【レポート】Braze x Snowflake 顧客インサイト思考の次世代エンゲージメント #PAR-21 #AWSSummit

2021.05.17

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この記事は、5月11日に行われた AWS Summit Online 2021 のオンラインセッション『Braze x Snowflake 顧客インサイト思考の次世代エンゲージメント(PAR-21)』のセッションレポートです。

セッション概要

顧客の状況を踏まえたパーソナライズや顧客がとった行動の瞬間を捉えたメッセージなど顧客に寄り添ったエンゲージメントを行うには、徹底した顧客理解が必要です。顧客理解を進めるためにはデータの管理、活用を必要なタイミングで瞬時に行うことが求められます。本講演では顧客理解を深めるためのデータ活用という側面から、Braze のリアルタイムエンゲージメントデータと Snowflake の Data Sharing 機能を組み合わせた次世代の顧客エンゲージメントの在り方を顧客事例を交えてご紹介します。

登壇者

  • 新⽥ 達也氏、Braze株式会社 最⾼技術 & プロダクト責任者
  • 井⼝ 和弘氏、Snowflake株式会社 シニアSEマネージャー

レポート

顧客エンゲージメントにおける変化と課題

環境の変化:

  • オンラインでの商品購入、オンデマンドコンテンツの消費、キャッシュレス支払いなど、デジタル行動が爆発的に増加した
  • 消費者の趣味嗜好が細分化、自宅中心のライフスタイルに変化したことで、消費者の多様性が拡大した
  • モバイルデバイスを常に持ち歩き、時間や場所に捕らわれず、いつでも情報にアクセスできる。個人でも簡単に情報発信し、情報接触が容易になった
  • Google社によるChromeでのサードパーティCookieの利用廃止計画や、Apple社によるIDFA(Identifier for Advertisers)のオプトイン化計画など、従来型広告配信は限界を迎えつつある

新たな課題:

  • 消費者のブランドへの態度変容が早い
  • 購入したばかりの製品のクーポンが届くなど、顧客理解が乏しい状態でエンゲージメントすることでブランドイメージ低下
  • 1 to 1 でのエンゲージメントが必須になってきた
  • 消費者の可処分時間の奪い合い(限りある時間を何に使うのか?)

顧客の状況や嗜好に寄り添ったきめ細やかなエンゲージメントが求められている

Brazeで実現する顧客中心のエンゲージメント

  • Brazeに様々なデータを取り込むことで、顧客状況や反応情報をリアルタイムで把握し、インタラクティブなエンゲージメントループを実現できる。
  • Amazon EC2 Auto Scalingを利用することで、大量のメッセージを効率よく配信。2020年のブラックフライデーやサイバーマンデーにおいて20億通/日のプッシュ通知を送付、2021年には1.5倍の30億通を超える通知を送付した実績がある
  • 複数チャネルのデータをまとめて管理することも可能

  • Payomatic社の事例(金融)
    • オムニチャネルでの1to1メッセージを実現
    • BrazeとSnowflakeを組み合わせてデータに基づいた施策を実施
    • モバイルアプリ経由での口座振り込み利用率を30%以上アップした
    • モバイルアプリ自体の利用率も50%以上アップした  

Snowflakeデータ共有によるエンゲージメント強化

Snowflakeの特徴

典型的なデータ共有方法:

  • FTPやクラウドバケット経由でのファイルコピー
  • API連携
  • ETLパイプライン
  • データマート構築

課題:

  • データのコピーと移動が発生
  • データの正誤性を維持する手間
  • データの鮮度が遅延
  • コピーされるとデータのセキュリティを保つのが困難

これらの課題を解決するセキュアで簡単なデータ共有(Secure Data Sharing)

  • 移動やコピーが不要
  • ほぼリアルタイムで遅延なし
  • 共有目的に応じたパーソナライズとセキュアなビュー
  • 共有後も管理されアクセス権も取り消し可能
  • クラウドのリージョンを跨いでグローバルに共有可能

Payomatic社の事例では、Braze社保有のSnowflakeアカウントに蓄積されたエンゲージメント履歴データをPayomatic社にセキュア共有している。これにより以下のメリットを享受できている。

  • データコピー不要でニアリアルタイムにデータを共有
  • Payomatic社独自のデータとSQLクエリでジョインし、分析可能
  • 分析結果をBrazeに戻し、次の施策につなげることが可能
  • 結果として、データの管理工数を削減

所感

データの受け渡しは、いまでもCSVファイルをFTPやメール送付するやり方が主流です。Snowflakeのセキュアデータ共有を利用すれば、データの移動やコピーをすることなく、ニアリアルタイムにデータを共有できます。しかもSQLクエリを使って自社データとの結合や分析もできるため、データの利用を促進することができます。
また、クラスメソッドではSnowflakeへのスムーズなデータ取り込みや加工を実現する様々なソリューションを取り扱っていますので、ご興味のある方は是非ご相談ください。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。