社内DX促進のための事例をご紹介(著書「Uptime」で概説されている洞察と実践的なヒントが社内の生産性をどのように変えたか)SCT-WS1 #GoogleCloudNext

Google Cloud Next '24にて、Verizon社における内製化の事例を聞いてきたので、簡潔にまとめました。
2024.04.10

セッション概要

今回はShowcase Theaterという1:1の対談形式のセッションのため、スライドがありませんでした。
よって、なるべくお話しいただいた登壇者の方の言葉を理解しながらブログにしていきたいと思います。

今回の内容を簡単にまとめると、Verizon社におけるGoogle Workspaceの導入とその過程での生産性向上と従業員のデジタルスキルの強化に焦点を当てた内容で、メール管理手法「Inbox Zero」の導入やリモートワーク対応、ジェネレーティブAIの利用など、現代の職場における技術活用の重要性を探求したものとなっています。

【登壇の様子】

VerizonにおけるGoogle Workspace導入と生産性向上の取り組み

約6年前に登壇者のGoogle社員Laura氏(写真左女性)はVerison社のAspi氏(写真右男性)と出会い、VerizonにおいてGoogle Workspaceの実装に関わることになり、Verizonの従業員の生産性デジタルスキルの向上に焦点を当てたプロジェクトについて進めることになりました。

そしてこの時がGoogleでのトレーニング経験を題材にしたものが初めて教材としてGoogle社内以外にも広がった瞬間でした。(この経験が後に書籍「Uptime」のを出版することに発展したようです)

この書籍は、具体的な行動指針に焦点を当て、生産性幸福感を向上させる実用的な戦略を記載し、いかにうまく技術を使用して働くかという提案をしています。

Google Workspaceの移行初期段階では、従業員との対話やコミュニケーション、トレーニング、フィードバックを取り入れた変更管理を積極的に行い、組織にGoogle製品を推進するチームが生まれました。

またSaaS環境での随時発生する変化に対応するため、変更管理を継続的なプログラムとして、新機能の習得や従業員が自分のベストを尽くす方法について定期的に情報を提供する仕組みを作成しました。(この取り組みにも名前がありましたが割愛)

それは単にワークスペースを変えるだけでなく、変化に適応し、それを継続的な利益につなげることに重点を置いていました。

個々の生産性に焦点を当てることで、チーム全体としての生産性が向上し、組織的な向上が見込めるという意見を強調していました。

生産性向上のためのInbox Zero

概要と取り組み

話題の中心は、「Inbox Zero」というメール管理手法へのシフトでした。
メールを効果的に処理し仕分けることで、仕事の生産性を高め、ストレスを減らすことを目指す手法です。

Verizonでは、この「Inbox Zero」という手法が社内で大きな成功を収めたことにより、チームの働き方が大きく変わり、多くの従業員からも肯定的なフィードバックを得ることができました。

この事例はツール単体ではなく、ユースケースに焦点を当てることの重要性を示しております。
(単にそのツールを個別に学ぶのではなく、それらを統合してプロジェクト管理に最も効果的な方法マネージャーやチーム内で共有し合うことが重要です。)

次に、Verizonの今後の方向性として、生成AIの活用が取り上げられました。
SaaSプラットフォームは、オープンAPIを介してワークフローを自動化する強力なツールであることが証明されており、Verizonではこれを「市民開発」と呼ぶプロセスを通じて、より多くの従業員がAPIを学び、利用できるように指導しています。
これにより、コードの生成など、さまざまなタスクの自動化が可能になります。

また、生成AI自体についても議論され、予測可能でありながら異なる答えを提供するその性質をどのように受け入れ、活用するかが議論されました。

Verizonでは、リアルタイムコラボレーションと同様に生成AIをすべての従業員が利用できるようにすることを目指しており、この技術を使いこなせるよう努力しています。

Inbox Zero

先ほども触れましたが、「Inbox Zero」は、メールボックスを効率的に管理し、ストレスを減らしながら作業の生産性を高めることを目的としています。

この手法のメールボックスの状態が「ゼロ」というのは、全てのメールに対応したことを意味するのではなく、24時間以内に受信したメールを適切に仕分けした状態を指します。

この方法を取り入れることで、多くの従業員がストレスの軽減作業の効率化を実感しています。

また、ハイブリッドワークとリモートワークの増加に伴い、Verizonは従業員の生産性とその追跡方法にも焦点を当てています。

データ駆動型の変更管理チームを通じて、さまざな指標を分析し、従業員がどのように協力しているかを把握し、改善方法を模索しています。また、「スマートカレンダー」というツールを導入して、従業員が効率的に働ける時間を選択できるよう支援しています。

さらに話題は人工知能(AI)の進化と、それがメールの自動化や生産性向上における役割へと移りました。

AIの活用によって、特定のメールを自動的に分類したり、重要なメールに即座に反応するなどの作業が容易になることが期待されています。

ただし、このような進化がすぐに実現するわけではなく、フィルタリング機能へのAIの統合など、段階的な進歩が見込まれています。

最後に、著者は自ら本の内容に言及していおり、「Uptime」という概念を通じて「効率的な時間管理、メール管理、エネルギー管理」など、生産性とウェルビーイングを高めるための具体的な戦略が提案されていることを強調していました。

まとめ

会話のみのセッションのため、文章に起こし理解し、ブログにするのが結構大変でした。
ただ、読み進めていくうちに組織の改革の経験について、VerisonとGoogle Cloud社員の方からの事例を交えたお話が聞けるのはとても希少に思いました。

また、今回のVerizonの事例は、DXを推進するどの企業でも参考になるようなことではないでしょうか。
特に初期の検討段階の時に同じような仕組み作りや環境づくりを行えば一定の成果がでるのではないかと、セッションを聞いてて思いました。(もちろん個社ごとの課題はありますが)

実際の他社の事例をうまく取り入れながら、自社独自の環境に適応させながら課題に向けてDXを推進するというのが大事なのかなと感じました。

Google Cloud Next'24振り返り勉強会

Next '24 の翌週に帰国したばかりの現地参加メンバーが振り返り勉強会を行います。
会場の入管管理のため参加申込が4月15日(月)までとなっているのでご注意ください。

【4/17(水)ハイブリッド】クラスメソッドGoogle Cloud Next ’24ふり返り勉強会