
配信専用のハードウェアエンコーダーを用意してイベント配信に備えてみた
こんにちは、コンサル部@大阪オフィスのTodaです。
本日、大阪オフィスでオンライン・オフライン同時開催の勉強会を予定しており、外部にも公開する形で YouTube Live での配信をおこないます。
これまで配信は映像の切り換えに使っている VR-6HD の配信機能で対応することが多く、配信の映像や音声レベルが YouTube を経由して参加者様にうまく伝わっているか心配になることがありました。
今回は、配信のエンコードを専用のハードウェアに任せる形に変更して課題解決をして本番に備えてみました。

今回のイベントと配信環境
今回のイベントは、大阪オフィスの会場に来場いただくオフライン参加と、オンライン視聴を組み合わせたハイブリッド開催です。オンライン側は YouTube Live で配信をおこない、一部は個別にアーカイブ配信として残す予定です。
会場では常設の大型モニターとスピーカーを使い、登壇者のスライドと音声を来場者に届けつつ、同じ映像・音声をそのまま配信にも流します。会場のオフライン参加とオンライン視聴の両方へ一定の品質で届けたいため、映像の見せ方と配信の安定性はそれぞれ分けて考えるようにしました。
従来の課題と、配信を専用機に分けた理由
これまでは配信専用の機材は用意せず、VR-6HD に搭載されている配信機能を使って YouTube Live へ配信していました。1台で配信までまかなえるので手軽なのですが、運用してみると下記のような仕様上・UI上の制限がありました。
- 録画と配信が VR-6HD の「Live」機能としてまとめられているため、録画と配信を同時に開始・終了する形になる
- YouTube Live 側に映像・音声が適切に配信できているか、VR-6HD 単体では確認しづらい
- 配信されている音声のレベルが適切かどうかが分かりにくい
決定打になったのは、以前対応した勉強会の失敗でした。
オフライン会場向けの説明を先に済ませ、開始時刻になってからオンライン配信を開始したところ、配信が正常にできておらず遅延が発生してしまいました。会場は進行できているのに配信側だけがうまくいっていないというのは本当に焦る状況で、この体験が今回わざわざ配信専用のハードウェアエンコーダーを導入する一番大きな理由になっています。
私はイベントや勉強会をお手伝いする際、課題を見つけて改善をする施策をしています。今回は2点を調整しています。
1つ目は安定化です。
配信のエンコードを VR-6HD の内蔵機能から専用ハードウェアの Web Presenter HD に切り出すことで、エンコード処理そのものが安定しますし、録画(VR-6HD 側)と配信(エンコーダー側)を独立して開始・終了できるようになります。
配信を会場の進行と切り離して考えられるため、開始時刻の前でも配信だけを先に開始して確認しておけるのも大きいと考えています。
2つ目は可視化です。
専用機の Web Presenter HD には配信状態を表示する画面があり、配信がうまくいっているかを目で確認できるようになります。
具体的には下記のような点を画面で把握できます。
- 映像がサーバーへ送られているか
- 音声のレベルが適切か
- 回線速度が想定している速度で出ているか
- キャッシュ(バッファ)が溜まっていないか
なお、キャッシュ(バッファ)が溜まっている状態は、映像データをサーバーへうまく送りきれていないサインになります。これまで VR-6HD 単体では分かりにくかったこうした状態を、専用機の画面で把握できるようにしたい、というのが今回の狙いです。
用意した配信専用機材の構成
機材は下記の構成となっており、登壇者 PC の映像を Roland VR-6HD で受け取ってスイッチングをおこない、その出力を Blackmagic Web Presenter HD に渡して YouTube Live へ配信します。
録画は従来どおり VR-6HD 側でおこない、配信のエンコードは Web Presenter HD に任せる役割分担になります。

