AWS CDKでAPI Gatewayのエラー発生率のCloudWatch Dashboardをつくってみた
はじめに
こんにちは、アノテーション の中野です。
さて、以前のエントリで、4XX/5XX系のエラーをCloudWatch Dashboardに表示するCDKのコードをご紹介しました。
本エントリでは、その続きとして、4XX/5XX系のエラー発生率を表示するCDKのコードのご紹介をします。
注意点として、今回のエントリでは前回作成したコードをそのまま利用して、エラー発生率をダッシュボードへ追加する部分のみをご説明します。
それ以外の箇所のコードを確認したい方は、前回のエントリを参照してください。
環境情報
- node 16.17.1
- npm 8.19.2
- typescript 4.8.4
- aws-cdk 2.49.1
- aws-cdk-lib 2.49.1
- constructs 10.1.146
- aws-lambda 1.0.7
完成形 ダッシュボード
表示する完成形のダッシュボードです。
CDK ソースコード
コード全体
すぐコード読んで動かしたいという方向けです。
前回投稿したエントリのコードに追記するような形で、実装しています。
自身の環境へクローンして試してみてください。
今回のエントリで作成した差分のみ見たい方は、以下のPRをご覧ください。
CloudWatch Dashboard スタック
エラー率の計算式
エラー率の計算式は以下を利用します。
(4XX系のエラー率) = (API Gatewayの4XXのメトリクス値) / (API GatewayのCountのメトリクス値) × 100 (5XX系のエラー率) = (API Gatewayの5XXのメトリクス値) / (API GatewayのCountのメトリクス値) × 100
計算式としては、単純にAPI Gatewayのエラーの数をリクエスト総数で割ったものを利用します。
例えば、特定の期間に10000
リクエストがあって、そのうち100
回の5XXエラーが発生した場合は、発生率としては1%
になる概算です。
エラー率の数値ウィジェット
数値ウィジェットにてMetric Mathを利用することで、特定の計算式の結果をウィジェットに表示することが可能です。
Metric Mathの使い方などは以下のエントリを参照ください。
では、数値ウィジェットの設定のコードを記載します。
const single4XXErrorRateWidget = new SingleValueWidget({ title: 'APIGW 4XX Error Rate', height: 4, width: 12, fullPrecision: true, setPeriodToTimeRange: true, metrics: [ new MathExpression({ label: '4XXエラー発生率(%)', expression: 'e1/e2*100', usingMetrics: { e1: new Metric({ namespace: 'AWS/ApiGateway', metricName: '4XXError', dimensionsMap: { Stage: stageName, ApiName: apiName, }, statistic: 'Sum', }), e2: new Metric({ namespace: 'AWS/ApiGateway', metricName: 'Count', dimensionsMap: { Stage: stageName, ApiName: apiName, }, statistic: 'Sum', }), }, }), ], }) ーーー 中略 ーーー const single5XXErrorRateWidget = new SingleValueWidget({ title: 'APIGW 5XX Error Rate', height: 4, width: 12, fullPrecision: true, setPeriodToTimeRange: true, metrics: [ new MathExpression({ label: '5XXエラー発生率(%)', expression: 'e1/e2*100', usingMetrics: { e1: new Metric({ namespace: 'AWS/ApiGateway', metricName: '5XXError', dimensionsMap: { Stage: stageName, ApiName: apiName, }, statistic: 'Sum', }), e2: new Metric({ namespace: 'AWS/ApiGateway', metricName: 'Count', dimensionsMap: { Stage: stageName, ApiName: apiName, }, statistic: 'Sum', }), }, }), ], })
上記の、10行と46行の部分でexpression
を利用しています。
expression
は、複数メトリクスを組み合わせた計算式を定義できます。
ここでは、e1/e2*100
としています(API Gatewayのエラーの数をリクエスト総数で割る)
定義したエラー率の数値ウィジェットの変数をダッシュボードに追加します。
9,10行のwidgets
の配列に追加しました。
new cloudwatch.Dashboard(this, 'APIDashboard', { dashboardName: 'APIDashBoard', periodOverride: cloudwatch.PeriodOverride.AUTO, widgets: [ [singleAPIRequestCountWidget], [ single4XXWidget, single5XXWidget, single4XXErrorRateWidget, single5XXErrorRateWidget, ], [graph4XXWidget], [graph5XXWidget], ], })
小数点第2以下を表示する場合
少しだけ困った箇所としては、デフォルトの設定だと小数点第2以下の数値が丸められて表示されてしまうところでした。
Stack Overflowで調査してみたところ、CloudWatchのマネージメントコンソール上の数値ウィジェットのオプションから設定できるとのことでした。
実際にコンソールを確認すると、以下の設定値を見つけました。
では、CDKではどうするんだと思い、CDK公式のドキュメントを調査しました。
CDKだと、fullPrecision
をtrue
にすることで小数点第2以下を表示することができるみたいです。
fullPrecision
Type:boolean
(optional, default: false)
Whether to show as many digits as can fit, before rounding.
以下の5行目に、fullPrecision
を追加しました。
const single4XXErrorRateWidget = new SingleValueWidget({ title: 'APIGW 4XX Error Rate', height: 4, width: 12, fullPrecision: true, setPeriodToTimeRange: true, metrics: [ new MathExpression({ label: '4XXエラー発生率(%)', --- 以下省略 ---
デプロイ
それでは、ビルドして AWS環境へデプロイします。
$ npm run build $ npm run test $ cdk deploy --all
作成されたエンドポイントに対してリクエストを送って、CloudWatch Dashboardが変化するか確認してみましょう。
さいごに
APIのエラー率について、気になる方が結構いるのではないでしょうか。
また、今回のブログと同様の方法で、GoogleのSREが提唱しているSLI、SLO、エラーバジェットをCloudWatch Dashboardに表示させることもできるかと思います。
参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考情報
- [新機能] より詳細なモニタリングが可能に!CloudWatch Metric Math でメトリクスの計算ができるようになりました | DevelopersIO
- いつの間にか増えていた CloudWatch Metric Math の 14 個の関数を確認してみた | DevelopersIO
- amazon web services - AWS Cloudwatchメトリクス - ダッシュボードメトリクスの数値を小数点以下2桁以上にフォーマットする方法 - コードログ
- Google - Site Reliability Engineering
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