請求書画面から請求明細の CSV ファイル(単月分)をダウンロードする
コーヒーが好きな emi です。
AWS コンソールの請求書画面から、単月分の請求明細を CSV 形式でダウンロードできます。このファイルを使えば月ごとの請求額や使用量の概要を把握でき、Cost Explorer よりも詳しい数値の確認に役立ちます。
請求書画面から請求明細の CSV ファイル(単月分)をダウンロードする手順を、クラスメソッドのようなリセラー経由のアカウントとリセラー経由ではないアカウントで試しました。
請求書画面から請求明細の CSV ファイル(単月分)をダウンロードする
単月分の請求書明細であれば、以下の手順でダウンロードできます。
リセラー経由のアカウントでない場合
以下手順はクラスメソッドなどのリセラー経由で AWS アカウントを払い出して いない 場合の手順になっています。クラスメソッドメンバーズのお客様は本ブログ下部の「クラスメソッドメンバーズの場合」をご参照ください。
では、リセラー経由ではない AWS アカウントでの請求書明細 CSV(単月分)をダウンロードする準備をしていきます。
今回は Control Tower の管理アカウントを使って設定します。
まず AWS マネジメントコンソールで「請求とコスト管理ホーム」に移動します。
右上のユーザー名をクリックしてメニューを開き「Billing and Cost Management」をクリックすると移動できます。
以下の画面で「請求書」メニューを開くと、請求明細を確認できます。
ここで「すべてを CSV にダウンロード」をクリックすると、以下のような注意書きが表示されます。
[月別使用量レポート] の CSV を有効にするには、[請求の設定] ページに移動し、[詳細な請求レポート] の [レガシー] セクションにある [月間レポート] を有効にします。[月間使用量レポート] の CSV は、有効になった月の翌月から使用できます。
この案内に沿って、月間レポートを有効にしていきます。
Organizations のメンバーアカウントの場合はダウンロードできない
月別使用量レポートの CSV は Organizations のメンバーアカウントでは出力できません。メンバーアカウントで CSV をダウンロードしようとすると、以下のメッセージが表示されます。
メンバーアカウントは CSV レポートをダウンロードできません。追加のデータが必要な場合は、管理アカウントの管理者にお問い合わせください。
画面左のナビゲーションメニューで「請求設定」を開き、下部にスクロールすると、「請求明細レポート(レガシー)」という項目があります。「編集」をクリックします。
「S3 へのレガシーレポートの配信」にチェックし、S3 バケットを選択します。
ここから S3 バケットを新規作成することができます。任意の S3 バケット名を入力しリージョンを選択します。デフォルトでリージョンはバージニア北部になっていましたので、そのままバージニア北部で進めます。「次へ」をクリックします。
S3 バケットポリシーの JSON が表示されます。「このポリシーが正しいことを確認しました」にチェックして「保存」をクリックします。
表示された S3 バケットポリシー
{
"Version": "2008-10-17",
"Id": "Policy1335892530063",
"Statement": [
{
"Sid": "Stmt1335892150622",
"Effect": "Allow",
"Principal": {
"Service": "billingreports.amazonaws.com"
},
"Action": [
"s3:GetBucketAcl",
"s3:GetBucketPolicy"
],
"Resource": "arn:aws:s3:::<S3 Bucket Name>",
"Condition": {
"StringEquals": {
"aws:SourceArn": "arn:aws:cur:us-east-1:123456789012:definition/*",
"aws:SourceAccount": "123456789012"
}
}
},
{
"Sid": "Stmt1335892526596",
"Effect": "Allow",
"Principal": {
"Service": "billingreports.amazonaws.com"
},
"Action": [
"s3:PutObject"
],
"Resource": "arn:aws:s3:::<S3 Bucket Name>/*",
"Condition": {
"StringEquals": {
"aws:SourceArn": "arn:aws:cur:us-east-1:123456789012:definition/*",
"aws:SourceAccount": "123456789012"
}
}
}
]
}
S3 バケットが設定できると、以下レポートを有効化できます。
- コスト配分レポート
- 月別レポート
チェックして「有効化」をクリックします。
毎月のコスト配分レポートについては以下ドキュメントを参照ください。
有効化できました。
最初に
[月間使用量レポート] の CSV は、有効になった月の翌月から使用できます。
というメッセージが出ていたので、月を跨げばダウンロードできるようになるはずです。
ということで、4/1 の今日、月を跨いだので、「請求期間: 2025年3月」 として 「すべてを CSV にダウンロード」 をクリックすると、 CSV がダウンロードできました!
