Amazon Q in Connect の各機能にかかる料金を整理してみた
はじめに
Amazon Q in Connect は便利な機能を提供する一方で、料金体系が複雑で分かりにくい面があります。
この記事では、Amazon Q in Connect の各機能にかかる料金を整理し、実際の利用方法に基づいた課金の仕組みを解説します。
Q in Connect の料金が発生する機能は、大きく以下の 3 つに分類されます。
-
エージェントアシスタンス
- 「リアルタイムでの推奨事項の提供」
-「ナレッジの検索」
- 「リアルタイムでの推奨事項の提供」
-
「カスタマーセルフサービス」
- Lex ボットによるチャットおよび IVR での顧客サポート
エージェントアシスタンスの料金
エージェントアシスタンスには「リアルタイムでの推奨事項の提供」と「ナレッジの検索」の2つの機能がありますが、共通の料金体系となっています。
- リアルタイムでの推奨事項の提供
- ナレッジの検索
項目 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
エージェントあたりの月額料金 | 40 USD | 日割り計算なし |
重要なポイント
- 月に1回でも利用すると40 USDが発生します(日割り計算なし)
- AWS CLI などを使用して、どのユーザーが利用したか、今月利用済みのエージェントを確認する方法はありません
- 課金タイミングについては、私の環境では、月末に40 USDが課金されました
CCP(Contact Control Panel)利用時の課金
「リアルタイムの推奨事項」が有効な Connect フローで、エージェントがエージェントワークスペースを開き、リアルタイムの推奨事項がトリガーされると、課金対象となり、月額 40 USD が発生します。
また、エージェントワークスペースを開いて「ナレッジの検索」を利用した場合も月額 40 USD が発生します。
「リアルタイムの推奨事項」と「ナレッジの検索」の両方を利用しても、料金は合算されず、エージェント1人あたり月額 40 USD のみです。
一方、エージェントワークスペースではなく、Connect の問い合わせコントロールパネル(Contact Control Panel)を利用した場合、「リアルタイムの推奨事項」はトリガーされず、「ナレッジの検索」も利用できないため、課金は発生しません。
セキュリティプロファイル
セキュリティプロファイルで「Amazon Q in Connect」の表示を許可していないエージェントは、エージェントワークスペースに「Q in Connect」が表示されません。
その場合、「Amazon Q in Connect」ブロックを利用しても、リアルタイムの推奨事項は適用されず、ナレッジの検索も利用できないため、課金は発生しません。
必要なエージェントのみに「Amazon Q in Connect」へのアクセス権を付与することで、不要な料金発生を防ぐことができます。
Amazon Qは表示されない
リアルタイムでの推奨事項の提供
Contact Lensの有効化
通話時、「リアルタイムでの推奨事項の提供」を使用するには、Amazon Connect Contact Lensの会話型分析を有効化する必要があります。チャットを利用する場合は不要です。
これにより、以下の追加料金が発生します。
月間通話時間 | 1分あたりの料金 |
---|---|
最初の500万分(階層1) | 0.015 USD |
500万分以上(階層2) | 0.0125 USD |
言語対応と課金
「リアルタイムでの推奨事項の提供」は、日本語には対応していません。
そのため、「Amazon Q in Connect」ブロックを利用してエージェントが日本語で対応した場合でも、機能がトリガーされず課金は発生しません。
カスタマーセルフサービス
Q in Connectのカスタマーセルフサービス機能は、チャネルごとに異なる料金体系となっています。
チャネル | 料金 | 備考 |
---|---|---|
チャット | 1メッセージあたり0.0025 USD | 追記5月2日:0.0015 USDに値下げ |
音声 | 1分あたり0.018 USD | 追記5月2日:0.008 USDに値下げ |
料金表には以下の記載があります。
コンタクトのセルフサービス部分で Amazon Q in Connect が利用される場合、セルフサービスインタラクションの全期間について課金されます。
音声の課金については、以下の通りです。
開始時間
- エンドカスタマーがシステムに接続した時点(通話着信時点)
終了時間
- 以下のいずれか早い時点
- コンタクトが切断された時点
- エージェントにエスカレーションされた時点
ポイント
- 別のセルフサービスフローに移行しても課金は継続される
- エンドカスタマーがエージェント待機中の時間も課金対象に含まれる
- 基本的には「システム接続から切断またはエージェント接続までの全時間」が課金対象となる
追加で発生する料金
Amazon Lexの料金
Amazon Lexの料金は、カスタマーセルフサービス機能を利用する場合に発生します。
入力タイプ | 料金 |
---|---|
音声(通話) | 1リクエストあたり 0.004 USD |
テキスト(チャット) | 1リクエストあたり 0.00075 USD |
Amazon Lexは1リクエストごとに課金されます。なお、Lexボットからユーザーへのレスポンスには料金は発生しません。
その他
Amazon Q in Connectの各機能は、Amazon BedrockのClaudeモデルを利用していますが、Amazon Bedrockの料金は発生しません。
これは、AWS側の内部でBedrockを利用しているためです。
また、Amazon Q in Connectを利用する際は、Amazon Connectのチャットや通話料金、電話番号保持料金がかかります。試算方法も含め、以下の記事にまとめられていますのでご参照ください。
参考