【レポート】【Preferred Networks 様ご登壇事例】ディープラーニングが変える未来|PFN の事業戦略と Chainer on AWS #AWSSummit
AWS Summit Tokyo 2018。Day3 で開催されたセッション「【Preferred Networks 様ご登壇事例】ディープラーニングが変える未来|PFN の事業戦略と Chainer on AWS」についてレポートします。
スピーカーは、比戸 将平さま(株式会社Preferred Networks VP of Research)です。
セッション概要は次のとおりです。
Chainer は Python 製の主要な深層学習フレームワークの一つである。ユーザーの要望を受けて公式 AMI が提供されるなど、AWS での利用も容易になってきており、本講演では Chainer の機能紹介とともに AWS での使用方法を紹介する。また、Preferred Networks は Chainer を用いて様々な産業アプリケーションを開発し、パートナーとの商用化を行っている。後半ではその事業戦略と最新事例について述べる。
レポート
PFNについて
- PFIからスピンアウト
- 国内150名+米国7名
- 人口知能の産業応用
PFNの事業戦略とそれを支えるChainer
- Chainer on AWS
- ChainerをAWSで使える人を増やす
- 層が深いニューラルネットワークによる機械学習手法、その応用
- 深い:GoogleNetは22層、MSRAは152層
- 2012年にブレークスルー
- 画像認識、音声認識への応用が早かった
- Deep Mind AlphaGoはDeep Learningベース
- ImageNet(ILSVRC 2012)
- 1000クラス分類
- エラー率が26->16%に激減
- 衝撃的な結果だった。画像認識の専門家ではないNN研究者の成果
現在の応用
- 医療画像解析
- 皮膚ガンの分類
- リンパ節への転移の検出
- ピクセル毎分類など、セグメンテーションの精度が高まっている
- 自動運転
- さまざまなセンサーを付ける
- 多種センサー
- 画像センサー
- 認識だけではなく、プランニングや制御へ
- 認識とプランニングは別に行う
- 一気通貫で、NNで一気にステアリングを制御
- 縁の下の力持ちとしてのディープラーニング
- 本物なのか?
- 確実に実社会への応用が始まっている
- 過度な期待を集めすぎなければ健全な応用が広がるはず
- 普及したAIは、AIとは呼ばれない。機能だけが残る
- eg リコメンド
- Echoなどのスマートスピーカー
ビデオ紹介: IPRA: Best Paper Award
- ロボットが音声指示でものを移動させる
- ティッシュボックス=白と青い箱
- オレンジの三角=おにぎりケース
- クラウドソーシングで学習データ作成
PFNの事業戦略とChainer
- Google/Facebookは、個人向けクラウドベースが対象
- 一方PFNは、Industorial IoTにフォーカス
- 医療分野
- MRI 画像ではなく3次元情報として扱う
- 治療履歴、ゲノム情報を合わせてマルチモーダル
- 製造業
- 射出成形機の制御に応用
- 外観検査:弱い情報だけを与えて学習が可能に
- PaintsChainer
- 線画に自動着色
- かんな
- 自動着色マンガ配信
Chainer
- 上記の応用すべてでChainerを使っている
- 試行錯誤が容易
- 簡潔にやりたいことができる
- 分野特化型のライブラリが充実
- CuPy
- ChainerMN
- ChainerRL
- ChainerCV
- ChainerChemistory
- ChainerUI
- ChainerCV
- 画像認識。すぐ試せる。ライトユーザ向け。
- ChainerMN
- P100 1024GPUで世界最高の性能を叩きだした
- ImageNet 1024GPUで15分
- 前半のまとめ
- ディープラーニングの産業応用
- それをとりまく周辺動向
- 産業応用を支えるPFNの仕組み
Chainer on AWS
- Chainer on AWS
- ChainerはAWSと相性よくないでしょ? ←もはや誤解
- Deep Learning AMIサポート
- v4.0を搭載
- ChainerNM v1.3 ダブルバッファリング
- all-reduceの全対全通信が重い
- ダブルバッファ:通信の遅延を隠蔽。ただし1セット古い勾配で学習
- FP16を使用:通信量を半減
- FP32+Infinibandと遜色無い性能を達成
- ChainerNMのCloudFormationテンプレートを公開
- githubで公開:chainer-cfn
Amazon SageMakerがChainerに対応
- GPUインスタンスを指定してNotebookを立ち上げ利用可能
- MPIなどのライブラリもすべて入っている
- estimatorをインポート
- いろんなパラメータを設定
- estimator.fit()で学習Jobを実行
- 学習済みモデルを予測に利用できる
- estimator.deploy()で学習用とは別の予測インスタンスを作成
- 予測はCPUでやってもまかなえることも多い
- estimator.predict()で推論実行
エッジでの利用
- Greengrassにprecompile済みのライブラリが入った
- Deeplens, Raspi, Jetson TX2でChainerのモデルが動かせる
最後に
- 7/3 SageMakerのハンズオンを開催予定
- 引き続きクラウドユーザ向けの開発を進めていく
感想
以前、ChainerをGPUインスタンスで試したりしていましたが、晴れて公式対応となりました。
しかも、
- Amazon SageMakerがChainerサポート
- クラウド向けのチューニングがされたChainerMN
- クラスタ構成向けのCloudFormationテンプレート
- GreenGrassでエッジ対応
と至れり尽くせりです。試してみるネタに事欠きませんw
引き続きクラウド向けの開発がされていくとのことですので、これからはいつでも最新の環境をすぐに使えて、開発に専念できそうですね。