AWS コンソールモバイルアプリで利用できるサービスが増えたのでサポート状況を調べてみたところ、モバイルアプリの最近のサポート方針がわかった
いわさです。
AWS コンソールモバイルアプリ使っていますか。私は移動中などたまにこちらを使っています。
先日のアップデートで 24 の AWS サービスが追加でサポートされるようになったそうです。
実際私がよく使うのは IAM、Billing、EC2、RDS くらいではあるのですが、24 一気に追加されるのすごいですね。
ただ、AWS 公式ドキュメントのサポートサービス一覧を見てみたところ、こちら随分と更新されていないようです。
そこで、今現状どれだけのサービスがコンソールモバイルアプリでサポートされているのだろうと気になりまして、調べてみました。
そうしたところ、最近の傾向というか、おそらく対応方針なのかなというものが見えてきたので紹介します。
調べ方
まず iOS 版コンソールモバイルアプリケーションにアクセスし、サービス一覧に記載のサービスをすべて抽出します。
で、サービスによってはPCとモバイルデバイスのアイコンが表示されていますね。
これ何かというと、コンソールモバイルアプリで最近使えるようになったサービスはモバイルアプリネイティブでサポートされているわけではありません。
後ほど実際に操作の様子も紹介しますが、アプリ内ブラウザでマネジメントコンソールにアクセスする形になっています。抽出の際にはネイティブでサポートされているのか、アプリ内ブラウザでのみサポートされているのかわかるようにしたいと思います。
そして、このモバイルアプリから抽出したサービス一覧と、前述の公式ドキュメント記載のサポートされているサービスを比較してみます。
抽出&比較結果
こちらが整理した結果です。
サービス名 | アプリ内ブラウザ | 公式ドキュメント記載のサポートサービス |
---|---|---|
Amazon MQ | ◯ | |
Amazon Simple Email Service | ◯ | |
API Gateway | ◯ | |
Athena | ◯ | |
Aurora and RDS | ||
AWS App Runner | ◯ | |
AWS Artifact | ◯ | |
AWS Backup | ◯ | |
AWS Elastic Disaster Recovery | ◯ | |
AWS Health Dashboard | ◯ | |
AWS Organizations | ◯ | |
AWS Private Certificate Authority | ◯ | |
AWS Resilience Hub | ◯ | |
AWS Resource Explorer | ◯ | |
Batch | ◯ | |
Billing and Cost Management | ◯ | |
Certificate Manager | ◯ | |
Cloud9 | ◯ | |
CloudFormation | ◯ | |
CloudFront | ◯ | |
CloudShell | ◯ | |
CloudTrail | ◯ | |
CloudWatch | ◯ | |
CodeBuild | ◯ | |
CodeCommit | ◯ | |
CodeDeploy | ◯ | |
CodePipeline | ◯ | |
Cognito | ◯ | |
Control Tower | ◯ | |
Cost Explorer | ◯ | |
Direct Connect | ◯ | |
Directory Service | ◯ | |
DynamoDB | ◯ | |
EC2 | ◯ | |
EC2 Image Builder | ◯ | |
Elastic Beanstalk | ◯ | |
Elastic Container Registry | ◯ | |
Elastic Container Service | ◯ | |
Elastic Kubernetes Service | ◯ | |
Elastic Load Balancing | ◯ | |
GuardDuty | ◯ | |
IAM | ◯ | |
IAM Identity Center | ◯ | |
IoT Core | ◯ | |
Key Management Service | ◯ | |
Kinesis | ◯ | |
Lambda | ◯ | |
MSK | ◯ | |
OpsWorks | ◯ | |
RDS | ◯ | |
Resource Access Manager | ◯ | |
Resource Groups & Tag Editor | ◯ | |
Route 53 | ◯ | |
S3 | ◯ | |
Secrets Manager | ◯ | |
Security Hub | ◯ | |
Service Quotas | ◯ | |
Simple Queue Service | ◯ | |
Step Functions | ◯ | |
Systems Manager | ◯ | |
VPC | ◯ | |
WAF & Shield | ◯ |
全 57 サービスがサポートされていまして、そのうち 21 サービスがブラウザではなくネイティブで利用可能です。
で、この 21 サービスですが公式ドキュメントでサポートされていると言及されているサービスです。
今回追加されたサービスは残りのアプリ内ブラウザ対応 36 サービスのうちの 24 サービスになります。ネイティブ統合されたサービスはひとつもないですね。
そして App Store の直近の更新履歴を見たところ、ここ最近のアップデートでのサービス追加は、どうやら全てアプリ内ブラウザによるサポートになっているようです。
2024年12月17日 のアップデート「3.8.0」、2024年11月1日 の「3.7.1」では次のように紹介されています。
A more integrated mobile experience: You can now access 16 additional AWS services including AWS Systems Manager, AWS Developer Tools, and Amazon Elastic Kubernetes Service, via an integrated mobile web browser experience.
16 サービスの追加の履歴が何度もされており、数についてはちょっと怪しい気がします。
今回 24 追加されたのかはわからないのですが、アプリ内ブラウザが 36 サービス、ネイティブが 21 サービス、直近のアップデートでネイティブ統合はしばらく追加サービスが無い。というのが実態です。
おそらく、今後ネイティブ統合のサービスが追加されるのは難しいのではないでしょうか。1年ほど追加されていなさそうです。一方でアプリ内ブラウザのサービス追加は今後も頻繁にされる可能性があります。
アプリ内ブラウザでサポートされている Cloud9 を使ってみた
アプリ内ブラウザの使い勝手が気になるので、今回追加されたであろう Cloud9 を使ってみます。
私は既存の Cloud9 ユーザーだったので使えてもおかしくはないのですが、これ新規 AWS アカウントで Cloud9 が使えない環境だとどうなるのだろうか。ちょっと気になりますね。
マネジメントコンソール上で新しい環境の起動などが出来ました。
このあたりはまぁブラウザでも問題ないですね。なんとかいけます。
IDE の操作に関してはちょっと厳しい感じがしました。
動作はするのですが、選択や移動の難易度が高い感じです。
さいごに
本日は AWS コンソールモバイルアプリで利用できるサービスが増えたのでサポート状況を調べてみたところ、モバイルアプリの最近のサポート方針が見えてきたので紹介しました。
おそらくサービスのネイティブ統合はメンテナンスコストの観点から今後は厳しいのではないでしょうか。
それよりもアプリ内ブラウザでも良いので使えるサービスを増やしてくれるのはありがたいです。
ただやはりネイティブ統合ほどの使い勝手は難しいので、モバイルアプリは補助的な利用に留めたほうが良いですね。