【レポート】AWS Media Services – 高度なメディアワークフローを実現 #AWSSummit
はじめに
清水です。千葉は幕張メッセで行われていますAWS Summit Tokyo 2019、3日目に行われたセッション「AWS Media Services - 高度なメディアワークフローを実現 (AWS Media Services - Enabling Advanced Media Workflows)」についてレポートします。
スピーカーはAmazon Web Services, Inc. Elemental Sales General Manager – APAC Andrew Thorntonさんです。
セッション情報は下記となります。
AWS Media Servicesは、ライブワークフローとVODワークフローの両方で使用できる、高速ビデオ処理、低遅延、および信頼性の高い接続性コンテンツ配信サービスを提供します。 このセッションでは、放送レベルのサービス品質を維持し個別のターゲット広告を挿入するAWS Elemental MediaTailorのユースケースなどを含め、 AWS メディアソリューションを使用したビデオストリーミングサービスを構築することの利点について説明します。また、機械学習と分析を活用した、より優れたコンテンツを作成する方法についても説明します。
レポート
AWS Media Servicesについて
近年のメディア業界
- メディア業界は視聴者主体となってきている
- 見たいものを見たいときに
- 低価格
- OTTやさまざまなデバイス対応
- AWSのElemental買収
- 4年前、2015年9月
- AWSのメディア向けサービスの開発、展開をするために
- DisneyのCEOの言葉
- デジタル技術は消費者の力を大きく変えた。いまは消費者の力がディストリビュータよりも強い。
AWS Media Services
- Elementalの技術をベースに、5つの主要なサービスで2017年のre:Inventで発表
- 6つ目のサービスとなるAWS Elemental MediaConnectを2018年のre:Inventで発表
- フルマネージドサービス、ブロードキャスト品質をクラウドで
- 個々のサービスの概要
- AWS Elemental MediaConnect
- トランスレートサービス。グローバルな配信をAWSのバックボーンを使って、すぐに
- AWS Elemental MediaConvert
- トランスコーディングサービス。変換が20倍で行えるオプションもある
- AWS Elemental MediaLive
- ライブ動画処理サービス
- AWS Elemental MediaPackage
- ジャストインタイムパッケージングサービス。DRM機能や再生ポーズ巻き戻しなどのDVR機能も
- AWS Elemental MediaStore
- 高性能なコンテンツオリジン
- AWS Elemental MediaTailor
- コンテンツパーソナライゼーションサービス。サーバサイドアドインサーション(SSAI)に対応。放送局クオリティで個別ターゲッティングを
- AWS Elemental MediaConnect
- LiveとVoDのワークフロー紹介
- Live
- AWS Elemental Live -> AWS Elemental MediaConnect -> AWS Elemental MediaLive -> AWS Elemental MediaPackage -> Amazon CloudFront
- オプションでAWS Elemental MediaStoreやAWS Elemental MediaTailor
- AWS Elemental Live -> AWS Elemental MediaConnect -> AWS Elemental MediaLive -> AWS Elemental MediaPackage -> Amazon CloudFront
- VoD
- Amazon S3 -> AWS Elemental MediaConvert -> AWS Step Functions -> Amazon S3 -> Amazon CloudFront
- その他のAWSマネージドサービスの活用
- ingest/create, store, process, deliverのそれぞれで、活用できるAWSサービスがある
- Live
先進的なワークロー/事例の話
QVBR: Quality-Defined Variable Bitrate
- VBR
- これまでの方式
- 複雑な映像などエンコードが難しいものがある
- 対して複雑でないものは割り当てるビットは少なくてよい
- QVBR
- Quality-Defined Variable Bitrate
- ビットあたりの最高品質
- ビデオソースを分析し、ビットの配分を行う
- 強化されたVBR
- QVBRを使うことで、これまでよりも低ビットレートで同等の品質を実現できる。
- これはつまりコスト削減につながる。2割から5割ぐらいコスト削減につながったケースもある
- QVBRの事例として
- NISSAN、Cengage Learning、Pinterest
- QVBRはエンコーディングオプションでAWS Media Servicesで利用可能
レイテンシ/遅延
- スポーツ関係者などから、レイテンシを下げられないか、という話しがある
- 下げることは容易ではない
- レイテンシを下げるとのビデオのクオリティへの影響
