【iOS】アプリを提出する度に暗号化の質問に答える必要をなくす方法
アプリを提出する度に暗号化の質問に答えており、いつも同じ回答していて無駄な時間だなと思っていたので答えなくても良くする方法を調べました。
環境
- Xcode 14.2
はじめに
アプリをApp Store Connectにアップロードすると、iOSビルドのステータスに「コンプライアンスがありません」と表示され、クリックすると輸出コンプライアンス情報の回答を求められます。
なぜ輸出コンプライアンス情報の回答をする必要があるのか
- App Store Connectにバイナリをアップロードするということは、アメリカにバイナリを提出することになる
- アメリカやフランスでは、暗号化技術を使用するアプリの輸出入に規制がある
- アメリカでは、特定の暗号化技術の輸出入にはCCATS番号(特定の暗号化技術を使用する製品に対して必要な分類番号)が必要になることがある
- 暗号化技術を使用する場合には、輸出入規制に注意し、必要な手続きを行う責任がある
しかし、回答自体はさほど面倒くさいものではなく、表示された輸出コンプライアンス情報のページをポチポチと進めば完了します。
暗号化の質問を回避する方法
簡単な作業ではありますが、暗号化技術の使用は頻繁に変わることではないので毎回質問されるのは少し面倒です。
輸出コンプライアンス情報の質問ダイアログの下部にもAppを提出するたびに暗号化の質問に答える必要をなくす案内が書かれていました。
輸出コンプライアンスに該当しない場合は、別途書類を用意したりの必要はなく、毎回質問に答える必要もなさそうです。
輸出コンプライアンスに該当しない以下の2点のいずれかの時は、
- 標準的な暗号化のみ使用している場合
- 暗号化を使用していない場合
輸出コンプライアンスに該当しない場合は、Info.plistにキーApp Uses Non-Exempt Encryption
を追加し、値をNO
と記載することで、暗号化の質問は問われなくなります。
引用: Declare Your App’s Use of Encryption
おわりに
アプリ内の暗号化技術は頻繁に変わるものではないですが、Info.plistで設定する場合、リリース時の質問を問われなくなってしまいます。万が一暗号化技術を独自のもので使用することになる場合は変更する必要がある為、注意が必要です。
また今回取り上げていませんが、フランスで暗号化技術を使用したアプリを配信する場合には、別途暗号化申告申請書のアップロードが必要となります。
質問を回避することで注意点は出てきますが、素敵なアプリ申請ライフをお送りください。