AsiaBerlin Summit 2023 に参加してみた #ABS2023 #AsiaBerlinSummit2023

2023年6月に開催された、ベルリンとアジアを繋げる AsiaBerlin Summit 2023 に参加したレポートです。
2023.06.14

Guten Tag、ベルリンより伊藤です。

日本商工会から AsiaBerlin Summit のご案内を頂き、参加してきましたので、その様子をレポートします!

AsiaBerlin は、ヨーロッパではまだまだ比率が少ないけれど著しい経済と人口の成長を遂げているアジアと、EU内で最もスタートアップが多く国際的な都市であるベルリンの2つを繋ぎ、スタートアップの障壁を減らすことを目標としています。

What is AsiaBerlin Summit?

The AsiaBerlin Summit is the annual summit addressing economic connections between Berlin and Asia, with the goal of connecting Berlin startups with valuable markets and ecosystems in Asia.

今回の AsiaBerlin Summit 2023 は、2023年6月11日〜15日にベルリンで開催され、2日間のセッションと多様なイベントで構成されました。

スケジュール

イベント全体は日曜日から木曜日の5日間に渡りましたが、私は1,2日目のセッションの一部と3日目のガイドツアーに参加しました。

詳しいアジェンダはこちらから確認できます。

内容
0日目 プレイベント・招待制のプレカンファレンス
1日目 セッション - 自動車&物流、エネルギー変換&グリーンテック、その他
2日目 セッション - AI, スタートアップ&ベンチャーキャピタル、その他
3/4日目 会場外イベント(ガイドツアー、ワークショップ、ネットワーキング等)

レポート

1日目

アジェンダによると、ベルリン市長 Mr. Kai Wegner によるスピーチで始まり、アジア・ベルリンに関わる様々な企業の一般的なトピックのセッションがありました。

午後からは今回の3つのメインテーマの2つである自動車 & 物流エネルギー変換 & グリーンテックに関連するセッションがありました。最後には、サンプラザ中野くんさんによる歌のパフォーマンスもあり、再びベルリン市長による挨拶で初日は幕を閉じました。

 

私はセッションの一部しか参加しませんでしたが、聞いた内容をレポートします。

  • ロンドンがBrexitでEUを出た今、ベルリンは最も国際的で(英語が話せて)中心都市といえる - もちろんアムステルダムなどの競合もいるが
  • 会場内でもストリーミングサービスを使っている人がほとんどだが、そのうちNetflixは環境に悪い or 良いか?
    • NetflixによりDVDが不要になり、生産・物流面で負荷がカットされて環境に良いと言える
    • 一方で、配信側のサーバー、そして再生する消費者側の端末電池でエネルギーが大量に使われており、環境負荷がある。そのエネルギーが再生産かというのもキー。

グリーンテックの企業ピッチ

Nguyen Hoang Minh (ベトナム) - CEO and Founder of IoTeamVN

  • エネルギー監視サービスを取り入れている会社は少なく、可視化できていないことにより、正しい決定を下せない
  • 導入しない理由:コストがかかる、ローカル知識が不足、導入がややこしい
  • IoTeamVN では、Smart Meters という端末を支給(レンタル、購入いずれでも)
    • 導入先:オフィス、ホテル、商業施設、工場など
    • 導入企業例:FPT City, EVN Solar Rooftop 等
  • 技術が素晴らしくても、人々に届かなければ意味がない —> 政府系組織と連携、サポートを受けることが認知を広げてビジネスを拡大し、会社が持続するために欠かせない

Jessica Novia (インドネシア) - Co-founder and Chief Impact Officer at CarbonEthics

  • CarbonEthics ではブルーカーボン(海洋生態系に貯蓄された炭素)の生態系保全を行う
  • ヨーロッパに比べ、インドネシアは炭素の産業は20年遅れているが、近年になって環境活動への注目が一気に増し、サポーターが増えている
  • このような取り組みは、規制が整備されることで促進されるので、政府の協力も重要

2日目

2日目のオープニングは、経済・エネルギー・公営企業担当議員の Ms. Franziska Giffey によるスピーチで始まりました。この日は午前から、もう一つのメインテーマであるAIに関するセッションで、午後はスタートアップやVC、その他のセッションで構成されています。

Franziska 氏によるスピーチは、本日が 生成型 AI がテーマであることから、実際に ChatGPT に作らせたスピーチを引用して読み上げ、「良いでしょ?政治家がスピーチを作る必要ないですね」といったジョークも。

この後の AI のセッションレポートについては、次のブログでご紹介しています。

AsiaBerlin Summit ~AIセッションレポート #ABS2023 #AsiaBerlinSummit2023

3日目

この日は会場を離れて、企業訪問ツアーに参加しました。その様子は次のブログで。

ベルリンのグリーンテック企業訪問ツアーに参加したレポ #ABS2023 #AsiaBerlinSummit2023

会場

今回のイベントが開催されたのは、ベルリンのランドマークとしても有名な「赤の市庁舎(Rotes Rathaus)」でした。

初日は晴天、迫力のある建築です。

美しいレッドカーペットのホールを駆け上がります。

絵画の飾られた美しいカンファレンスホールです。

正面のステンドグラスには、ベルリン州の象徴であるクマが彩られていて、これまた美しい。

ちなみに普段は観光客に一般公開されておらず、いつか内見ツアーに参加したいと思っていたので今回中に入れてラッキーでした!!

まとめ

基本的にはスタートアップやベンチャーキャピタルに重きを置いており、ネットワーキングを目的としていて、セッション内容もビジネス面に寄った内容の印象でした。

個人的には、ふんわりとした話が多く、せっかくテック企業でも技術的な詳細がほとんど話されなかったのが残念でした。

また、やはり技術イベントではないからか、充電ポイントが著しく少なかったのと、会場のWifiがものすごく遅いタイミングが度々ありました、セッションで不明な単語をすぐに調べられなかったり、会社ホームページをさっと眺めることができなかったので、この点については主催者の方、どうか改善・ご検討をお願いいたします…!!

全体としては、普段ベルリンで生活していてやはりアジアの影響を感じることはまだまだ少ないので、参加者にアジア人以外にも様々な人種がいて、アジアとのビジネスを意識している企業がたくさんいると思うと嬉しかったです。

以上、AsiaBerlinサミットに参加したレポでした!