[セッションレポート] 【 SAP / Oracle アプリケーションユーザ必見】 なぜ Enterprise は ERP 向けクラウドに AWS を選んだのか? #AWSSummit #AWSSummitTokyo
こんにちは。サービス部の武田です。
「【 SAP / Oracle アプリケーションユーザ必見】 なぜ Enterprise は ERP 向けクラウドに AWS を選んだのか?」のセッションを聴講しましたのでレポートします。
スピーカー
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
ERP事業本部
シニアGTMスペシャリスト西山 芳生
オンデマンド動画
こちらのセッションはオンデマンド配信されています。
公開期間: 2023 年 5 月 22 日 12 時 ~ 2023 年 6 月 23 日 19 時
【 SAP / Oracle アプリケーションユーザ必見】 なぜ Enterprise は ERP 向けクラウドに AWS を選んだのか?
セッション概要
SAP と Oracle アプリケーション は、多くの Enterprise が導入・運用している ERP です。「ERP を稼働するオンプレミス環境のサポート切れ」 や「保守運用要員不足」、 これらの解決策として AWS を採用する企業が加速的に増えています。本セッションでは、ERP を AWS に移行するメリット、AWS 上でモダナイゼーションする意義をご紹介します。
アジェンダ
- なぜ、どうやって、ERPシステムをクラウド化するのか?
- 導入ケース
- 本セッションを通じてのTake Away
- エンタープライズ5社が、ERP向けクラウドにAWSを選んだ理由
なぜ、どうやって、ERPシステムをクラウド化するのか?
ERPクラウドマイグレーションの主な推進要因として次の8個が挙げられる。
- データセンターの統合
- EOLハードウェア/ソフトウェアの変化
- 俊敏性とスタッフの生産性
- コスト最適化
- セキュリティやレジリエンスの改善
- 迅速なグローバル化、M&A
- デジタルトランスフォーメーション(DX)
- パフォーマンス改善
この中でもっとも多いのが「EOLハードウェア/ソフトウェアの変化」。つまりライセンス切れによるマイグレーション。2番目が「俊敏性とスタッフの生産性」。オンプレミスだとハードウェアの追加などが数ヶ月単位となり動きが遅い。また近年人材不足が深刻化している。3番目が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」。
ERPをAWS上で稼働させることで、インフラなどがAWSマネージドとなり200を超えるサービスを使用することで、お客様はビジネスに注力できる。次のような効果が期待できる。
- 権限を与えられた営業チーム
- インテリジェントな意思決定
- より良い顧客関係
- 効率の向上
- 時間と共に良くなる製品
- データ駆動型ビジネス
ERP向けクラウドとして次の2つにポイントを絞る。
- SAP on AWS
- Oracle Applications on AWS
SAP on AWSは世界で7000を超える実績があり、14年におよび顧客志向のイノベーションを起こしてきた。Oracle Applications on AWSも10年以上のマイグレーション実績をほこる。
導入ケース
ケース1 SAP EPRクラウドジャーニー
ケース1は日産自動車株式会社様の例。NISAN NEXTを支える複数のSAPシステムをオンプレミス環境からAWSにマイグレーションした。Lift&Shiftで進め、SAP ERP 6.0をAWSへ移行、次にアプリケーションマイグレーションでSAP S/4HANAに切り替えた。
- パフォーマンスの強化により月次処理時間を76%短縮
- Lift&Shiftしたインスタンスも20%〜80%減など効果が見られた
- 本番環境のダウンタイムを最小にするという目標があった
- Snowballを使った物理転送、中間サーバーを用いた転送処理などで実現
- 欧州、北米のインスタンスもマイグレーション検討中
ケース2 SAP ERP マネージドクラウド
ケース2は日本航空株式会社様の例。オンプレミス環境で稼働中のSAP ERP 6.0をSAP S/4HANAおよびSAP HEC with AWSに移行し、インフラ運用コストを低減。
- すでにAWSの導入経験があり、実績があった
- コストおよびセキュリティについてもクリアしていた
- SAP HEC(HANA Enterprise Cloud)とは?
- SAP社が、SAPシステムに最適なシステムリソースを運用サービス込みで提供するマネージドクラウドサービス
- 後継がRISE with SAP
- HEC with AWSによってデータセンター、サーバー、ストレージ、OS、DBなどをSAP社が面倒見てくれる
- 顧客はビジネスに注力できる
- セキュアな接続としてAWS Transit Gatewayを使用
- お客様AWSアカウントとHEC with AWSのアカウント(SAP社のアカウント)をシームレスに接続
ケース3 SAPデータを活用した更なるDX
ケース3はフクシマガリレイ株式会社様の例。業務用冷凍・冷蔵庫などの故障予測、異常検知を見据えて業務システムとSAP S/4HANAをAWS上に構築。BCP対策の実現と運用コストを従来の3分の1まで削減。
- コミュニティが充実していたことも評価ポイントだった
- SAP S/4HANAをAWS上で稼働し、SageMakerやIoT Coreを採用し、独自のDXを推進している
- AWS採用によるお客様の実感
- サーバー調達期間が3ヵ月から数時間に短縮
- コストが3年間で3分の1
- BCP対策の実現
- エンジニアの技術力向上
ケース4 AWS大阪リージョンとDR対策
ケース4は株式会社たけびし様の例。大阪リージョンを採用しサーバースペックの大幅な強化などを実現。
- 大阪リージョン選択のポイント
- 本社から距離が近いためレイテンシーが低いこと、利用予定サービスに不足がない
- 今後のサービス追加に期待が大きい
- CloudEndureが使えた
- 現在はAWS Application Migration Service
- リアルタイム同期などが特徴のマイグレーションサービス
- サーバー強化により照会時間が10分の1になった
- トータル2日間で移行を完了した
ケース5 ビジネスに俊敏性を〜Pracle E-Business Suite on AWS〜
ケース5は大韓航空様の例。Oracle E-Business Suiteのマイグレーションにより管理性とビジネスの俊敏性を向上。Lift&ShiftでオンプレミスからAWSにマイグレーションを実施。
- AWS採用のポイント
- AWSの高い拡張性と柔軟性
- オンプレミスでは
- 余剰キャパシティ
- リソース不足による機会損失/顧客満足度低下
- クラウドでは
- ビジネスの成長に合わせてリソースを柔軟に拡張可能
- 必要な時に必要なだけリソースを自動で拡張可能
- 投資効果の最大化
- 低価格キャンペーンなどをしたときに需要がスパイクしやすい
- オンプレミスではスパイクに対応できず機会損失につながる懸念がある
- 今後はAI/MLなども使用しサービスを拡充していく予定
まとめ
エンタープライズ5社が、ERP向けクラウドにAWSを選んだ理由は次の10個。
- 実績
- パフォーマンス
- セキュリティ分析
- 選択肢と柔軟性
- コスト
- 自動化
- イノベーション
- パートナーコミュニティ
- 信頼性
所感
SAP on AWSのセッションでした。みなさんSAP on AWSしてますか?私はしてません。ではなぜこのセッションを聴講しようと思ったかといえば、SAP on AWSの資格を取ったからです。昨日Japan AWS All Certifications Engineersの発表がありましたね。
2023 Japan AWS All Certifications Engineers の発表 | AWS JAPAN APN ブログ
せっかく資格の勉強をしたので、きっとセッションの内容も分かるだろうという気持ちで聴講しました。実際に「あ、これ勉強したやつだ」という話もあり当初の目的は達成できました。
今後SAP on AWSの案件に携わるかは正直分かりませんが、勉強したことが無駄にならないようしていきたいですね。