【レポート】AWS 化を成功させるための 6 つの視点 #AWSSummit
AWS Summit Tokyo 2018。Day1 で開催された「AWS 化を成功させるための 6 つの視点」についてレポートします。
スピーカー
- 安田 俊彦さん(アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 事業開発本部 本部長)
セッション概要
アマゾン社内の IT の課題を解決することから始まった AWS。AWS を活用することで、アマゾンはイノベーションの速度を大きく加速させることができました。また、日本でも 10 万をこえるお客様が AWS をご活用されており、様々なベストプラクティスが生まれてきています。本セッションでは、お客様が AWS 化を成功裡に実現するための視点とベストプラクティスを、AWS がご用意している各種の支援プログラムとともにご紹介します。
クラウド導入の効果
- 人のモチベーション変化させる
- 組織の文化を変化させる
AWS 誕生の背景
- Amazon 自体がビジネス上の課題を持っていた
- IT インフラがビジネスの成長を低下させる要因に
- 課題と解決のための施策
- 調整ごとがあまりに多く、ものづくりに注力できなかった
- マイクロサービス化
- 自動化
- API インタフェース
- セルフサービスで利用可能な IT インフラの整備
- IT インフラの DIY 化
- サービス開発のスピード向上
- 調整ごとがあまりに多く、ものづくりに注力できなかった
- 現在では 100 を超えるサービス
- すべてのサービスを使う必要はない
- ユーザが DIY で組み合わせにより、作りたいものを作っていただく
- AWS 自身も IT インフラの DIY でスピードを加速させた
- AWS の機能のうち 90-95% は実際のユーザの声をもとに作っている
クラウド導入効果の最大化
6つの視点[Cloud Adoption Framework(CAF)]
- ビジネス視点
- ビジネス
- 人
- ガバナンス
- テクニカル視点
- プラットフォーム
- セキュリティ
- オペレーション
- ビジネス視点を忘れがち
ビジネスに関わる視点
- 主な論点、課題の例
- コストの考え方がわからない
- H/Wを購入したほうが安くみえる、といった声はよくある
- オンプレミスありきの財務的な考え方から変える
- ビジネスの価値提供がわからない
- クラウドエコノミクス
- クラウドを使うことでの価値を評価
- 財務
- モチベーションなど
- コストの考え方がわからない
- 財務的な観点
- HW、SW、ライセンス、電力、設置スペース費用など
- 電力までコストに含めていない、という声もあるが、最終的な企業のコストとしては発生しているため、可視化することは大事
- インフラコストの削減の試算
- 多くの企業で 30-80% の削減
- 非財務的な観点
- 生産性向上についても定量化する
- 生産性向上の試算
- 多くの企業で 30-80% の向上
- 人材による視点
- ITのDIY化と言われてもどうしてよいかわからない
- クラウドを使いこなせるエンジニアを確保できない
- 育成方法
- 評価指標
- 従来の採用は人事部だったが、クラウド人材についてはプロジェクトで採用するようにしたお客様もいる
ガバナンス視点
- クラウドを使いこなすためのプロジェクトマネジメントがわからない
- クラウドを最大限活発にすることによるガバナンスのきかせ方がわからない
- オンプレミスなら H/W 購入の場合、社内決済などある。
- クラウドは、1クリックで利用可能であるため、同じルールではダメ
- オンプレミスなら、定期的な資産管理(棚卸し)などがある
- クラウドであれば、1クリックで利用リソースの一覧を出すことが可能
- オンプレミスなら H/W 購入の場合、社内決済などある。
- すべてのユーザに統一的な解はない。6つの視点で各ユーザが検討することが大事
6つの視点をもとにしたクラウド導入の進め方
イノベーションの実現
- デジタルイノベーションプログラム
- Amazon におけるイノベーションを起こすためのフレームワーク
- メカニズム(仕組み、プロセス化)
- 組織(意思決定の速度向上)
- インフラアーキテクチャ(DIY)
- 組織文化
- Amazon におけるイノベーションを起こすためのフレームワーク
- メカニズムとは
- Workking Backwards
- 常にお客様を視点に物事を考えるためのメカニズム
- 仮にこのサービスを作ったときに、どんなプレスリリースを書くかを考える
- ユーザはこのリリースをみて喜ぶか?
- このリリースでどのような FAQ が想定されるかを考える
既存のIT資産からの移行
- クラウド移行支援(MAP)
- アセスメント(移行のポイント整理)
- 移行計画
- アプリケーション移行
- アセスメントとは
- どういう移行計画を作ればよいか、何を考慮すればよいか
- 6 つの視点が活きる
- テクニカル視点は検討されることが多いが、ビジネス視点についても移行計画で考える
- どういう移行計画を作ればよいか、何を考慮すればよいか
まとめ
- クラウド導入によって、ITインフラの品質向上にとどまらず、人のモチベーション、組織の文化を変える
- クラウド導入効果の最大化、テクノロジにとどまらない6つの視点で会社組織を変えていく必要がある
さいごに
「IT インフラの DIY 化」は、まさに AWS を表すのにピッタリなワードでした!また、ついついエンジニア視点では技術観点での検討になりがちですが、技術観点だけでなく、「人や組織を、いかに変化させるかが大事!」ということについて、あらためて気づかせていただいたセッションでした!
以上!大阪オフィスの丸毛(@marumo1981)でした!