Amazon SES の自動検証機能でメール送信が抑止された時の送信イベントを確認してみた

Amazon SES の自動検証機能を有効化し、設定したしきい値を下回る信頼度のメールアドレスへの送信した際のメール送信イベントを確認してみました。
2025.12.22
こんにちは。オペレーション部のしいなです。
 はじめに先日、Amazon SES のメール検証機能が追加されました。

新機能である Amazon SES メール検証機能については下記ブログをご参照ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/ses-email-validation/
自動検証を有効化することで、信頼度が低いメールアドレスへの送信を自動的に抑止することが可能です。

今回は自動検証を有効化し、検証しきい値を下回った有効性の信頼度"中"と評価されたメールアドレスにメールを送信した場合の動作を確認し、どのようなメール送信イベントが記録されるのか検証してみました。
 概要今回は設定セットレベルで自動検証を有効化し、検証しきい値を配達の可能性が高いアドレスのみとするを設定を行います。

メール検証で有効性の信頼度は"中"と評価されたメールアドレスに対して実際に Amazon SES からメールを送信を行いメール送信イベントを確認してみます。
 結論信頼度が低いメールアドレスへの送信を自動的に抑止された場合、メール送信イベントには次のように記録されます。

bounceType：Permanent

bounceSubType：EmailValidationSuppressed
 やってみた 前提・Amazon SES がサンドボックスから本番環境に移行していること

・設定セット作成済み

・メール送信イベントの通知設定済み
 メール検証今回検証に利用するメールアドレスの検証を行います。

Amazon SES コンソールメニューの[E メールアドレスの検証]から検証するメールアドレスを入力します。

全体的な有効性の信頼度は"中"と評価されました。

 自動検証設定なしでメール送信イベント確認まずは、自動検証設定を有効化せず、全体的な有効性の信頼度が"中"と評価されたメールアドレスに対してメールを送信を行ってみます。
正常に配信できていることがわかります。
{
  "eventType": "Delivery",
  "mail": {
    "timestamp": "2025-12-22T06:38:35.419Z",
    "source": "notify@example.com",
    "sourceArn": "arn:aws:ses:ap-northeast-1:XXXXXXXXXXXX:identity/example.com",
    "sendingAccountId": "XXXXXXXXXXXX",
    "messageId": "XXXXXXX-XXXXXX-XXXX-XXX-XXX-XXXXXXXX-XXXXXX",
    "destination": [
      "user@example.com"
    ],
    "headersTruncated": false,
    "headers": [
      {
        "name": "From",
        "value": "notify@example.com"
      },
      {
        "name": "To",
        "value": "user@example.com"
      },
      {
        "name": "Subject",
        "value": "MailSubject"
      },
      {
        "name": "MIME-Version",
        "value": "1.0"
      },
      {
        "name": "Content-Type",
        "value": "text/plain; charset=UTF-8"
      },
      {
        "name": "Content-Transfer-Encoding",
        "value": "base64"
      }
    ],
    "commonHeaders": {
      "from": [
        "notify@example.com"
      ],
      "to": [
        "user@example.com"
      ],
      "messageId": "XXXXXXX-XXXXXX-XXXX-XXX-XXX-XXXXXXXX-XXXXXX",
      "subject": "MailSubject"
    },
    "tags": {
      "ses:source-tls-version": [
        "TLSv1.3"
      ],
      "ses:operation": [
        "SendEmail"
      ],
      "ses:configuration-set": [
        "myset"
      ],
      "ses:outgoing-tls-version": [
        "TLSv1.2"
      ],
      "ses:source-ip": [
        "XXX.XXX.XXX.XXX"
      ],
      "ses:from-domain": [
        "example.com"
      ],
      "ses:caller-identity": [
        "XXXXX"
      ],
      "ses:outgoing-ip": [
        "XXX.XXX.XXX.XXX"
      ]
    }
  },
  "delivery": {
    "timestamp": "2025-12-22T06:38:35.424Z",
    "processingTimeMillis": 476,
    "recipients": [
      "user@example.com"
    ],
    "smtpResponse": "250 2.0.0 Ok: queued as 50B9D819B408",
    "remoteMtaIp": "XXX.XXX.XXX.XXX",
    "reportingMTA": "e234-12.smtp-out.ap-northeast-1.amazonses.com"
  }
}
 設定セットで自動検証の有効化送信者 ID に割り当てられた設定セットに対して自動検証を有効化します。
Amazon SES コンソールメニューの[設定セット]を選択します。
一覧より該当の設定セット名を選択します。
自動検証オプションがデフォルトでは"アカウントレベルの設定を使用"となっているので、[編集]を選択します。

