Amazon AuroraとRDSでR8gのリザーブドインスタンス(RI)が購入可能になりました
2025年5月14日、Amazon Aurora で R8g 、RDS(Postgres, MySQL, MariaDB)は、R8g、M8g の リザーブドインスタンス(RI)の購入が可能になるアップデートがありました。
AWS マネージドコンソールを利用したAuroraの RIの購入画面の確認と、Aurora のRI価格について、 R8g、R7g、R6g インスタンスタイプ間で比較する機会がありましたので、その内容を紹介します
RI購入画面
Aurora and RDS のダッシュボードより、リザーブドインスタンスの購入画面で、DBインスタンスの予約を試みました。
予約対象のDBインスタンスクラスとして、「r8g」の選択が可能になりました。
期間選択、R8gは「1年」のみ選択可能でした。
従来のインスタンス、r7g では「1年」、「3年」の選択が可能でした。
購入は実施していませんが、RIの購入内容を確認するレビュー画面が表示されました。
RI料金(全額前払)
東京リージョンの Aurora、期間は1年、全額前払の リザーブドインスタンス料金を確認しました。
インスタンス名 | RI の前払いの料金(USD) | RI の実質的な時間単位の料金(USD) | オンデマンドと比較した費用節減 | オンデマンド料金(USD) |
---|---|---|---|---|
db.r8g.large | 1,840 | 0.210 | 37% | 0.3330 |
db.r8g.xlarge | 3,679 | 0.420 | 37% | 0.6660 |
db.r8g.2xlarge | 7,350 | 0.839 | 37% | 1.3320 |
db.r8g.4xlarge | 14,699 | 1.678 | 37% | 2.6640 |
db.r8g.8xlarge | 29,407 | 3.357 | 37% | 5.3280 |
db.r8g.12xlarge | 44,107 | 5.035 | 37% | 7.9920 |
db.r8g.16xlarge | 58,806 | 6.713 | 37% | 10.6560 |
db.r8g.24xlarge | 88,213 | 10.070 | 37% | 15.9840 |
db.r8g.48xlarge | 176,426 | 20.140 | 37% | 31.9680 |
R8g、R7g、R6g RI料金比較
インスタンスクラス「xlarge」で、r8g と、従来のr7g、r6g の全額前払料金を比較しました。
1年
インスタンス名 | db.r8g.xlarge | db.r7g.xlarge | db.r6g.xlarge |
---|---|---|---|
RI の前払いの料金(USD) | 3,679 | 4,255 | 3,050 |
RI の実質的な時間単位の料金(USD) | 0.420 | 0.486 | 0.348 |
オンデマンドと比較した費用節減 | 37% | 27% | 44% |
オンデマンド料金 | 0.6660 | 0.6650 | 0.6270 |
1年全額前払のRI料金、「r8g」は 「r7g」より廉価に利用できます。
3年
インスタンス名 | db.r8g.xlarge | db.r7g.xlarge | db.r6g.xlarge |
---|---|---|---|
RI の前払いの料金(USD) | - | 9,268 | 6,145 |
RI の実質的な時間単位の料金(USD) | - | 0.353 | 0.234 |
オンデマンドと比較した費用節減 | - | 47% | 63% |
オンデマンド料金 | 0.6660 | 0.6650 | 0.6270 |
3年のRIは 「r8g」では未提供ですが、提供のある 「r7g」「r6g」の全額前払料金を求めました。
RI の実質的な時間単位の料金の比較
期間 | インスタンス名 | RI の実質的な時間単位の料金(USD) | オンデマンドと比較した費用節減 |
---|---|---|---|
3年 | db.r6g.xlarge | 0.234 | 63% |
1年 | db.r6g.xlarge | 0.348 | 44% |
3年 | db.r7g.xlarge | 0.353 | 47% |
1年 | db.r8g.xlarge | 0.420 | 37% |
1年 | db.r7g.xlarge | 0.486 | 27% |
「R8g」の1年RIは、R7gの1年RIよりは費用削減効果が高いものの、R7gの3年RIやR6gのRIと比較すると、実質的な時間単位の料金は高くなる設定でした。
まとめ
最新世代に該当する R8gインスタンス、2024年11月に北米など4リージョン、2025年3月に東京リージョンで利用可能になっていましたが、これまでリザーブドインスタンスの購入ができない制限がありました。
今回のアップデート、期間は1年のリザーブドインスタンスが利用可能となった事で、R8gをRIの割引価格で利用できるようになりました
「R8g」世代のインスタンス、CPUの世代更新 (Graviton4)や、DDR5メモリの採用により、前世代(Graviton3)と比較し、最大40%の性能向上が期待できるとされています。
また、最大スペックは48xlarge、従来(r7g、r6g)の16xlargeから4倍のvCPU(192)、メモリ(1536GiB)が利用可能になりました。
R8gの性能向上が必須ではなく、コストを最優先してR6gのRIを利用するケースを除けば、AuroraでRIの割引料金で利用する場合、費用対効果に優れる可能性の高い「R8g」を第一候補とする事をおすすめします。