映像 — Roland VR-6HD
映像の切り換えは Roland VR-6HD でおこないます。登壇者 PC の HDMI 出力を VR-6HD に入力し、スイッチングをおこなって会場の大型モニターに表示するようにしています。VR-6HD では HDMI 出力の映像と配信用の映像を分けて制御できるため、会場向けの表示と配信向けの映像を1台で同時に用意できます。
Web Presenter HD の映像入力は SDI のため、VR-6HD の HDMI 出力をそのままでは受けられません。
今回は間に「Blackmagic Converter BiDirect SDI/HDMI 3G」を挟み、VR-6HD の HDMI 出力を SDI に変換してから Web Presenter HD に入力しています。
VR-6HD 自体の詳細については、以前まとめた記事もあわせてご参照ください。
■ イベント時の映像制御、配信、収録に VR6HDを使ってみた!
配信エンコード — Blackmagic Web Presenter HD
今回の主役が Blackmagic Web Presenter HD です。SDI で受けた映像を内蔵の H.264 エンコーダーで処理し、イーサネット経由の RTMP で YouTube Live へ直接配信できる専用機になります。
PC と配信ソフトを介さずにハードウェア単体で配信できる点が、今回わざわざ用意した理由です。
なお Web Presenter HD は旧モデルにあたり、2026年07月時点では後継の Streaming Encoder 系に置き換わって名称も変わっています。
今回は 4K モデルではなく、手元にある HD モデルの Web Presenter HD を使っています。
VR-6HD の HDMI 出力を Converter BiDirect SDI/HDMI 3G で SDI に変換し、その SDI を Web Presenter HD の入力につなぎます。
Web Presenter HD を社内 LAN に接続して配信をおこないます。2
026年07月時点の仕様では最大 1080p60 での配信に対応しており、今回は 1080p29.97 の設定で配信します。
■ Blackmagic Web Presenter(Blackmagic Design 公式)


音声・その他
音声は無線マイクの音を VR-6HD に入力して音量調整をおこない、映像に乗せた状態で Web Presenter HD へ渡しています。会場向けにはアンプ経由でスピーカーから音を出しています。
本番前の接続テストと確認
本番と同じ構成で配線をおこない、前日までに YouTube Live への接続を確認しました。
YouTube Studio でライブ配信の枠を作成し、[ライブ配信] のタブから「ストリームキー」を取得します。
取得したストリームキーと RTMP のサーバー URL を Web Presenter HD の設定に登録し、配信を開始して YouTube Studio 側でプレビュー映像が届くかを確認しました。
当日運用で気をつける点
配信機能を分けたことで、本番中に触る機材は VR-6HD が中心になり、配信側は「開始」と「状態の確認」だけに集中できるようになりました。とはいえ本番はやはり緊張しますので、下記を意識しています。
- 配信開始はイベント開始の10分前からおこない、YouTube Studio 側で配信状態が「正常」になっているのを確認します。開始までの10分間は、イベントロゴ(ナレーションあり)やタイムスケジュール、マッハチームの紹介などを流しておく形を考えています
- 本番中は Web Presenter HD のステータス表示でビットレートと接続状態を定期的に確認する
- 万一配信が落ちた場合に備え、バックアップ回線への切り換え手順を手元にメモしておく
本日のイベントについて
本日(7/10)にて「Claude Code開発ノウハウ大公開スペシャル by クラスメソッド」を、大阪オフィスとオンラインのハイブリッドで開催します。日々の案件で Claude Code をフル活用し、開発スピードと品質の両立を実現しているメンバーが、実装方法や CI 活用、チーム内の知見共有など、明日から使える実践的なノウハウをご紹介する会になります。登壇者には CCA-F 取得者3名も含まれます。Claude Code に興味がある・好きなエンジニアの方や、最近の Claude Code について登壇者と意見交換したい方に楽しんでいただける内容と考えています。
- 日時: 2026年7月10日(金)19:00〜21:00(受付 18:40〜)
- 会場: クラスメソッド 大阪オフィス(大阪府大阪市中央区伏見町3-6-3 三菱UFJ信託銀行大阪ビル8階)/オンライン会場: YouTube Live
- 参加費: 無料
- 主催: クラスメソッド マッハチーム
オンラインは YouTube Live で無料でご視聴いただけまして現在も申込可能でございます。
本記事で準備してきた配信でお届けしますので、当日の映像・音声が届いているか、調整しつつ配信に挑みます。
■ Claude Code開発ノウハウ大公開スペシャル by クラスメソッド(connpass)
さいごに
今回は、配信のエンコードを専用のハードウェアに任せて配信ラインを分ける構成を用意し、本日のイベント配信に備えてみました。本番はこれからですので、当日の結果や気づいた点はあらためて振り返りをおこないたいと思います。
クラスメソッドでは多くのイベントがあり、知見を貯めるところもたくさんあります。
都度課題を見つけ、より良い映像・音響・配信の提供を進めていきたいと思います。
イベントの参加者様、運営、登壇者の皆様、機会を頂いた皆様に感謝申し上げます。






