【レポート】Amazon Sumerian によるVR/AR/MRアプリケーションの開発 #AWSSummit

2019.06.13

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こんにちは、大前です。AWS Summit も2日目ですね。いろんなコンテンツがあってとても楽いです。

最近は様々なVRゴーグルが発売されたり、ARのスマホゲームが大流行したりと、「自分でVR/ARコンテンツ作ってみたいぞ!」な方もいらっしゃるのではないのでしょうか。

そんな折に、Day2のセッションである「Amazon Sumerian によるVR/AR/MRアプリケーションの開発」を受講したので、レポートを記載します。

本ブログは、AWS Summit 2019 day2のセッションレポートになります。

セッション概要

登壇者

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
技術統括本部
ソリューションアーキテクト
大井 友三 様

概要

昨今、VR/ARといった技術をトレーニングや保守業務などビジネスの現場に活用を始めるケースが増えてきました。本セッションでは、Amazon Sumerian や他のAWSサービスとの連携によるVR/ARアプリケーションの開発と活用についてご紹介致します。

内容

  • Amazon Sumerian紹介
  • Amazon Sumerian活用シーン
  • VR / AR / MR のアプリケーション作成の流れ
  • デモ(Sumerian単体/他のサービスとの連携)

本セッションのターゲット

  • Amazon Sumerianを利用するとどんなことができるのか知りたい方
  • Amazon Sumerianを利用してどのようにVR/AR/MRのアプリケーションを作っていくのか知りたい方

 

Amazon Sumerianの位置付け

VR / AR / MRの定義

  • VR(Virtual Reality)  ... 仮想の世界に没入
  • AR(Augmented Reality)  ... 物理に仮想をオーバーレイ
  • MR(Mixed Reality) ... 物理と仮想が相互作用

-> まとめてXR(Extended Reality)と呼称

XRのアプリを作るにあたって

  • そもそも何が必要?どうやって作る?な悩みが多い

一般的なXRアプリケーション開発のプロセス

  • アプリケーションの発案からユーザーの手元に届くまでに多くのステップを踏む
  • 提供するプラットフォームが増えると、その数だけプロセスも増加してしまう

Amazon Sumerianによる開発プロセスの簡素化

特徴

  • XRコンテンツを簡単に開発・配信するために必要なツールや配信基盤を提供
    • Webブラウザベースの開発環境
    • マルチプラットフォームの利用者環境
    • Sumerian Host
    • 他のAWSのサービスとの連携

Webブラウザベースの開発環境

  • 通常 ... 専用のソフトウェアやグラフィックスカードなど先行投資が必要
  • Amazon Sumerian ... 汎用的なWebブラウザだけで開発可能、従量課金

マルチプラットフォームな利用者環境

  • 様々なデバイスでコンテンツを利用可能
    • モバイルブラウザ
    • デスクトップブラウザ
    • VRヘッドセット
    • ARプラットフォーム

Sumerian Host

  • セリフに合わせて口を動かしたりジェスチャを行うキャラクター
  • 現在8人
  • SSML形式でセリフを記述することで、セリフに合わせた口の動きやジェスチャを行う
  • Amazon Polly / Amazon Lexを用いて音声でのチャットボットにも応用可

他のサービスとの連携

  • SDKがあらかじめ組み込まれているため、各種サービスのAPIを利用できる
    • AWS IOTとの連携
    • IoTのデバイスからデータ送信 -> Cognitoで必要な権限取得 -> スマートフォンやタブレット端末でIoTデバイスから送信されたデータ表示を行う

 

AWS Sumerianの活用シーン

NECソリューションイノベータ様 - AR Navigation System

  • ARでの道案内
  • Sumerian AR/VR Challengeの"Best Entertainment, Hospitality, and Media"を受賞

その他の事例

  • バーチャル介護士による服薬、運動、バイタルチェックなどの支援
  • VRでの株式情報などの提供
  • 仮想的なコクピットを用いたトレーニングやシミュレーション
  • 気象情報の可視化

 

XRアプリケーション作成の流れ

Sumerianでよく出てくる用語

  • シーン
    • Sumerianで作成されたコンテンツ
  • エンティティ
    • シーン内で実際に使用されているオブジェクト
  • アセット
    • シーンで利用することができるオブジェクト
    • あらかじめ用意されているアセットも利用できる
    • CADのデータを読み込んで利用することも可能

Sumerianでのアプリケーション作成

  • Sumerianの基本操作
  • シーンの作成から公開
    • 空のシーンの作成 -> エンティティの配置 -> 公開
    • 公開を押すとURLが生成される
    • URLにアクセスすると作成したシーンブラウザで見ることができる
  • ステートマシン
    • キーボード操作などの状態変化を与えるための機能
    • より複雑な状態変化が必要であればjavascriptを記述する

 

デモ

チュートリアルを応用することで、効率的に作成することができる

Sumerian単体で実現するデモ

  • シミュレーション作成
    • 危険体験(足場からの落下シミュレーション)
    • 細い足場からマネキンが足を踏み外して落下するシーンを作成
    • 実際のVRゴーグルなどで視聴するとかなり怖い

他のAWSサービスと連携するデモ

  • ドローンのデジタルツイン
    • 物理的な物を仮想の世界に再現する(双子を作る)こと
  • IoT機器との連携
    • Raspberry Pi
    • SenseHat
  1.  LEDディスプレイ制御
    1. エンティティ内でタップした天気のマークをLEDに表示する
    2. SumerianからステートマシンでAWS IoTにJSONデータを送信し、デバイス上に表示
  2. センサー情報の表示
    1. デバイス上で取得したセンサー情報をAWS IoT経由でSumerianに送信し、エンティティ上に表示
  3. 姿勢の追随
    1. Raspberry Piの姿勢をジャイロセンサーで検出し、エンティティでニアリアルタイムで表示する
    2. デバイス上のジャイロセンサー情報をKinesis Data Streamに送信しAWS Sumerianで表示
  4. ジョイスティックでのエンティティ操作
    1. ジョイスティックの入力情報をAWS IoTでSumerianに送信し、エンティティ内のオブジェクトを操作
Learning Amazon SumerianやYouTubeなどに多数のデモやチュートリアルが存在

 

まとめ

  • Amazon Sumerianを利用することでAR/VRコンテンツを簡単に作成して阪神することができる
  • あらかじめ組み込まれているAWS SDKを利用することで他のAWSのサービスと連携する事ができる
  • チュートリアルを活用することで効率的に学習可能

セッションの感想

「VRやARのコンテンツって特殊なソフト持ってないと作れないんでしょ...?」な考えから、「Sumerianを使えばVRやARのコンテンツが気軽に作れるんだ!」に考え方をシフトチェンジできるセッションだと感じました。

自分で本格的なコンテンツを作るには、3Dモデリング周りの専門知識が必要になってくるとは思いますが、新たなVR/ARの門を叩くセッションとしてはとても良いと思いました。

VRやARは今後もいろんなコンテンツが世の中に生まれてきそうなので、Amazon Sumerianの知識もつけていきたいところです。

以上、AWS事業部の大前でした!