今月の CSV ファイルはまだダウンロードできないことに注意してください。
ちなみに作成した S3 バケットの中身はこんな感じでした。
クラスメソッドメンバーズの場合
クラスメソッドメンバーズをご利用の皆様は以下の手順を参照ください。
クラスメソッドメンバーズポータル(CMP)にログインし、「AWS アカウント」 メニューから料金の明細を見たい AWS アカウントの詳細に遷移します。
「ご利用料金詳細」 をクリックします。
「月毎の明細CSVダウンロード」をクリックすると、CSV ファイルがダウンロードできます。これだけです。
今月の CSV ファイルはまだダウンロードできないことに注意してください。
Tips:Excel で CSV ファイルを見る
AWS の料金明細は桁数が多い ID や数値が多いので、Excel の自動変換によって意図しないデータ破損が起こり得るのですが、サッとフィルタしたり全体を眺めたりしたいときにはやはり Excel が便利なので、ちょっと CSV ファイルを Excel で見てみましょう。
Excel で開くと変換するかどうか聞かれます。ここでは 「変換しない」 をクリックしますが、結局大きな数字などは E を含んだ表記になってしまいます。
さて、日付が英語になっているので数字の日付形式に直します。一つセルを選択して 「短い日付形式」 を選択します。
いい感じになりました。問題なければ列全体を選択して全部 「短い日付形式」 に変換します。
次は E を含む大きな数字も変換します。aws_account_id
の中のセルを一つ選んで 「数値」 に変換します。
これもうまくいったら列全体を変換します。いいですね。
usage_quantity
は小数点 10 位まで表示させたいので、「その他の表示形式」 で調整します。
「数値」 で小数点以下何桁まで表示するか設定し 「OK」 をクリックします。
良いですね。表示できました。
さて、私はよく黄色の網掛けの列を見ています。
product_name
usage_type
item_description
usage_quantity
cost
reserved_instance
赤線の部分を抜き出してみてみます。
product_name | usage_type | reserved_instance | item_description | usage_quantity | cost |
---|---|---|---|---|---|
Amazon Elastic Compute Cloud | APN1-USW2-AWS-Out-Bytes | N | $0.09 per GB - Asia Pacific (Tokyo) data transfer to US West (Oregon) | 0.169026866 | 0.015212419 |
以下のドキュメントの 「データ転送」 で、東京リージョン(APN1)から US West (Oregon) リージョン(USW2)に向けてのアウトバウンドデータ転送料金は 「USD 0.09/GB」 となっており、item_description
の記載と一致します。
usage_quantity
は item_description
に記載されている単位時間当たりの使用量なので、
- 0.09 USD/GB * 0.169026866 GB = 0.015212419 USD
ということで、計算があっていますね。
終わりに
請求書画面から請求明細の CSV ファイル(単月分)をダウンロードしてみました。これは月次の請求額や使用量の概要を確認したい場合に利用いただけます。
クラスメソッドメンバーズでは請求書画面から請求明細の CSV ファイル(単月分)を簡単にダウンロードできます。
上記のレポートとは別に、「Cost and Usage Report(CUR、コストと使用状況レポート)」 というものもあります。こちらは AWS サービスの利用状況とコストに関するより詳細なデータを提供するレポートになっていて、AWS リソースの使用状況やコストの内訳詳細を分析するために利用できます。
こちらの出し方も後ほど記事にします。
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参考