【セッションレポート】ここまでできる、AWS が伴走支援するクラウド戦略から組織開発・人材育成へのアプローチ(AWS-TC-01) #AWSSummit

【セッションレポート】ここまでできる、AWS が伴走支援するクラウド戦略から組織開発・人材育成へのアプローチ(AWS-TC-01) #AWSSummit

AWS Summit Japan 2024 のセッション「ここまでできる、AWS が伴走支援するクラウド戦略から組織開発・人材育成へのアプローチ(AWS-TC-01)」に関するレポートです。

Clock Icon2024.6.21
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こんにちは、大前です。

本記事は 2024 年 6 月 20 - 21 日の 2 日間開催された AWS Summit Japan 2024 のセッションレポートとなります。

セッション概要

DX やクラウドの推進では組織にも人にも変化が求められますが、それはトレーニングだけでは成功しません。変革の推進者の不在、変化を加速させるための仕組みの不備、曖昧な目的、役割やスキル定義がないままの一律一斉の詰込み型研修などによって、十分な変化ができないのです。このセッションでは、組織や人材のアセスメント、クラウド推進組織の立ち上げから運営を通じた組織開発、クラウド人材のロール・スキル定義からトレーニングによる人材育成、実践プロジェクトを介した成果の創出まで、AWS が組織開発や人材育成の面からどのようにお客様の変革を伴走支援できるのかお伝えします。

スピーカー

鈴木 宏昌

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 トレーニングサービス本部 シニアラーニングコンサルタント

セッションレポート

サマリ

タイトルにもある通り、組織開発・人材育成がキーワードのセッションとなります。

セッション内容としては、まず企業における変革が成功しない要因・課題についての認識合わせから始まり、それを解決するためのアプローチを 3ステップに分けて説明するような内容でした。

問題提起 → 解決へのアプローチ の流れが明確で、聞いていてとても理解の進みやすいセッションでした。

1. 問題提起

まず初めに、「70%」という数字が提示されました。これは、企業における変革がうまくいかなかった割合を表す数字だそうです。

また、変革がうまくいかない要因の多くは、以下の理由より、技術的な問題ではなく人材やビジネスの慣行、財務など、非技術領域に起因する問題が多いとのこと。

  • 技術的な問題の多くは他者の知見が流用しやすい
  • 非技術的な問題は個社ごとに状況が異なるため、決められた方法での解決が難しい

非技術的な問題を解決することによって企業における変革が進むが、それを解決するのは一筋縄ではいかない・・・といった状況です。これは様々な企業で多かれ少なかれ当てはまるのではないでしょうか。

上記の通り、非技術的な問題を解決するための銀の弾丸はありませんが、状況をよくしていくためのアプローチはある程度決まったものが存在し、それが以下に述べる 3つのアプローチです。

  1. データと事実に基づいて戦略を立てる
  2. 組織を下支えするチームを作る
  3. 体験駆動で人材を育てていく

それぞれ、見ていきます。

2. 解決へのアプローチ1 -データと事実に基づいて戦略を立てる-

まず最初に、現在地と自分たちが目指すべきゴールを明確にすることが大事とのこと。いわゆる As-Is To-Be ですね。

ビジネスの場においては当たり前のことではあるかもしれませんが、「内製化しよう」「アジャイルで進めよう」という手段(How)が先行し、意外とこれができていないケースが多いとのこと。

As-Is To-Be を明確にするためのアプローチは世にたくさんあると思いますが、このセッションでは AWS クラウド導入フレームワーク (AWS CAF) が紹介されました。

AWS CAF では企業がクラウドを活用してデジタルトランスフォーメーションを進めていくにあたって必要となる様々な項目が定義されており、それら項目と自分たちの状況を照らし合わせることによって As-Is To-Be を明確にすることができます。

詳細は以下ドキュメントやブログを参照ください。

また、Cloud Maturity Assessment(クラウド成熟度評価)というものも紹介されました。これを利用することで、質問ベースで自分たちの現在地を定量的に確認できるようになるとのことです。

上記で紹介したようなツールやドキュメントを活用して As-Is To-Be を明確にすることで、組織としての計画が立てられるようになります。また、組織の状況というものは時間と共に変動するものではありますが、最初に As-Is To-Be を明確にしておくことで、計画を柔軟に調整しながら、ぶれなく組織として進んでいくことができるようになるとのことでした。

3. 解決へのアプローチ2 -組織を下支えするチームを作る-

As-Is To-Be を明確にし、計画を立てたら、その計画をもとにクラウド推進を進める人が必要になります。ここでは、クラウド推進を担当するためのチームとして、CCoE が紹介されました。

CCoE が存在しないと、各部門やプロジェクトが好き勝手にクラウドや外部リソースの利活用を進めていくため、個別最適化が進んでしまいます。一方で、CCoE(クラウド活用推進組織)をしっかりと立てておくことにより、組織全体としてクラウド推進を最適化していくことができるとのこと。

AWS では、お客様が CCoE を立ち上げるための支援も行っているとのことです。

また、CCoE とは?という部分については、以下ブログ等が参考になります。

4. 解決へのアプローチ3 -体験駆動で人材を育てていく-

戦略をたて、組織を整えても、最終的に変革を進めていくのは現場のメンバーになるため、人材育成も重要です。

人材育成におけるポイントは、如何にインプットした知識・技術を現実に即した形でアウトプットするか、とのこと。

上記は、私自身もお客様の人材育成系のご相談を受けていく中で、多くのお客様が課題に感じているポイントだったので、とても共感できました。

インプットした知識と実務の橋渡しをどのように行うか、についても様々なアプローチが考えられると思いますが、ここでは AWS Jam が紹介されました。

AWS Jam は手順のないハンズオンのような学習コンテンツで、お題だけが与えられ、それを解決するための手段やアプローチは自力で考えていく必要があります。この Jam を活用することで、より実務に近い体験をえることが期待できます。

Jam についての詳細は以下ブログ等も参照ください。

さらに、セッション内では AWS Skill Builder 等も組み合わせることで、AWS Jam で得た経験や学びを Skill Builder 上のコンテンツを利用して定着させたり、組織内でアウトプットしてみたりすることで、学習効果を最大化するための進め方が紹介されていました。

Skill Builder でどのようなコンテンツが提供されているかについては、以下ブログ等を参照ください。

5. まとめ

  • 企業の変革が成功しない多くの要因は非技術的な課題
  • 非技術的な課題に対する銀の弾丸はないが、一定のアプローチは存在する
    • データと事実に基づいて戦略を立てる
    • 組織を下支えするチームを作る
    • 体験駆動で人材を育てていく
  • 上記アプローチは順番が変わってしまっては意味をなさないため、上から進めていくことが大事

おわりに

「ここまでできる、AWS が伴走支援するクラウド戦略から組織開発・人材育成へのアプローチ」のセッションレポートでした。

私自身、よく人材育成に関するお悩みを様々なお客様からお聞きすることが多いのですが、普段イメージしている様々なことがうまく言語化されたような気がして、とても満足度の高いセッションでした。

以上、AWS 事業本部の大前でした。

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