【レポート】 AWSクラウドメディアワークフロー #AWSメディア業界シンポジウム #AWSSummit
はじめに
清水です。はじまりましたAWS Summit Tokyo 2017!今年は5月30日(火)から6月2日(金)の4日間の日程で行われます。Day1はDive Deep Dayということで、様々な業種やソリューションに特化したスペシャルセッションが開催されました。私はAWSメディア業界シンポジウムに参加してきましたので、そのセッションをいくつかレポートしていきたいと思います。
まずはじめはメディア業界シンポジウムの1つ目のセッションでした「AWSクラウドメディアワークフロー」についてレポートします。
スピーカーは北迫 清訓 氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 技術統括本部 メディア・エンタテインメントソリューション部 部長/ソリューションアーキテクト)です。
AWSでどうのようにメディアワークフローが扱えるか、ならびに最新の事例を含めクラウドの今を紹介するセッションでした。
レポート
Media業界のチャレンジ - クラウドの価値
- コンテンツの増加
- AWSのストレージサービスで要望に対応
- OTTの強化
- シーズナリティ
- パーソナライゼーション
- 新しいビジネスモデル
- コア・コンピタンス
- 本来の映像業務にリソースを集中できる
8つのメディアワークロード
- インジェスト
- DAM&アーカイブ
- メディアサプライチェーン
- 制作&ポスプロ
- 送出&配布
- OTT
- パブリッシング
- 分析
インジェスト
- 映像素材を効率よくAWSに受け渡すためのオプション
- インターネット回線/VPN接続のほか、AWS Global回線が利用できるS3 Transfer Accelerationも選択可能
- 専用線であるAWS Direct Connectの利用
- オフラインストレージ転送 AWS Snowball
- それぞれ使用用途、環境にあわせて選択可能
DAM&アーカイブ
- セキュアかつスケーラブルなアセット管理
- AWSでメディア扱う場合の強みはストレージ
- 容量無制限。自動的に3箇所に複製されるので外部保管も可能
- オンラインストレージ(S3)、アーカイブストレージ(Glacier)の選択可能
- 専用閉域NWでの素材管理も可能
メディアサプライチェーン
- 対応製品ラインナップと安価で選択肢の多い仮想サーバ
- AWS marketplaceにて多くの製品。ライセンス部分も従量課金で使用可能。
- 豊富な仮想サーバの種類
- ワークフロー(自動化)についてはAWS Step Functionsなど様々なワークフロー製品がある。
制作&ポスプロ
AWSのリソースを活用した映像制作 - 「既存の仕組みを変えたくない」という要望 - 仮想デスクトップを使って、リモートでそのまま編集 - Thinkbox - レンダリングファームをクラウドで実現。これまでと同様の作業で、裏ではクラウドが稼働している、というワークフロー
送出/配布/OTT
- 用途に合わせハイブリッド及びオンライン連携
- AWS Elementalなど配信サービスを使用
- Direct Connect, インターネット回線/VPN接続、Snowball等でAWSの外へ
- Direct Connectで接続して、既存の放送設備としてクラウドを利用することも可能
- プレイアウトとしてクラウドから送出
分析
- 分析基盤を活用し、サービス品質の向上とオートメーション
- 視聴解析/品質分析
- レコメンデーションに反映
- 再生状況をリアルタイムに分析
- 映像解析
- 映像自体を解析する
- 画像解析(Amazon Rekognition)、機械学習(Amazon ML)、深層学習インフラ(EC2 GPU)
- S3から映像を入力、出力はメタデータとしてRDSへ
海外事例の紹介1 Discovery: クラウドプレイアウト
- AWSを使ったプレイアウトシステムを構築
- 放送クオリティ品質の実現に、北米、EUの2つのリージョンを使用
- オンプレミス環境も残す(最小限構成)。AWSとメッシュで接続
- 国を跨いだ、冗長性のあるプレイアウトシステム
- データセンターよりもクラウドでセキュリティを高めた
海外事例の紹介2 SONY DADC
- ポストプロダクション業務をすべてオンプレミスからAWSに移行
- 20PB(80時間)のLTOのテープアーカイブをすべてクラウドに
- Glacierを利用
- 長期的に見て、ハードウェアで自分で持つよりも、クラウドで管理するようが安価
- アーカイブをオンライン管理できるので利便性もあり
まとめ
- クラウドはメディア業界に対してより身近な存在に
- ありとあらゆる領域でクラウドは活用できる
- 対応製品含め日々急激に進化している
- プレイアウトがクラウドにくるのはイメージしづらかったが、1年前ぐらいにシステムができた
- 去年まではできなかたことが、いまならできる
- ハイブリッド環境で適材適所での利用が重要
- すべてがクラウドにくることが正解ではない
感想
AWSでメディアを扱う場合、これまではWeb配信用の動画格納、配信用メディア変換、配信のためのインフラとして利用する、というケースが多かったと思います。AWSでプレイアウトまで行えているとうことに驚きました。まとめの部分でもありました通り適材適所での利用が重要になりますが、いつの間にか放送局システムの多くがAWSのクラウド上で稼働しているというような日がくるのかなと思いました。