事業成果のためにこそ組織改善

事業成果のためにこそ組織改善

Clock Icon2023.05.11

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こんにちわ。従業員体験( EX )の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
事業成果と組織改善について、片側のみで語られることがあります。
一方で、実際は事業成果を出すための組織改善であり、良好な組織状態があってこその事業成果があります。
そこで、今回は事業成果のためにこそ組織改善が必要である、という関係性についてまとめます。

事業成果と組織改善の関連

仕事に対する捉え方としてプロセス・アウトプット・アウトカムがあります。
私たちの仕事は任意のプロセスを経て、アウトプットが生み出されます。
アウトプットは顧客やエンドユーザーに対するアウトカムを生み出します。
例えば、受託のシステム開発だとするとこんなかんじです。
プロセスとして各プロジェクトメンバーの要件定義、設計、開発、テストなどの活動を経て、アウトプットとして納品対象のシステムが生み出されます。納品したシステムで業務上の課題を解決することでアウトカムが生み出されます。
例えば、モバイルオーダーの機能を納品することによって、モバイルで発注できる利便性を顧客に提供できます。
この際に、最終的なアウトプットである納品システムや、それによって顧客にもたらされる利便性の程度は「要件定義、設計、開発、テスト」などのプロセスの質や効率に依存します。
このプロセスの質や効率を継続的に高めていくために必要なのが組織改善になります。

プロセスへの直接的な影響をもたらす改善の例

例えば、品質保証の観点に強いメンバーが不足していて、テスト観点が不十分だった場合、バグが多く発生して納品速度が遅れたり、バグが多く残った状態でリリースされる可能性があります。この場合、最終的に納品されるシステムの品質は下がり、顧客に提供される利便性やその利便性を享受できる時期が遅くなることになります。

プロセスへの間接的な影響をもたらす改善の例

品質保証の例は、かなり直接的でプロセスへの影響がわかり易い例でしたが、プロセスには多様な要素が関わります。
例えば、
  • A. 「お客様に最高の価値を生み出し、笑顔を生み出すこと」をミッションにしている企業だとして、その方針がしっかりと浸透しているメンバーが開発した場合
  • B. 生活するための仕事として給与をもらうための最低限の仕事だけをしていて、納品システムや、それがどのように活用されるかに全く関心がないメンバーが開発した場合
を比較すると、仮に技術的なスキルが同レベルでも仕上がるシステムおよびそれが生み出す利便性のレベルは異なるでしょう。
となると、このようなミッションや目的を現場までしっかりと浸透させる組織改善が事業成果の向上につながっていくことになります。

木こりのジレンマ

ここまで説明したような関係性を把握している場合もあれば、無自覚な場合もあるでしょう。
仮に把握している場合でも、ついつい意識の外に出がちです。
意識の外に出てしまう理由としては
  • 成果への影響に遅延があるケースが多いこと
  • 複数の関係者をまたぐ可能性があること
などの影響だと考えます。
物事の関連に遅延があると、直接的な関連が視界に入りにくくなります。
関係者をまたぐと、物事の影響の全体像を把握しにくくなります。
そして組織改善をするためには時間やお金が必要です。
時間もお金もかかるのに、どのように成果につながるかわからない、となれば優先度が上がりにくいのも納得です。
しかし、実際は木こりのジレンマのように、組織改善は事業成果の向上のためには定期的に必要な要素です。
木こりのジレンマは、斧で木を切ることのみに夢中で、斧が錆びても「木を切るのに忙しくて斧を研ぐ暇など無い」という状態です。
実際は、時折斧を研いで切れ味を高めたほうが効率は高まります。
目の前の短期的な業務成果に向けて全力を尽くす場合もあると思います。一方で、会社の活動は短期間で終わらず、長く続いていくものです。また、環境が改善されない場にいる人々は離れていきやすくなります。そうなれば、欠員補充のための採用や戦力化にいたるまでの育成期間が必要になってきます。結果として、継続的に組織改善をしている状態よりも多くの時間とお金を必要とすることになります。

まとめ

事業成果と組織改善は表裏一体であり、継続的な組織改善が重要である理由をまとめました。
継続的な組織開発によって、組織の状態をよくするほど継続的に生み出される事業成果の質や効率が高まっていきます。
会社の活動は競争でもあります。質や効率の低い製品・サービスは競争力を保つことが難しくなります。

補足 - 改善過多

あくまで事業成果あってこその会社の活動です。そのため、組織改善の比率ばかりが高まっていると目の前の事業成果が小さくなりすぎてしまいます。斧を研ぐ時間と木を切る時間のバランスを取ることが大事になります。

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