【レポート】AI と機械学習を使ったビジネス課題の解決方法 #AWS-03 #AWSSummit
この記事では、5月11日に行われた AWS Summit Online 2021 のオンラインセッション『AI と機械学習を使ったビジネス課題の解決方法(AWS-03)』の模様をレポートします。
セッション概要
計算能力の向上と利用可能なデータの増大により、機械学習はあらゆる産業にインパクトを与えるようになりました。このセッションでは機械学習の概要や、機械学習をビジネスに適用する際の注意点を説明します。また、AWS の AI サービス・機械学習サービスを用いてビジネス上のよくある課題を解決するユースケースもご紹介します。
登壇者
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 デジタルトランスフォーメーション本部 ソリューションアーキテクト 卜部 達也
レポート
Agenda
- 機械学習の概要とビジネスへの適⽤
- 機械学習を適⽤する際のビジネス課題の整理
- ビジネス課題を解決する代表的な機械学習のユースケース
機械学習の概要とビジネスへの適⽤
まずは各用語の解説(言葉の意味の違いを理解しよう)
機械学習の適⽤範囲は拡⼤し続けている
- 支出の増大:2021年までに世界的な支出は500億ドル超
- 検討から運用へ:2024年までに75%の企業から検討→移行のフェーズへ
- AIによる変革実現:3年以内に57%の組織がAIによる変革を実現
以下のレポート記事の所感でも話していますが、解くべきビジネス課題を具体化せずに課題設定を見誤ると機械学習は効果を得られません。
- 機械学習を導入するケースとしては、「ビジネスインパクト」「データの入手性」「機械学習の適用性」の3つがすべて高いものが理想
- 代表的なユースケース
- ビジネス指標の監視
- パーソナライズされた推薦システム
- コンタクトセンターの改善
機械学習を適⽤する際のビジネス課題の整理
ビジネス状況の変化への迅速な対応
- BIツールによる従来型の指標評価の課題
- スケールが困難:店舗ごとや部門ごとに固有の処理が影響すると難しい
- 誤検知とアラート疲れ:アラートの閾値の調整が難しく頻繁に見直すため
- タイムラグ:検知の遅延で機会損失が発生する
- 対応策につながらない:原因追求が困難、調査に長時間を要するためアクションにまで繋がりにくい
- 上記課題を解決するためのAmazon.comで培ったモニタリング技術
- Amazon Lookout for Metrics
- Amazonで開発された機械学習の技術を⽤いて正確にビジネス指標の変化を検出する
- マーケティング指標、⼩売指標、ゲーム指標、通信指標などに活用できる
パーソナライズされた推薦システム
- パーソナライゼーションにおける課題
- 多大な人的メンテナンスコスト
- 効率的なスケールが困難
- そもそもパーソナライズが不十分
- コールドスタート、人気バイアスのようなよくある問題への対処
- すべての課題に対応できる万能の手法はない
- 機械学習を知らなくても利用したい
- 上記課題を解決するパーソナライズされたデジタル体験の創出サービス
- Amazon Personalize
- 機械学習の構築を知らなくても設定が簡単、数日あれば推論ポイントを作成できる(【参考】ハンズオン資料)
- ⾃社システムへの簡単な統合、コンバージョンと収益の改善、顧客エンゲージメントの改善が期待できる
コンタクトセンターの高度化
- コンタクトセンターが直⾯する課題
- コスト削減や顧客体験の改善
- お客様だけでなく、オペレータの支援もすることで双方の満足度を高めたい
- フィードバックを利用した質の向上
- 上記課題を解決するソリューション
- AMAZON CONNECT、AWS CONTACT CENTER INTELLIGENCE (CCI)
- コンタクトセンターの規模のスケーリングが容易
- チャットボット・⾃動⾳声応答で摩擦を低減、⼈間のアシストなしに処理を完結
- オペレータの⽣産性を上げるために、処置内容に関する情報を提⽰
- 顧客の要求をすばやく理解・解決、オペレータが価値の⾼い意思決定をできるようにする
まとめ
所感
AWSでは機械学習の知識や構築ノウハウを知らない方でも、機械学習による効果を体験できるサービスが多くリリースされてきました。
本セッションで紹介しているサービスは、どのようなビジネス課題で活用すればよいかがはっきりしているサービスなので、需要が合う方は実際に検証で試してみるとよいと思います。