[Auth0]Next.jsスタンドアロンモードでフロントエンドをAPI GatewayとLambdaのサーバーレス構成にしてデプロイしてみた
先日「Next.jsで生成した静的ページに認証を追加してみた」の記事で、Next.js+SSGで生成した静的ファイルをCloudFront+S3で公開しました。
S3で公開するために、わざわざフロントエンド資材をBuild&Exportしていたわけですが
(Auth0SDKもクライアントサイド用のSDKに変更せざるを得なかった)
ここで疑問が生まれました。
- せっかくNext.jsを使うんだからレンダリング戦略はSSRを採用したい
- SSRなフロントエンドをサーバーレス構成でデプロイすることは出来なんだろうか🤔
この疑問に対して、AWS AmplifyやVercel、Netlifyあたりが有力な選択肢になるでしょう。
しかし、今日はフロントエンドを敢えてAPIGateway+Lambda(Docker)にデプロイをしてみます。
なぜそんな回りくどいことを...
待ってください、ちゃんとメリットがあるんです。
- 何よりまず安価(Amplifyも安価)
- ECS on Fargateに移行することが簡単
私は、後者が特に嬉しいと感じていて
ECS on Fargateは、多くないですが設定が面倒ですし、常時稼働分の時間に比例したコストが発生します。
例えばPOCのフェーズでは、ECS on Fargateを選択せずサーバーレスを選択して、速く、小さく始めることには意味があると思っています。
そして、プロジェクトの規模が大きくなってからやっぱりECS on Fargateを使いたいとなった場合でも、アプリケーションとミドルウェアは変更せずにインフラだけを移行すれば良いです。
つまり、プロジェクト立ち上げ初期においてアーキテクチャに移行柔軟性があるということは大きな強みです。
ざっと意味を見出したところで、技術検証やっていきましょう。
CDK初期化
ディレクトリ名はstandalone_nextjsでやっていきます。
mkdir standalone_nextjs && cd standalone_nextjs cdk init app --language=typescript
Next.jsプロジェクト作成
npx create-next-app@latest # project nameはfrontendにします。その他の設定はお好みで。
Auth0 SDKインストール
npm i @auth0/nextjs-auth0
公式サンプルを参考に実装します。
<UserProvider> <body>{children}</body> </UserProvider>
export default async function Home() { const { user } = (await getSession()) ?? {}; return ( <> {!user && ( <div> <a href="/dev/app/api/auth/login">Login</a> </div> )} {user && ( <div> <img src={user.picture} alt={user.name} /> <h2>{user.name}</h2> <p>{user.email}</p> <a href="/dev/app/api/auth/logout">Logout</a> </div> )} </> ); }
Auth0設定
あとはコールバックURLの設定を忘れずにしておきましょう。
.env.localの設定も忘れずに
Next.jsの出力設定
configで出力形式をstandaloneに設定します。ここがこの記事で一番大事な部分です。
const nextConfig = { output: "standalone", basePath: '/app', }
ローカルで動作確認
npm run build npm run start
ローカルでログインできればフロントエンドは完成です。
デプロイ
API Gateway+Lambda(Docker)でデプロイするので、AWS CDKとDockerfileを実装していきましょう。
Dockerfile
frontendディレクトリ配下に作成してください。
FROM node:20-alpine AS base FROM base AS builder WORKDIR /build COPY package*.json ./ RUN npm ci COPY . ./ RUN npm run build FROM base AS runner COPY --from=public.ecr.aws/awsguru/aws-lambda-adapter:0.7.0 /lambda-adapter /opt/extensions/lambda-adapter ENV PORT=3000 ADD .env.local .env.local RUN export $(xargs < .env.local) COPY --from=builder /build/next.config.js ./ COPY --from=builder /build/public ./public COPY --from=builder /build/.next/static ./.next/static COPY --from=builder /build/.next/standalone ./ EXPOSE 3000 ENTRYPOINT ["node", "server.js"]
ここにもポイントがありまして
Lambda Web AdaperをつかってLambdaが必要している入出力インターフェースに変換します。
便利すぎて大好きです。
CDK
import { App, Stack, StackProps, Duration } from 'aws-cdk-lib'; import * as apigateway from 'aws-cdk-lib/aws-apigateway'; import * as lambda from 'aws-cdk-lib/aws-lambda'; import * as ecr from 'aws-cdk-lib/aws-ecr-assets'; export class StandaloneNextjsStack extends Stack { constructor(scope: App, id: string, props: StackProps = {}) { super(scope, id, props); const handler = new lambda.DockerImageFunction(this, 'Handler', { code: lambda.DockerImageCode.fromImageAsset('./frontend', { platform: ecr.Platform.LINUX_AMD64, }), memorySize: 256, timeout: Duration.seconds(30), }); const apigw = new apigateway.RestApi(this, 'SaNextApi', { restApiName: 'SaNext', deployOptions: { stageName: 'dev' } }) const lambdaIntegration = new apigateway.LambdaIntegration(handler); const resource = apigw.root.addResource('app'); const proxy = resource.addResource('{proxy+}'); resource.addMethod('ANY', lambdaIntegration); proxy.addMethod('ANY', lambdaIntegration); } } const app = new App(); new StandaloneNextjsStack(app, 'SanextjsStack', {}); app.synth();
以上で実装は終わりです。
動作確認
デプロイしましょう。
cdk deploy --all
デプロイしたらAPI GatewayのURLを取得できるので、以下を修正・設定してください。
ちなみにカスタムドメインをAPI Gatewayに設定できる場合、これらリクエストパスのカスタマイズは不要になります。
■next.config.js
const nextConfig = { output: 'standalone', basePath: '/app', assetPrefix: 'https://xxxxx.execute-api.ap-northeast-1.amazonaws.com/dev/app', };
■Auth0設定
- CallbackURL
- https://xxxxx.execute-api.ap-northeast-1.amazonaws.com/dev/app/auth/callback
そしてURLにアクセスして画面を確認すると...
うまく行きました!
考察
この記事では、将来的にECS on Fargateにマイグレーションすると仮定してDockerfileを実装しました。さらにAuth0による認証も実装しました。
DockerfileではなくBuild資材をアップロードするようにし、Auth0周りの設定・実装を抜きにすれば、かなりシンプルにフロントエンドをサーバーレス構成でデプロイすることができます。
一度やってしまえばコードはテンプレ化して使い回すことができますし、アーキテクチャ検討する際に選択肢に入れていいと思います。
関連技術
AWS Lambda レスポンスストリーミング
2023年4月7日、Lambdaはレスポンスデータが利用可能になった時点で呼び出し元にデータを順次送信できるようになりました。これにより、本記事のようなWebアプリケーションをLambdaで実行する場合のレスポンス待ち時間が短縮し、ユーザーエクスペリエンスが向上します。さらに6MBから20MBまでレスポンスペイロードを送信できるようです。これは嬉しい。詳細は以下の記事を御覧ください。
https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/introducing-aws-lambda-response-streaming/
Lambda Web Adapter
本記事でも登場していますが、LambdaイベントをHTTPリクエストに変換することで、Lambda上でWebフレームワークを動かせるように出来るツールです(本来はLambda関数のみ実行可能)詳細は以下の記事を御覧ください。
https://aws.amazon.com/jp/builders-flash/202301/lambda-web-adapter/
AWS Lambdaどんどん便利になっていく...!