[レポート]クラウドネイティブで実現する住信 SBI ネット銀行の NEOBANK 戦略 #AWSSummit
どーもsutoです。
2020年9月8日から9月30日の間でオンラインで開催されているAWS Summit Onlineの「クラウドネイティブで実現する住信 SBI ネット銀行の NEOBANK 戦略」のセッションレポートです。
私自身もSBIネット銀行ユーザですが、銀行のなかでもテクノロジー志向の強い会社で、数年前からシステムの全体的なクラウドシフトを掲げていたことは知っていましたので、この度2020年3月でデータセンタ解約までこぎつけられた実績に興味がありましたので試聴いたしました。
セッション情報
概要
住信 SBI ネット銀行では、金融サービスの新しい価値を創造すべく「NEOBANK」サービスの提供に取り組んでおり、この戦略を支えるテクノロジーとしてクラウドネイティブサービスを積極活用しています。Amazon Connect の採用によるコンタクトセンターの高度化によるカスタマージャーニーの強化。Oracle から Amazon Aurora へのマイグレーションによるスケーラブルなインターネットバンキング基盤の確立。住宅ローンの AI 審査を支える Lambda 活用など、最先端のバンキングサービスを支えるテクノロジーをビジネス戦略とともにお伝えします。
Speaker
浦 輝征
住信 SBI ネット銀行株式会社
IT 統括部
レポート
ネオバンクとは
特徴
- スケールが容易
- セキュアである
- 俊敏である
- →これらを実現するにはクラウド以外の選択肢はない
インターネットバンキングDBのAurora移行
- データベースの民主化
- Oracleの代替としてAurora採用(Oracle価格値上げをうけて)
- 可用性向上、性能向上、運用性も問題なし
- AWS SCTで変換、DMSによる移行、災対の実装
- 口座数増加
- ネオバンク戦略のなかで口座数が加速度的に伸長
- 信頼性向上
- 数千万顧客の決済基盤としてレジエンスの高いアーキテクチャに
- 移行したことで
- 5年保守契約総額から約80%コストダウン
- トラフィック急増(Covid19の影響による為替急騰急落)にも柔軟に対応できた
- これまでのOS、HWの保守に要していた工数が削減、そのリソースを開発などの上流工程にまわせた
コンタクトセンターのフルクラウド化
- 「多様化する顧客ニーズに対してより一層の高品質なCXの提供が重要」
- フルクラウド化したことで
- コンタクトセンターの拠点分散化を迅速にできた(Amazon Connectで数日で可能。オンプレだと数週間かかる)
- オンプレと比べて5年トータルで−20%のTCO削減の見込み
『NEOBANK®️』on AWS
- 邦銀行初の「AI審査サービス」を2019年10月から提供開始、2020年度中にサービス利用開始を見込む
- 住宅ローンのみならずトランザクションレンディングやカードローン分野へサービス拡大を目指す
- API Gatewayを使用してAPIを解放
- プライベート通信の実現にはAWS PrivateLinkを使用
- ネオバンク事業の要諦は、外部パートナー企業との連携
- 外部企業との相互接続が拡大するにつれ専用線コストの負担増大が課題だった
- プロジェクトにおける専用線調達リードタイム(3か月~4か月)が課題だった
- これにより、90%以上のコスト削減、リードタイムが1日に圧縮
いまなぜNEOBANKなのか、その狙いは
- ユーザの生活体験のなかに金融体験が包含させる
- ⇒究極のフリクションレスは、それそのものを意識しないこと
- 生活サイクルの中でバンキングを意識することがない
感想
SBIネット銀行はこれまでのレガシーなメガバンク・地方銀行とは打って変わって、先進的なサービスを提供し続けてきたことから、時代に沿った技術をしっかりサービスとして還元していると感じています。昨今のド○モコウザ事件で銀行業界のセキュリティレベルの時代遅れ感が騒がれてしまっていますが、このような企業が日本から出てきていると、業界の未来はまだ暗くないと感じられますね。
最後のNEOBANKの構想を聞いて、郵便局とJR駅の窓口の一体運営と似たような効果が出そうだなと個人的に思いました。とくにユーザ体験を増やし利用の幅を広げるという部分。本来の目的を果たすだけではなく憩いの場としてのスペースにも活用できるなら、街全体の利便性が向上するので良い発想だなと思いました。