AWS re:Invent2013参加レポート #26 Amazon WorkSpaces: Desktop Computing in the Cloud
Keynote Day1で新機能、Amazon WorkSpacesが発表されました。早速、Workspacesの概要を紹介するセッションを聞いてきました。
このセッションでは、Workspacesについての3つの事柄を説明していきます。
- なぜAmazonがデスクトップサービスを構築したのか?
- キーとなる利点は何か?
- どんなユースケースがあるか?
Workspacesとは
Workspacesはクラウド上のフルマネージドデスクトップシステムです。
エンドユーザーはラップトップをはじめiPadやKindle Fire、Androidタブレットから必要とするドキュメント、アプリケーションにアクセスできるようになります。ユーザー数が増えても高いユーザーエクスペリエンスを提供します。
実際の管理画面を解説しつつ、WIndows版クライアントでデスクトップにアクセス、MS Office Wordを起動し、"I love Las Vegas when I don't work"(仕事でないときのラスベガスが大好き!)なんてタイプをして会場を沸かせていました。見た感じでは、軽快に動作していました。
WorkspacesはVDIをシンプルにし、AWSによって提供されます。
Workspacesの利点
- いくつかのバンドルメニューを提供
- Standard, Standard Plus, Performance, Performance Plus(MS Officeとアンチウイルスの有無)
- あらゆるデバイスからのデスクトップアクセス
- PC/Macのほか、iPad、Kindle Fire、Androidタブレット対応のクライアントを提供。スマホは考慮していないようですね。後のデモでは、VMware View Clientに似たソフトキーボードやランチャーなどの実演をしていました。
- エンタープライズのIDとリソース
- Active Directoryによるデスクトップの管理が可能。しかも、既存のActive Directoryを追加し、Workspacesで制御することもできる。ドキュメントには、セキュリティを考慮してドメインコントローラからWorkspaces ADへの接続をVPC VPN接続もしくはDirect Connect経由で行う説明がありました。
- 管理ツール
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- ユーザーおよびWorkspaceの作成のためのAWSコンソールを提供
- ユーザーの管理とMicrosoft Active DIrectoryツールによるWorkspaceの管理
再度デモ。管理画面からWorkspaceを作成し、接続するまでを実演していました。
- 従量制のシンプルな課金
- 4つのメニューごとに月額制の課金体系。Keynote Day2では、ライバルの半額だ!なんて挑戦的にアピールされていました。
Workspacesのユースケース
- モバイルデバイスアクセス
- iPad, Kindle Fire, Androidタブレットなどのモバイルデバイスからデスクトップへのアクセスを望むユーザーに、 Workspacesは必要なときにデバイスからのアクセスを提供します。
- セキュアなワークスペース
- 厳格なコンプライアンス要件への対応を助け、物理的なデスクトップを持たないユーザーにマネージドデスクトップを提供します
- リモート勤務の従業員
- 自宅勤務などのオフサイトで働く従業員に向けて、業務データのセキュリティ性を向上させるためにローカルにデータを配置したくないアプリケーションアクセスの提供を実現します。
- 一時勤務者
- 組織に一時的に勤務するユーザーがいる場合に、必要とする全てのアプリケーションを含むWordspacesを作成し、勤務が終了したらそれを削除することができます。
- 学生向けワークスペース
- 組織の研修や学校の環境向けにWorkspacesは必要とするリソースへのアクセスを簡単に作成し、また研修や学期の終了時にそれらを削除することができます。
- 開発者向けワークスペース
- 開発者向けにWorkspaceを作成し、アプリケーション開発に必要なツールのインストールを行うことができます。ソースコードは開発者のデバイスには保存されないため、知的財産の維持に役立ちます。
後半はQ&A。
以下のような話題が出ていました。
- 多言語対応するか
- 追加アプリケーションの管理はどうなるのか
- Persistent Storageの関係
感想と考察
セッションで議論があったかもしれないのですが、個人的に思ったところを列記します。
- 月額制にした意図は?EC2は1時間単位なのに敢えて長期間にした理由が気になります。
- デバイスの絞り込み、アクセス制限やロックアウトなど細かい制御機能があるのか。
- シンクライアントのサポートの話が見当たりませんでした。Wyse社とかが、パートナーブースなどに出展していてもいいくらいだったのですが。PCoIP対応の他のプロダクトとの互換性も気になります。
- アプリケーションやOS/アプリ設定がWorkspaceでどこまで設定できるかが気になります。製品ページには、ADグループポリシーで制御するような記述があります。
現在はLimited Previewとして、希望者に招待制でPreview環境が提供されている状態です。試しにエントリーしてみたので、招待が来たらまたブログでレポートします。