- デバイス、視聴体験への影響。バッファ少なくすると、Playerでバッファリングする
- 下げることは容易ではない
- Chunked Encodingを利用した低遅延ワークロード
- Chunked Encodingを使用
- AWS Elemental Live(オンプレ) -> AWS Elemental MediaStore -> Amazon CloudFrontの構成
- 5.14秒ぐらいのレイテンシ。3秒も可能
- デバイス側のネットワークもだいじ
広告挿入
- 動画ストリーミングへの広告挿入
- 2007年ごろから
- 静的広告の焼き込み
- 2012年ごろから
- クライアントサイドアドインサーション
- パーソナライズド化
- クライアントサイドアドインサーション
- 2017年ごろから
- サーバサイドアドインサーション
- スキッピング保護、レポーティング、放送クオリティ
- サーバサイドアドインサーション
- 2007年ごろから
- AWS Elemental MediaTailor
- インターネットビデオコンテンツのパーソナライズド化とマネタイゼーション
- 視聴者へのパーソナライズドされた広告の配信
- 放送グレードの体験を提供
- 広告ビューのトラッキングの改善
- AWS Elemental MediaTailor
- AWS Elemental MediaLive -> AWS Elemental MediaPackage -> AWS Elemental MediaTailor -> Amazon CloudFront
- 広告動画などはAmazon S3に。AWS Elemental MediaTailorで広告サーバと連携
- AWS Elemental MediaLive -> AWS Elemental MediaPackage -> AWS Elemental MediaTailor -> Amazon CloudFront
- AWS Elemental MediaTailorの事例紹介
- Thursday night football on Amazon Prime Video
AI & IoT
- AWSに完全統合されたAIサービス
- Amazon Transcribe
- Amazon Translate
- Amazon Polly
- Amazon Rekognition
- Amazon Rex
- Amazon SageMaker
- AI/MLjのメディアでのユースケース
- メタデータのタギング
- 広告のパーソナライズド化、視聴者認識やトラッキング
- 字幕
- コンテンツレコメンデーション
- 自動顔認識
- The Royal Weddingの事例
- Sky news
- SkyがAWS上でこれを構築、3ヶ月で完成
- 事例: Sports Media Recognition
- サッカーでのリアルタイムでの選手のトラッキング
- 顔認識しながら、背番号情報など選手情報を表示
- ハイライト、アクティビティトラッキング
- サッカーのゴールなど、特徴のあるアクティビティを検知する
- Amazon Personalize
- リアルタイムのパーソナライズ、レコメンデーションサービス
- Amazon.comで使っているサービス
- 早く、簡単にパーソナライズを実現できる
- Spuulの事例、コメント
- 「Amazon Personalizeは簡単で、早くレコメンデーションを導入できる。」
- MLとIoTでのスポーツ観戦体験の向上
- 事例: Formula 1
- リアルタイムでセンサから情報収集。GPS位置情報や速度、車の各種情報など
- Kinesisで受ける。Amazon SageMaker, Amazon Rekognition, Amazon Transcribeなどでレースデータの分析
- 事例: NFL
- 1週間で3TBのデータ。ユニフォームにセンサをつけてデータ収集している
- 事例: Formula 1
- 多言語でのライブ字幕生成
- AIを使用して、多言語字幕をライブで自動生成
- 完璧な字幕ではないが、2,3秒で生成することが可能
- Amazon Transcribe、Amazon Translateの使用
- ワークフローとスタートキット
- https://aws.amazon.com/solutions/live-streaming-with-automated-multi-language-subtitling/
- デモ
- ライブストリーミングで、Playerから言語を選ぶと字幕が表示される。選択した言語を変更すると第二言語に変わる
- スタートキットはたくさん種類がある
- Content Creation, Media Supply Chain, Distribution, AI/ML & Analyticsの4種に分類された、のべ11個
- まずこれを使ってはじめてみてほしい
まとめとして、顧客の声を
- Pac-12のメディアサービス開発事例
- 動画で紹介。日本語の字幕もあり
- EC2, ELB, RDS Auroraなどのサービスの他、AI系のサービス、そしてAWS Media Servicesも導入している
感想
AWS Media Servicesの基本を抑えつつ、あわせてQVBR、低遅延配信、広告挿入やAIなどのと連携、など最先端な事例についても触れた、大変充実したセッションでした。特に先端事例についてはスタートキットですばやく試してみることができる、というのが印象深かったです。日本語ではこちら。 いろいろと試してみたいと思いました!