[レポート]【中部飼料】基幹システムのサーバを AWS に全面移行した理由 - 市場価値を基準に業務を見直す - #AWSRoadshow

2017.09.30

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AWS Cloud Roadshow 2017 名古屋の導入事例トラック「【中部飼料】基幹システムのサーバを AWS に全面移行した理由 - 市場価値を基準に業務を見直す -」を聴講しましたのでレポートします。

セッション概要

  • タイトル:
    • 【中部飼料】基幹システムのサーバを AWS に全面移行した理由 - 市場価値を基準に業務を見直す -
  • スピーカー:
    • 中部飼料株式会社 生産統括部 情報システムチーム リーダー 課長
      林 英治 様
  • セッション概要:
    • 中部飼料は、2015 年から 2016 年にかけて、20 数台の基幹システムを AWS に全面移行致しました。今回の講演では、あるべき IT 部門の姿の検討から全面移行に至った経緯、構築に当たり工夫した点や運用してみて苦労した点、移行効果についてご紹介します。

レポート

IT部門についてよく言われること

  • なんとなく頑張っているようだけど、何をやっているかわからない。
    • やっていることを説明しようとすると、ITよくわからないと言われる。
    • 可能な限りの障害対策を実施して障害が起きないように頑張っているが、それが見えにくい。
  • 障害が発生すると責められる
    • 完璧に動いてい当たり前だと思われている。
    • 完璧にしようとすると多大なコストがかかる。
  • セキュリティ対してあれこれうるさい
    • セキュリティを無視すればデータ消失、漏洩に繋がる。
    • 問題が発生するまでセキュリティ対策の重要性を分かってくれない。
    • そもそもセキュリティインシデントが発生していることに気がつけないこともある。

IT部門はどうあるべきか?

  • 「価値の連鎖」、「対価の連鎖」
  • お客様に価値を届ける -> お客様が消費者のみなさまに価値を届ける
  • 消費者のみなさまとお客様からは対価と次の期待をもらう
  • このサイクルを回すことが本来の仕事
  • 仕入先・パートナーと連携してお客様に価値を届ける

お客様、消費者のみなさまに価値を提供する体制に貢献するためにIT部門は何をすべきか?

  • お客様視点で業務の見直しを行った。
  • お客様に貢献する改革、改善がしたいが、、
    • 実際はサーバー運用やリプレースの負担が大きくて時間が取れない。リプレースそのものは価値を生み出さない。
    • リプレース
    • 投資タイミングごとの度重なる更新作業。
    • 先の読めない中でのサイジング。
    • 機器の調達に3ヶ月、リプレース作業全体で平均6ヶ月かかっていた。
    • 必要な作業だが、お客様にとっての価値を生み出さない。改善効果が低い。
    • リプレースだけだと価値がないので業務改革を一緒にやろうという話になりがち。
    • 結果として業務改革もリプレースと同じ5年サイクルになってしまう。

AWSを試してみた

  • 今までの常識を打ち破るものだった。

調達が早い

  • 後で変えられるのでサイジングに迷わない。
  • 機種選定も保守管理も不要。

どんどんチャレンジ

  • やりたいことがあれば、まずやってみることができる。
  • 低速なサーバーを短時間使ってごく少額でテストができる。
  • うまくいくようであればそのタイミングでサーバーをスケールアップ。

超高速サーバーも借りられる

  • 複雑な計算を大量に実行したい。サーバーサイジングは、やってみないとわからない。
  • 実際に動かしてみないとボトルネックになる箇所がわからない。
  • AWSであれば超高速サーバーも短時間なら低コスト。
  • サーバーをスケールアップさせながらテストをしてボトルネックを洗い出した。

運用ツールが充実

  • データセンターが監視ツールと人でカバーしている部分、人がやらなくてもよいのでは?
  • CloudWatchで監視、再起動なども自動化できる

クラウド、仮想サーバー、オンプレ + DCの比較

  • 改善しないのであればオンプレが安価。一方で改善が起こりにくいという問題がある。(今動いているプログラムがそのまま動くので、改善に対する圧力が発生しない)
  • クラウドベースであればAPI連携の容易さも含めて新しいサービスに取り組む速度が加速する。

実際の移行

第一弾(共通系システムの移行)

  • 10台規模(WSUS、ウィルス対策など)
  • 想定以上に早く構築できた(OSレイヤは1週間程度)
  • サーバースペックを落として稼働させた。動かしてみてスペックが足らないものだけスケールアップ。結果としてコストを削減できた。
  • 移行時に障害が起きたが、AWSサポートのレベルが高くて対応が素晴らしかった。
  • 不必要に高い可用性を目指さないこともコストとのバランスのおける重要なポイント。

基幹システム全面移行

  • 苦労したのはデータベースの移行

この時代におけるIT門の役割とは?

  • 必要十分なセキュリティ及び可用性を保ちながら企業が生み出す価値、生産性を向上させる。
  • 生産労働力減少時代を乗り切るために、価値のある業務に投資を集中する。

まとめ

セッションではクラウドの様々なメリットについて触れられていました。これらのメリットを最大限活かすためには、クラウド利用をあくまでも一つの手段と捉え、「お客様視点での業務の見直し」を出発点にすることが重要なポイントかと思います。本セッションを聴講して改めてそのことを認識することができました。