次のように設定を行い、変更を保存します。
自動検証設定:アカウントレベルの設定を上書き
自動検証:有効化済み
検証のしきい値:しきい値をカスタマイズ
しきい値:高

 自動検証設定ありでメール送信イベント確認先程同様に、全体的な有効性の信頼度が"中"と評価されたメールアドレスに対してメールを送信を行ってみます。

eventType がBounceと記録されました。

bounceType はPermanentとなっており、ハードバウンスの分類です。

bounceSubType はEmailValidationSuppressedといった新しいサブタイプが記録されています。

diagnosticCode は自動検証における品質信頼度レベルが設定されたしきい値を下回っているため、Amazon SES がこのアドレスへの送信を抑制しましたといった内容です。
{
  "eventType": "Bounce",
  "bounce": {
    "feedbackId": "XXXXXXX-XXXXXX-XXXX-XXX-XXX-XXXXXXXX-XXXXXX",
    "bounceType": "Permanent",
    "bounceSubType": "EmailValidationSuppressed",
    "bouncedRecipients": [
      {
        "emailAddress": "notify@example.com",
        "action": "failed",
        "status": "5.1.1",
        "diagnosticCode": "Amazon SES has suppressed sending to this address due to recipient validation. The address quality confidence level is below your configured threshold. For details on validation checks and threshold configuration, see https://docs.aws.amazon.com/ses/latest/DeveloperGuide/email-validation.html"
      }
    ],
    "timestamp": "2025-12-22T06:40:25.102",
    "reportingMTA": "dns; amazonses.com"
  },
  "mail": {
    "timestamp": "2025-12-22T06:40:25.301Z",
    "source": "notify@example.com",
    "sourceArn": "arn:aws:ses:ap-northeast-1:XXXXXXXXXXXX:identity/example.com",
    "sendingAccountId": "XXXXXXXXXXXX",
    "messageId": "XXXXXXX-XXXXXX-XXXX-XXX-XXX-XXXXXXXX-XXXXXX",
    "destination": [
      "notify@example.com"
    ],
    "headersTruncated": false,
    "headers": [
      {
        "name": "From",
        "value": "notify@example.com"
      },
      {
        "name": "To",
        "value": "user@example.com"
      },
      {
        "name": "Subject",
        "value": "MailSubject"
      },
      {
        "name": "MIME-Version",
        "value": "1.0"
      },
      {
        "name": "Content-Type",
        "value": "text/plain; charset=UTF-8"
      },
      {
        "name": "Content-Transfer-Encoding",
        "value": "base64"
      }
    ],
    "commonHeaders": {
      "from": [
        "notify@example.com"
      ],
      "to": [
        "user@example.com"
      ],
      "messageId": "XXXXXXX-XXXXXX-XXXX-XXX-XXX-XXXXXXXX-XXXXXX",
      "subject": "MailSubject"
    },
    "tags": {
      "ses:source-tls-version": [
        "TLSv1.3"
      ],
      "ses:operation": [
        "SendEmail"
      ],
      "ses:configuration-set": [
        "myset"
      ],
      "ses:source-ip": [
        "XXX.XXX.XXX.XXX"
      ],
      "ses:from-domain": [
        "example.com"
      ],
      "ses:caller-identity": [
        "XXXXX"
      ]
    }
  }
}
 まとめAmazon SES の自動検証機能を有効化すると、設定したしきい値を下回る信頼度のメールアドレスへの送信が自動的に抑止され、bounceSubType：EmailValidationSuppressedとして記録されます。

従来、バウンス率の改善方法として代表的であった送信者リストの見直しやサプレッションリスト利用に加えて、この自動検証機能を活用することで、送信前の段階でリスクの高いアドレスを排除できます。

自動検証機能は、より効果的なレピュテーション管理が実現できるため、メール配信品質向上における施策として活用できそうです。
本記事が参考になれば幸いです。
 参考https://docs.aws.amazon.com/ses/latest/dg/email-validation-auto.html