AWS Thinkbox Deadline 10がメンテナンスモードへ。今すぐ使えなくなる? 今後の対応は?

AWS Thinkbox Deadline 10がメンテナンスモードへ。今すぐ使えなくなる? 今後の対応は?

AWS Thinkbox Deadline 10が2025年11月7日にメンテナンスモードへ移行します。メンテナンスモードに移行することで、これまでと何が変わって、何が変わらないのかについて解説します。
2025.10.30

こんにちは。ゲームソリューション部の出村です。

今回は、AWS Thinkbox Deadline 10が2025年11月7日にメンテナンスモードへ移行することについてお知らせします。

AWS Thinkbox Deadline 10とは

AWS Thinkbox Deadline 10について解説します。すでにご存じの方は読み飛ばしてください。

AWS Thinkbox Deadline 10は、レンダリングファームを管理するためのソフトウェアです。もともとは独立したソフトウェアでしたが、2017年にAWSが買収し、AWS Thinkbox Deadline 10として提供されています。

目立った特徴としては以下の点が挙げられます。

  • 柔軟なスケーリング: オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境で動作可能
  • 幅広いアプリケーション対応: Maya、3ds Max、Cinema 4D、Blender、Nuke、Houdiniなど主要DCCツールをサポート
  • AWSとの統合: AWS Portalを通じてEC2インスタンスを自動的にスケールアウト/インできます
  • 無料ライセンス: 基本機能は無料で利用可能(AWS利用料は別途)

Thinkbox Deadline 10の詳細については、Render Farm Manager – AWS Thinkbox Deadline – Amazon Web Services を参照してください。

現在、AWS Thinkbox Deadline 10の後継として、クラウドに完全移行したレンダリングファーム管理サービスであるAWS Deadline Cloudを提供しています。

メンテナンスモード移行とは

さて、ここからが本題です。メンテナンスモードに移行するにあたり、今までと何が変わり、何が変わらないのかをお伝えします。

変わらないこと

  • AWS Thinkbox Deadline 10の利用、ダウンロードは引き続き可能
  • AWSによる技術サポートは今後も行われる

変わること

  • 新機能の追加が行われなくなります
    • ただし、クリティカルなバグやセキュリティ問題には対応します

詳細は、Maintenance Mode FAQに記載されていますので、こちらもあわせてご確認ください。

今後について

20年以上の歴史があるThinkbox Deadline 10です。このサービスが使えなくなると困る企業は多いことでしょう。先にも書きましたとおり、今すぐ使えなくなる訳ではありませんが、新機能が実装されないなど、徐々に役割を終えようとしていることがうかがえます。

AWS Thinkbox Deadline 10の後継として、AWS Deadline Cloudが提供されています。ただ、サポートしているDCCツールの種類としては、AWS Thinkbox Deadline 10と同等とはまだ言えない状況です。今後はAWS Thinkbox Deadline 10の開発リソースがAWS Deadline Cloudに割り当てられ、AWS Deadline Cloudの開発が加速するものと期待されます。

AWS Deadline Cloudは、現時点でMaya、3ds Max、Houdiniなど主要なDCCツールには対応しています(対応しているDCCツール一覧はこちらで確認してください)。機会を見てAWS Deadline Cloudへの移行を検討されるとよいでしょう。

この記事をシェアする

FacebookHatena blogX

関連記事