キャリアラダーで特定の職種グループにおけるステップアップのはしごを明示する
2024.02.06
こんにちわ。組織開発がミッションの人事グループ・組織開発室に所属しているてぃーびーです。
キャリアを進めていく上で、ステップアップ先が見えているか見えていないかで取り組みやすさがかわってきます。
今回は、特定の職種グループにおけるステップアップを明示する方法としてキャリアラダーについてまとめます。
キャリアラダーとは?
キャリアラダーとは、同系統の職種内でのキャリアのステップアップのはしご(=Ladder)のことです。
キャリアパスとキャリアラダーの違い
キャリアパス
キャリアパスは、キャリアに関して取ることができる選択肢全体を扱います。
異なる職種への変更も選択肢に含まれます。
以下は、ソフトウェアエンジニアやEM関連職種のキャリアパスの例です。
例えば、私はウェブエンジニアから人事に職種を変えていますが、これはキャリアラダーを上に登る話ではなく、キャリアパスの広い選択肢から別の職種に横移動した形になります。
キャリアラダー
キャリアラダーは、同系統の職種内でのキャリアのステップアップを扱います。
以下はウェブエンジニア関連職種のキャリアラダーの例です。
例えば、この記事( 管理職のためのエンジニア組織構築マニュアル )に掲載されている「AWSエンジニア→AWSソリューションアーキテクト→AWSエキスパートソリューションアーキテクト」の部分はAWSクラウドエンジニアにおけるキャリアラダーにあたります。
ジョブの構成
キャリアラダーに関わるジョブの関連要素には以下のようなものがあります。
ジョブの構成を踏まえると、キャリアラダーを作成することは、任意のジョブファミリー(もしくはサブジョブファミリー)内のステップの順序や、各ジョブの職務内容、昇格要件などを明確化する取り組みと捉えることができます。
ジョブファミリー
ジョブファミリーは同系統の職務(=ジョブ)の集まりです。
サブジョブファミリー
サブジョブファミリーはジョブファミリーの子階層です。
ジョブ
ジョブはジョブファミリー内における1つ1つの職務です。
キャリアラダーの利点
キャリアラダーの作成には以下のような利点があります。
- 役割ごとの育成がしやすくなる
- 役割ごとの評価がしやすくなる
- 役割ごとの職務や給与に関する期待値合わせをしやすくなる
- 役割ごとの要件を明確にした採用をしやすくなる
キャリアラダーの作成手順
- ジョブファミリーの定義
- サブジョブファミリーの定義
- 各ジョブの定義
- Job Descriptionの作成
- 等級制度がある場合、等級との対応関係を定める
- 年収レンジを定める
- 1つ上のジョブに上がるための条件を定める
- ジョブファミリー、サブジョブファミリー、各ジョブの関係性を図にする
ポイント
- 等級制度との関係性
- 等級制度として用意されているグレードを職種単位で作成する場合、それが実質のキャリアラダーになることもあります。一方で、昇格要件と役割を切り離して考えたい場合、等級定義とは別にキャリアラダーを作成することもあるでしょう
- キャリアラダーを整備しない場合
- 職務要件が頻繁に変化するような仕事や、同じ職務でも担当者によって担当範囲が大きく異なるような場合、キャリアラダーを整備しても役立てにくいでしょう
まとめ
キャリアラダーについてまとめました。
ある程度職務内容が定まっていて、同一職種の人間が社内に一定以上いるような場合、キャリアラダーを作っておくと採用・育成・評価などの面で恩恵を得やすいでしょう。