Amazon Q for Business でレスポンスをカスタマイズできるようになりました
こんにちは!クラウド事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)です。
Amazon Q for Business でレスポンスをカスタマイズできるようになりました。
アップデート内容
今回のアップデートは端的にいうと、「どういった口調/キャラ/観点で回答して欲しいか?」をカスタマイズできるようになりました。
新たに「Response customization
」という設定値が増え、Persona と Response preference 別に、次の項目をカスタマイズできます。
Persona
- Identity
- Amazon Q for Business のキャラ(Identity)を定義
- 例:
あなたは、The Culinary Institute of Americaによって作られたAIアシスタント、MichelinChef AIです。
- Perspective
- どういった視点や役割で質問に回答するかを定義
- 例:
あなたは専門アドバイザーであり、金融分野の専門家として活動する。
- Target audience
- 質問してくる人がどんな人なのかを定義
- 例:
基本的な技術知識はあるが、サイバーセキュリティのベストプラクティスについて指導を必要としている中小企業の経営者を支援する。
Response preference
- Output style
- 出力形式を指定
- 例:
最終的な回答は、プロフェッショナルで有益なものでなければならない
、箇条書きで答えてください
- Tone
- コミュニケーションのトーンや口調(フォーマル、カジュアル、テクニカル、フレンドリー、プロフェッショナル)を定義
- 例:
最終的な返答は常にユーモラスでカジュアルなものにすること。
- Response length
- 応答の長さを定義
- 例:
最終的な回答は常に50ワード以内にすること。
- Custom instructions
- その他、補足したいことがあれば定義
各カスタマイズ項目に対して、こういった需要もあるんだとシンプルに勉強になりますね。
やってみる
実際に触ってみましょう。
Response customization
Amazon Q Business アプリケーションを作成すると、確かに「Response customization
」が増えています。
デフォルトでは、次の Response style profile が設定されていました。
This Amazon Q application uses default settings for identity, role, audience, style, and tone, with responses set to concise length. No custom configurations have been applied.
早速、レスポンスをカスタマイズしていきましょう。
何か強い思いやこだわりがあるわけではないですが、今回はギャルっぽく回答してもらうように設定してみました。
Claude 4 Opus に考えてもらったのですが、なかなかのギャルなのではないでしょうか。
Identity
ギャルAIアシスタント「Q子(きゅーこ)」、渋谷系ギャルでIT企業で働く令和ギャル。難しいビジネスの話もギャル語で分かりやすく説明するのが得意。ユーザーを親しみを込めて呼ぶ
Perspective
すべてをポジティブで楽しく捉える。難しい技術用語やビジネス用語も、ギャル語や若者言葉を使って親しみやすく説明。堅苦しい雰囲気を取り除き、楽しく学べる環境を提供する
Target audience
Z世代のエンジニア、若手ビジネスパーソン、堅い雰囲気が苦手な人、楽しく技術を学びたい初心者、ギャル文化に理解がある人、カジュアルなコミュニケーションを好む人
Output style
ギャル語と若者言葉を使用。語尾は「〜じゃん」「〜だょ」「〜なのら」を使用。カタカナ表記多め(マジ→マヂ)。絵文字と顔文字を多用(✨💕🥺)。専門用語の後には必ず簡単な説明を追加
Tone
超フレンドリーでテンション高め。「やばたにえん」「ぴえん」「それな〜」などの共感表現を使用。励ましや応援を大切にし、エラーも「大丈夫だょ〜」と優しくフォロー
Response length
100〜300文字程度で短めに。要点は絵文字でめっちゃ分かりやすく。長い説明が必要な時は「ちょっと長くなるけど聞いて〜」と前置きする
Custom instructions
必ず絵文字を含める。「です・ます」調は絶対使わない。エラーは「ぴえん🥺」、成功は「やった〜!✨」で表現。相槌は「それな」「わかるぅ」「えぐいて」を使用。強調は「めっちゃ」「激」「ガチで」を使用。ユーザーを「〜たん」「〜ぴ」と呼ぶ。技術用語の後は必ず「(要はね〜)」で簡単に説明。改行多めで読みやすく
設定を進めていると、右側に Response configuration summary
が表示されています。
保存を押すと、数分後に設定が反映される旨が記載されていますね。(変更が一方通行のため、バージョン管理できると良さそうな印象を持ちました)
設定が完了すると、次のように Response style profile
が生成されます。この検証の中で 2 回、同じ設定値で設定変更をしたのですが、LLM を使っている都合なのかプロンプトが異なっていました。
1 回目
2 回目
Response style profile を元に回答しているのでしょうか。ドキュメントを漁っていたのですが、この辺りの仕様は見当たりませんでした。
質問してみる
実際に質問してみましょう。確かに回答がギャルっぽくなっていますね。
趣味について相談してみました。「やばたにえん
」が出てきますね。
ユーザー側で回答のニュアンスを曲げてみようとしましたが、ギャルのエッセンスは変わらなかったです。
Response customization のベストプラクティス
最後に Response customization のベストプラクティスについて触れます。ドキュメントによると次のルールを守って設定が推奨されていました。
- 指示を明確かつ具体的にする
- 矛盾した指示は避ける
- 可能な限り肯定的な指示を使用する
- 否定的な指示は、望ましくない出力や偏った反応を防ぐ場合にのみ使用する。
- 関連する指示の一貫性を保つ
- 関連性のある、多様な、実際のシナリオに基づいた例を追加する。
- 機密情報や個人を特定できる情報(PII)を含めない
Response customization settings - Amazon Q Business
まとめ
以上、「Amazon Q for Business でレスポンスをカスタマイズできるようになりました。
」でした。
To C 向けの Amazon Q Business だと、確かにブランドイメージなどが絡むため、必要な気がしました。
このブログがどなたかの参考になれば幸いです。クラウド事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)でした!