AWS re:Invent 2019 O’Reillyブースで配布してたDevOpsの薄い本を読む #reinvent
AWS re:Invent 2019のO'Reillyのブースで、DevOpsの冊子が配布されていました。タイトルは「Collaborating in DevOps Culture -Better Software Through Better Relationships-」です。 「DevOps文化とコラボレーション -より良い関係性を通したより良いソフトウェア」という感じでしょうか。
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冊子の対象者と概要
リーダーと組織内でリーダーへの道を歩んでいる人向け。となっていますが、DevOpsて何ぞや?と思ってまだその辺の書籍を手にとってないITに関わる方にも良さそうです。特に効果的なコラボレーションに焦点を当てています。
DevOpsには単一の定義はない。DockerやKubernetesなどのツールだけの話ではなく、CI/CDなどの特定のプラクティスだけの話しでもない。DevOpsはツールとプラクティス、それと、それらをどう使うかを含めたもの、また考え方、働き方です。
”コラボレーションの基盤”の1章では、人と人が効果的に働く上での基礎的な知識を取り上げています。
”実際のコラボレーション”の2章では発見、開発、プロダクションに関して、ソフトウェア開発において、どう協力して成果を出していくのかを計画やレビューなどのプロセスやTDDやCI/CDなどのプラクティスと効果、”サイロ化”などの代表的な問題と解決のためのヒントなどが書かれています。
冊子の構成
1章 コラボレーションの基盤
- 共感
- 信頼
- 心理的安全
- コミュニケーション
- まとめ
2章 実際のコラボレーション
- コラボレーティブな発見
- 役割と責任
- 製品とエンジニアリングコラボレーション
- 組織の要件
- アーキテクチャと計画
- プロジェクトの定義
- 計画とレビューのプロセス
- 設計の成果物
- コラボレーティブな開発
- テスト駆動開発
- 継続的インテグレーション
- コラボレーティブなプロダクション
- 継続的デリバリー
- 持続可能なオンコール環境の構築
- 人道的な配置とリソース
- 可用性とメンテナンス
- ワークライフバランス
- チームサイズ
- 持続可能で協調的なオンコールのパターン
- オンボーディング
- オーナーシップの定義
- 協力的な環境の構築
- ふりかえり
- インシデント時のタイムラインの作成
- インシデントのレビューをファシリテート
- 組織的学習
- インスティテューショナル・メモリー
- まとめ
3章 結論
感想
第1章の共感、信頼、心理的安全性、コミュニケーションの各章の内容は、理解はできるが、ふわってしていて、なかなか具体的にどう実現したらよいのか分かりにくい内容に対して、例えば”知ってることでも新入社員への贈りものとして、あえて質問してみる”、”リーダーは他の人が話すのを待ってみる”、”話を遮った回数をカウントしてみる” など具体的な解決案を提案していました。ここに課題があるならまずはこれを試してみるのも良さそうです。また、このあたりの話は複数の人々が、効果的に関わって成果を出す、そんな現代の組織ではどこでも役に立つのではないでしょうか。
第2章、発見フェーズでの組織的な分断はよく話題になるかと思います。ビジネス"側"がーなど単語の節々に見え隠れします。また結構、最後のコラボレーティブなプロダクション(Collaborative Production)についてページが割かれていて、オンコールとワークライフバランスなど、そこに関わる誰もが気になる、現実的な話題にも触れています。それを受けて現実的にどう解決するかは、それぞれの現場/組織によるでしょう。
全体的に”すべき”的な話ではなく、しよう!というトーンで語られています。また、ある製品を作って運用するのは “人々” なんだよ!というところに焦点を当てているように思えるDevOpsという考え方が、好きだなと思いました。
入手方法
こちらの冊子、会場では紙で配布していたのですが、pdf版が以下リンクから入手できます。
Collaborating in DevOps Culture(pdf)
49ページの書物です、興味があれば、ぜひ読んでみてください。 また、英語の書籍を読み切ってみるためのボリュームとしても手頃と思います。