
【セッションレポート】Amazon Connect で実現するカスタマーセルフサービスの新しいカタチ(AWS-15) #AWSSummit
はじめに
AWS Summit Japan 2025 に参加しました。
「Amazon Connect で実現するカスタマーセルフサービスの新しいカタチ」のセッションレポートです。
セッション概要
多くの企業が、AI を活用したパーソナライズされたセルフサービス型カスタマーサービスの実現を目指しています。しかし、その構築には専門的な知識やリソースを必要とし、複数のツールの作成・管理・統合が大きな課題となっています。Amazon Connect の最新機能により、音声やデジタルチャネルにおけるボットの作成・管理が、Amazon Connect 内で直接行えるようになりました。さらに、Amazon Q in Connect を活用することで、複雑な開発作業なしで生成 AI 搭載のカスタマーサービスを実現できます。本セッションでは、これらの新機能の活用方法と、サービス品質を最適化するための分析機能について、実際の事例を交えながらご紹介します。わずか数回のクリックで実現できる、次世代のカスタマーサービス構築についてご説明いたします。
セッションスピーカー: 濱上 和也 氏
所属:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 エンタープライズ技術本部 小売・消費財 第一ソリューション部 ソリューション アーキテクト
本セッションについて
- 想定聴講者
- コンタクトセンターにおけるAI活用やConnectに関心がある方
- 本日のゴール
- 自動化できる領域が広がっていることを知り、ConnectとAI機能を始めるステップを理解する
セッションレポート
アジェンダ
- カスタマージャーニーからみるセルフサービスの重要性
- Connectで実現するセルフサービス
- Q in Connectセルフサービスの3つの特徴
- まとめとファーストステップ
カスタマージャーニーからみるセルフサービスの重要性
メアリーさんの例
- メアリーさんが旅行予約の変更が生じた。
- サイトから変更すると、見つからないので、コンタクトセンターに連絡した。
- IVRやセルフサービスのボットのやりとりを行ったが、エージェントに転送された。しかし、エージェントには繋がらない。繋がると、再度一から説明する必要がある。
- 多くの時間とストレスを感じた。
- →カスタマーセルフサービスは差別化要素になる
セルフサービス提供の複雑さと課題
- 対応ニーズの発生
- 顧客の識別、問題の通知
- セルフサービスの提供
- チャネルの選択や認証、AIボット
- エージェントへの転送
- コンテキスト処理
- 解決
- タスク管理、AI支援
- フォローアップ
- KPI管理、アンケート
Connectの特徴
- 2017年にリリースされ、650以上の機能をリリースしてきた。
- お客様に提供した価値に応じた従量制課金
- Connectは、1日1000万件を超える顧客のコンタクトをサポートしています。
セルフサービスと自動化がもたらす4つの価値
- エージェント転送率の削減
- IVR時間短縮
- 解決率の向上
- アップデートの速さ
自動化可能な業務の見極め方は、定型業務フローから行う。
- 定型業務フロー
- 料金支払
- パスワードリセット
- 半定型業務フロー
- 返品、返金
- 非定型業務フロー
- 障害対応
テリーさんの例
- 定期預金の満期金額の確認と今後のプランの相談がしたい
- テリーさんが電話をかけると、顧客情報を利用し、パーソナライズされた挨拶を行われる。10年間利用していることも伝えている
- 顧客の履歴や最近の活動に基づいたカスタマイズされた対応される。
- 定期預金の満期が近づいている件に関する用件かどうかヒアリング
- 音声で生年月日を聞き取る
- プッシュ操作も案内
- 満期金額を伝えられる
- テリーさんの情報をDBから取得している
- 定期以外の運用方法を質問する
- 年齢と取引履歴から商品を勧める
- 複数のソースから顧客データをリアルタイムで取り込みする
- 店舗相談窓口の予約するか確認される
- 通話終了時に次の対応方法を案内。マルチチャネルのため、SMSなどで通知可能
- 以下を実現した
- 人間らしい自然な会話体験
- 顧客のニーズを先読みする
- 複数の意図を明確に理解する
Connectで実現するセルフサービス
セルフサービスは、GUIで容易に作成、編集、管理
- 会話型セルフサービスを設計する
- セルフサービス体験をGUIで容易に作成、編集、管理可能
- LexボットもConnect管理ページから作成可能
- Q in Connectのセルフサービスを有効化可能
- フローデザイナーで体験を作成する
- ドラッグアンドドロップで構築可能
- 外部アプリケーションと統合可能
- 数分でアップデート可能
- 標準機能でパーソナライズ体験を提供
Amazon Q in Connectカスタマーサービスのための生成AIアシスタント
- エージェントにパーソナライズされた応答と推奨アクションを提供
- 顧客にパーソナライズされたガイダンスとアクションを適用
- AIプロンプトとAIガードレールを設定可能
生成AIがセルフサービスで役立つのは、非定型業務フロー。
- 顧客の複雑な問題を明確化する
- コンテキスト情報を利用し、正確な回答する
- パーソナライズされた応答と推奨事項提供
セルフサービス Q&A
- ナレッジベースから生成された動的な回答をお客様に提供
- パーソナライズされた回答が可能
Q in Connectのカスタマイズは3点。
- AIエージェント
- エンドツーエンドの機能を定義
- AIプロンプト
- LLMへの指示をカスタマイズ
- AIガードレール
- 望ましくないトピックをブロック
- ハルシネーションを検出
統合された分析とダッシュボードで体験を最適化可能
- Contact Lensダッシュボードと分析
- Contact Lensは、会話の文字起こしや感情分析
- フローを活用した体験の使用状況と成果を分析
- 障害や使用パターンも把握可能
- IVRのやりとりを記録し確認可能
- 通話録音
- ログを確認
まとめ
- セルフサービスの提供が重要
- Connectは、セルフサービス体験を容易に作成可能
- Q in Connectによってパーソナライズされた顧客体験が進化
- 分析とダッシュボードでデータに基づいて継続的に改善
ファーストステップは、ワークショップで体験しよう。
感想
Amazon Connectのアップデートにより、従来複雑だったセルフサービス型カスタマーサービスの構築が大幅に簡素化されたことが印象的でした。
特に、GUIベースでの直感的な操作や、Amazon Q in Connectによる生成AI活用により、専門知識がなくても高品質なカスタマーサービスを実現できる点は革新的だと感じます。
また、ダッシュボードが標準機能で用意されているため、分析し継続的改善のハードルも低いと感じました。
テリーさんの事例のように、顧客データを活用したパーソナライズされた対応が自然な会話で実現されているのは、まさに次世代のカスタマーサービスの姿だと思いました。