最近追加された AWS MediaServices トレーニングが 2時間で動画配信に関する基礎知識からサービス選定の考え方まで学べてお得だった
こんにちは、大前です。
2021/2/24 頃に追加されていた、AWS MediaServise に関する 2つのオンデマンドデジタルコースを受講したので、所感などをお伝え出来ればと思います。
TL;DR
- 2つ受講しても 2時間なので、めっちゃお手軽
- 動画配信に関する基礎知識から AWS MediaServices のユースケースまで学べてお得
- ユースケースに対してどのようにサービスを選定するべきか学ぶ事が出来るのでプリセとかにすごく使えそう
実際に受講してみて
以下の 2コースが追加された形となります。 それぞれのコースの概要と、実際に受講してみた所感をまとめたいと思います。
Media Supply Chain: Video Processing and Delivery
動画配信系のシステムを設計するに当たって必要となる、動画に関する基礎知識や、動画配信の基礎
について学ぶ事ができます。
ですので、「AWS で動画配信してみたいけど何もわからん!」という方はまずこのコースから受講していくのが良さそうです。
アウトライン
コースのアウトラインとしては以下になります。 動画の解像度やフレームレート、ビットレート、ビット深度や色空間について学んだのち、動画圧縮の基礎を GOP などの考え方を含めて学びます。 最後に、動画配信に関するトピックについていくつか学ぶ事ができます。
- Module 1: Introduction
- • About This Course
- • Media Supply Chain: The Big Picture
- Module 2: Key Video Attributes
- • Resolution, Frame Rate, and Bitrate
- • Bit Depth and Color Space
- Module 3: Video Compression, Codecs, and Containers
- • Video Compression
- • Codecs and Containers
- • Group of Pictures (GOP) Encoding
- Module 4: Video Packaging, Origination, and Delivery
- • Challenges of Multiscreen Delivery
- • Ad Insertion and Replacement
- • Digital Rights Management (DRM)
- • Content Delivery Networks
所感
まず、動画に関する基礎知識を一通り確認できるのは良いなと思いました。 動画配信を行うにあたって、必ずでてくる用語だと思うので、ここで意味を知っておけるのは嬉しいところです。
また、元々類似のトレーニング *1 は提供されていましたが、今回のアップデート(?)により、アニメーションやイラスト付きでより内容を理解しやすい教材になっているなと感じました。
一方で、幅広いトピックを 1時間の教材に詰め込んでいることもあり、いくつかのトピックについては軽い説明のみで完結している部分もありました。(広告挿入や、DRM まわりにその印象を受けました) 特定のトピックについては、別のデジタルコースを受講するなど、必要に応じて深掘りが必要そうです。
Introduction to AWS Media Services by Use Case
AWS MediaServices の具体的なサービスについて、ユースケースと共に学ぶ事ができます。
上記、「Media Supply Chain: Video Processing and Delivery」を受講した上でこのコースを受講すると、より理解が深まると思います。
アウトライン
コースのアウトラインとしては以下になります。 一見大ボリュームに見えますが、こちらも 1時間程度で受講できるトレーニングになっているため、気楽に受講する事ができます。
動画配信に関する具体的なユースケースを軸に、AWS MediaServices にはどのようなサービスが存在して、どのサービスが各ユースケースに適しているかを学ぶ事ができます。
- Lesson 1: Welcome and Introduction
- • Challenges of video streaming
- • What to expect from this course
- Lesson 2: First look at customer examples
- • Live streaming vs. Video-on-Demand (VOD) streaming
- • Customer examples used throughout the course
- Lesson 3: Four stages common to most video workflows
- • Overview of the four stages
- • Components of the stages
- Lesson 4: How AWS Services Are Used in the Four Stages
- • List of AWS services used in each workflow stage
- • Main functions and uses of each service
- • Typical applications for each service
- Lesson 5: Variables that Affect Design Decisions
- • Six common variables
- • Trade-offs in design decisions
- • Variables as applied to each customer example
- Lesson 6: Basic live streaming
- • Customer description and use cases
- • How the variables influenced their decisions
- • Customers decision process and design choices
- • System diagram
- Lesson 7: Large Live Example
- • Customer description and use cases
- • How the variables affected their decisions
- • Customer's decision process and design choices
- • System diagram
- Lesson 8: Basic VOD streaming
- • Customer description and use cases
- • How the variables affected their decisions
- • Customers decision process and design choices
- • System diagram
- Lesson 8: Customer example: Large-scale VOD streaming
- • Customer description and use cases
- • How the variables affected their decisions
- • Customers decision process and design choices
- • System diagram
- Lesson 9: Large VOD Example
- • Customer description and use cases
- • How the variables affected their decisions
- • Customer’s decision process and design choices
- • System diagram
- Lesson 10: Balancing Simplicity and Flexibility
- • For major live events, sometimes smaller is better
- • How the exercise studio grew and needed more
- Lesson 11: Protect your content from Unauthorized access
- • How the exercise studio kept their content secure
- • How broadcasters of marquee live events protect revenue streams
- Lesson 12: Automate your workflow
- • How the premium streaming service automated their workflow
- Lesson 13: Improve the user experience using analytics and machine learning
- • How the public library created a searchable video library
- • How video from millions of devices is analyzed and indexed
- Lesson 14: Generate revenue with personalized Ad Insertion
- • How live events can drive revenue using personalized ads
- Lesson 15: Optimize cost and performance with monitoring
- • Monitoring can reduce cost and improve performance
- Lesson 16: Where to go next
- • Options for next steps
- • Resources
- Lesson 17: Media Services glossary
- • Table of Media Services and their main functions
所感
個人的に、非常に勉強になる内容だと感じました。 具体的には、ユースケースに対するサービス選定を行う際の 6つのポイントが出てくるのですが、これが非常に参考になりました。
・Level of expertise(技術力、人材の豊富さ)
・Budget(予算)
・Video quality(ビデオ品質への要件)
・Latency(遅延への要件)
・Reliability(信頼性への要件)
・Workflow enhancements(ワークフローへの追加の機能要求)
普段アーキテクチャを提案する時に考える諸々がうまく言語化されている気がして、この考え方はそのままプリセなどでも使えそうだなーと強く感じました。 また、実際に 4つのユースケースに対して上記ポイントを評価し、その結果から採用する AWS サービスを決定する、という具体例も記載されているため、非常に参考になります。
一方で、上記の様なアーキテクチャ選定に際した考え方については非常に良い考え方が学べるのですが、各サービスについてはさわり程度の紹介しかないため、細かい用法や特徴などを学びたい方は他の AWS トレーニングも受講する必要がありそうです。
おわりに
最近追加された AWS MediaServices に関する 2つのオンデマンドデジタルコースの紹介と、実際に受講してみた所感でした。
これから AWS MediaServices を使う方や、AWS を使用した動画配信サービスの設計に携わる方には非常に有用な内容でした。
両方受講しても 2時間という手軽さもなかなか素敵だと思いますので、是非受講してみてください。
以上、AWS 事業本部の大前でした。
参考
- メディアサービス向けの 2 つの新しいオンデマンドデジタルコースの提供を開始
- Media Supply Chain: Video Processing and Delivery Introduction to AWS Media Services by Use Case
脚注
- 【動画配信の基礎から学べる】AWS MediaServices の公式ラーニングパスがすごく良かったので紹介したい に「ビデオの基礎」というコンテンツは元々存在していましたが、確認したところなくなっている(探せばあるかもしれませんが)ようです。 ↩