[ワークショップ] #IOT302 The new smart home universe: Designing for Matter in IoT products に参加して、Matter を使用したホームオートメーションの構築について学びました #AWSreInvent
こんにちは、CX 事業本部 Delivery 部の若槻です。
今回は、AWS re:Invent 2023 でワークショップ「IOT302-R | The new smart home universe: Designing for Matter in IoT products」に参加して、Matter を使用したホームオートメーションの構築について学んだのでレポートします。
Matter is a new IoT connectivity standard that could revolutionize the home automation market. It is a significant technology leap that enables seamless interoperability between multiple IoT devices to improve customer experience. In this workshop, use various AWS IoT services, Espressif’s RainMaker, and Amazon’s Alexa Connector Kit to build smart home devices for the next generation. Learn how you can create, control, and manage an interoperable smart home solution and commission two separate devices running on Wi-Fi and Thread to create a common Matter network. You must bring your laptop to participate.
(日本語訳)
Matter は、ホーム オートメーション市場に革命をもたらす可能性のある新しい IoT 接続規格です。 これは、複数の IoT デバイス間のシームレスな相互運用性を可能にし、顧客エクスペリエンスを向上させる重要な技術の進歩です。 このワークショップでは、さまざまな AWS IoT サービス、Espressif の RainMaker、Amazon の Alexa Connector Kit を使用して、次世代のスマート ホーム デバイスを構築します。 相互運用可能なスマート ホーム ソリューションを作成、制御、管理し、Wi-Fi と Thread で実行される 2 つの別々のデバイスを委託して共通の Matter ネットワークを作成する方法を学びます。 参加するにはラップトップを持参する必要があります。
セッション情報
- スピーカー
- Anton Shmagin
- Greg Breen
- セッションタイプ
- Workshop
- トピック
- Internet of Things
- 日付
- Nov. 28 2023
- Tuesday
- 11:00 AM - 1:00 PM (PST)
- 会場
- Wynn
- レベル
- 300 - Advanced
- 関心のある分野
- BuildOn.AWS
- 業界
- Cross Industry
- 役割
- Developer
- EngineerSolution
- Systems ArchitectTech Explorer
- サービス
- AWS IoT Device Management
- FreeRTOS
- AWS IoT Core
入場
セッション会場前です。Wynn 会場は初めて徒歩で行ってみたのですが、遠回りしてしまいとても迷いました。
会場内の様子です。本セッションもほぼ満員でした。
机の上にはワークショップで利用する Amazon Echo が鎮座しています。(後述の通り使わなかったですが)
スマートホームの標準規格「Matter」
「Matter(マター)」は、様々なスマートホーム製品やシステムを相互に運用可能にするための標準規格です。Connectivity Standards Alliance(CSA)により策定され、オープンソースで提供されています。
Matter には Amazon、Apple、Google などすでに多くのスマートホームメーカーが参加しており、近くスマートホーム規格の実質的な業界標準となることが予想されます。主要な音声アシスタントやスマートデバイスが Matter に対応することにより、それらの間の相互運用性が向上します。2022 年に 1.0 が公開されました。
その他にも Matter には以下の特徴があります。
- デバイスのセットアップや管理が容易に行える
- インターネットがダウンしてもローカルネットワークで動作する
- デバイスの認証や通信の暗号化などのセキュリティ
Matter ではデバイス同士が Wi-Fi または「Thread」という IoT 向けのネットワークプロトコル上で直接通信を行います。またデバイスのコミッショニング(接続への参加)には BLE(Bluetooth Low Energy)が使われます。
ワークショップ実施
さて、いつものようにワークショップを初めていきたいところですが、このセッションのユニークな点として、自分の PC とスマートフォンを指定の Wi-Fi に接続するという準備が必要です。これによりローカルネットワークで Matter による接続ができるようになります。
Workshop Studio でワークショップを進めていきます。
ちなみに今回できたのは Matter デバイスのセットアップまでで、音声アシスタント(Alexa)との連携までは時間の都合上できませんでした。
AWS クラウドで構築する(今回は予め構築されていました)バックエンドはこのようになります。後述しますが、ESP RainMaker および ESP32 デバイスのバックエンドとして動作します。
そして参加者ごとに ESP32 のマイコンが配布されます。こちらを Matter デバイスとして使用します。
Type-C ケーブルで PC に接続します。(Matter セットアップ後の写真のためライトが点いています。)
Cloud9 の環境上で Matter 規格で動作するバイナリを作成したら、それを RainMaker にアップロードし、ESP32 デバイスに書き込み(Flash)します。(キャプチャは書き込み時のものでは無いですが、下記のような CLI から行います)
またデバイスが RainMaker にノードして登録できています。ここからデバイスの設定や操作が行なえます。
そしてバイナリ作成時に合わせて作成した QR コードを、先程指定のローカルネットワークに接続したスマートフォンに導入した RainMaker アプリでスキャンします。この QR コードはスマートデバイスのセットアップが簡単にできる Matter 標準の形式となっています。
RainMaker アプリにデバイスを追加できました。これにより、アプリから Matter を利用してデバイスを操作できるようになりました。
アプリからライトを消灯できます。
輝度を変更して強くすることができます。
色調を変更することもできます。
おわりに
ワークショップ IOT302 The new smart home universe: Designing for Matter in IoT products に参加して、Matter を使用したホームオートメーションの構築について学びました。Matter デバイスを作成して、Matter ネットワーク経由でデバイスの操作を行うことを通じて、Matter によるホームオートメーションの構築を学ぶことができました。
共通規格である Matter の普及は、スマートホームの開発者側・ユーザー側双方にメリット生まれます。また昨日参加したワークショップで触れた、規格が乱立している「産業 IoT の規格」との対比が面白いと思いました。
ワークショップで配布された ESP32 デバイスはそのままもらえました。持ち帰って自分で引き続き検証できるようにとのこです。嬉しいお土産でした。
おまけ
ちなみに、ワークショップ終了直後に参加した感想のインタビューを受けました。恥ずかしくて自分では絶対に視聴できませんが、参考までに。
参考
以上