恩恵を実感しにくいアウトプット

2021.12.09

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こんにちわ。てぃーびーです。

アウトプット熱心な私は、他の人からアウトプットの恩恵について質問されることがまれによくあります。都度答えていますが、頻出ならアウトプットすればいいじゃん、となりました。深刻なアウトプット脳です。

ちなみにこれは私のブログの記事数のキャプチャです。

アウトプットによって Qiita の SILVER バッジももらえました。

前提

ここでのアウトプットは何らかの外部発信のこととします。具体例としては、ブログ・登壇・技術同人誌や商業書籍の執筆・GitHubでの趣味コードの公開などです。 逆に、業務の成果としてのアウトプットはこの話題の対象外です。外部発信していたら対象です。

アウトプットの恩恵

アウトプットの恩恵としてどのようなものがあるでしょうか? 大きく分けて自己貢献他者貢献があります。

自己貢献

対象領域に関する学習効果

アウトプットにはインプットが必要です。また、インプットした内容を他者が理解できる形でまとめる必要があります。 その過程で学習の質が高まります。曖昧な理解のままでは他者への説明にはならないですから。

説明する力

同様に、他者に伝わるようにするため、試行錯誤によって段々と説明力が高まってきます。 ちなみに、他者に説明することを前提とした文章の書き方としては結城浩先生の「数学的文章作法」シリーズがおすすめです。 数学に関わる部分以外でも有用なので、「数学は苦手なので・・・」という人にも役立ちます。

書籍『数学文章作法』 

外部脳

人の記憶力はさほど当てになりません。過去学習した内容でもすべてをまるっと覚え続けることができるとは限りません。 そのため、学習した内容をアウトプットしておくと自分用の参考資料にすることができます。つまり、外部脳です。

キャリア

アウトプットを継続しているとその領域、質、量に応じて様々な人に認知されていくことになります。 特定の領域に強くフォーカスしていれば、その領域の知見を持つものとして認識され、自己ブランド化します。 ポジティブな認識が強まればスカウトをもらう機会が増えてきます。スカウト以外でも自己応募で面談・選考参加した場合にアウトプットをチェックしている企業の場合は選考では伝えきれない要素をそこで確認してもらえ、加点につながることもあります。 また、発信に関心を持った同一領域の人と繋がる可能性が高まっていきます。相互に得意領域がずれていれば、それぞれにとってプラスになる情報を交換しあえる相手になります。というと打算的に聞こえますが、単に同一領域に詳しい人と話すのめっちゃ楽しいですよね。

このようにアウトプットはその質次第で、偶発的なキャリアの好機が訪れる可能性があります。 いわゆる 計画的偶発性理論 のような形でキャリアに好影響を与える要素、といえます。

他者貢献

アウトプットは自分のためだけではなく、それを見た他者の役にたつこともできます。 ここは「他者への貢献をしたい」「他者に貢献すると嬉しい」という価値観があればメリットになりますし、なければ特に関心のない要素かと思います。個人的には何かしらの知的なお仕事をしていたら、インターネットで他者のアウトプットの恩恵を得つつ仕事をしている方が多いと思いますし、自身もその恩恵を与える側にも回れると嬉しいよな、と思っています。いわゆる恩送りです。

問題解決への貢献

ググって解決できない問題は自分なりに考え、検証し、解決する必要があります。その情報はググってでてこないのですから、その後同じ道を通る他者にとってもありがたいはずです。その意味で、他者が同じ道を1から通り直さずに高速道路を整備し、解決に導くことができます。また、ググって集まった情報をつなぎ合わせてなんとか解決できた、という場合もその一連の情報を引用しつつ一本道のわかりやすい資料としてまとめたものにも新たな価値があります。

学習素材の提供

新しい領域を勉強したい。しかし、どこから学んでいいのかわからない。小難しく感じる書籍しかない。そんなときに噛み砕いてわかりやすく説明してある情報にたどり着いたらありがたいはずです。そういったわかりやすさ、という価値で貢献することもできます。

メリットの事例

自己、他者それぞれに関するメリットをまとめてきました。 恩恵がわかりやすく、自身でもすぐに確認できるものもあれば、そうでもないものもあるかと思います。 そこで、恩恵を得るまで時間がかかったり、場合によっては恩恵が発生するかどうかわからないものについて個人の経験から事例を共有します。これらの好機は絶対に発生すると言えるような保証はないですが、発信の質を高めつつ、一定の量を保っていれば段々と発生する確率が高まると考えてよいでしょう。

自己貢献

アウトプットがキャリア面に与える影響については、個人的にアウトプットがあったからこそ直近のキャリアがあるといえるくらい恩恵を受けています。

前々職への転職時、Twitter スカウトで転職しました。後日スカウトした上長に確認したところ、ブログのアウトプットが声がけの判断材料になっていたそうです。 次に前職への転職時ですが、転職エントリをブログに書いて転職活動をしていました。ダイレクトにアウトプットそのものですね。ウェブエンジニアから人事に職種変えをしたのですが、人事領域に関わるインプットを大量にしていることがわかるアウトプットがブログにあったこは面談、選考過程において加点につながったでしょう そして、現職への転職ですが、ブログの会社への転職ということで情報発信自体がカルチャーマッチ選考における大きな要素の一つで、そこにマッチするエビデンスとして各種発信が役立っています。

その他にブログのアウトプットをみた CodeIQ の運営の方から出題者へのお声がけをいただき4年ちょっとの間出題者を経験する機会をもらった、という出来事もあります。

直接的なキャリア以外にも、自身の成長に好影響を与える優秀な方とのつながりも、アウトプットの影響で多数得ることができました。アウトプットを見て気になっていた。アウトプットをきっかけに Twitter でやりとりした。アウトプットをみてコミュニティに誘った。人見知りで初対面で人に声をどんどんかけるようなタイプではない私でも自然と相手から一方的に知られている形からつながりが広がっていきました。

他者貢献

人は関係性が薄ければ薄いほど気軽に感謝を伝えることは少ないように思います。 そのため、直接の関わりがない個人のブログや登壇の発信に関してポジティブなフィードバックを得られることは比較的少ないです。ですが、ブログの PV を見れば少なくない閲覧数があることは確認できます。それでも目に見える他の反応がないため本当に閲覧した人たちの役に立っているのかわからないことが多いです。 しかし、あるとき初対面の人に「てぃーびーさんの記事に何度も助けられていました。感謝です!」と言われることがちょくちょくあります。一定閲覧数があるのであれば、おそらくその中の一部の人の約には立てているのでしょう。大多数の感謝の気持ちは氷山の下に隠れているわけです。

まとめ

アウトプットの恩恵と事例についてまとめました。

そして世は大リモートワーク時代です。リモートワークにおいてテキストコミュニケーションや文書化で伝達する能力の重要性は以前にも増して高まっています。実はアウトプットは現在のこの状況を生きていく上での土台となる「テキストによる伝達力」を鍛えるもの、という見方もありそうです。ということで・・・

アウトプットはいいぞ!