
【非エンジニアのためのClaude/ClaudeCodeシリーズ】 「まとめて送って」の一言で朝の業務が変わる——Claudeスキルでメール確認・商談管理を自動化した話
はじめに:あなたの「朝の時間」はどこに消えているか
毎朝のルーティンを思い浮かべてください。
・メールを開く。
・未読が溜まっている。
・返信したかどうかわからないものがある。
・カレンダーを確認する。
・Slackを開く。
・今日の会議の準備をする
——気づいたら9時半になっていた。
そして終業後。今日の商談で顧客の温度感が上がったのに、CRM(顧客管理ツール)のステータスを更新するのを忘れた。次に見たときに「あれ、この案件どこまで進んでたっけ?」が繰り返される。
この記事では、これらの作業をClaude(生成AI)で自動化する仕組みを紹介します。
クラスメソッドの営業担当者が実際に日常業務で使っている2つの「スキル」で、特別な技術知識は一切不要です。
Claudeの「スキル」って何?
Claudeとはアメリカの企業Anthropicが開発したAIアシスタントです。
一般的な生成AIアシスタントと同様に、自然言語(ないしはチャットベース)で話しかけると会話できます。
クラスメソッドでは Claude Cowork というデスクトップアプリを通じて、「スキル」と呼ばれる自動化の設定をClaudeに読み込ませています。スキルとは、一言でいうと 「Claudeへの業務手順書」 です。
あなた:「今日のメールをまとめてSlackに送って」
↓
Claude:(スキルの指示に従って)
① Gmailを検索
② カレンダーを確認
③ 重要なものを整理
④ Slackに投稿
「コードは一切書いていません。自然な日本語を話しかけるだけです。
スキルのファイルはフォルダで管理されていて、構成はシンプルです。

SKILL.md という1つのファイルに「こういうときはこうやって動いてね」という指示が書かれているだけ。それをClaudeが読んで動きます。
今回はその中から2つのスキルを紹介します。
スキル①:Email Daily Digest(朝のメール・予定まとめ)
こんな悩みを解決します
- 未読メールが多くて、誰に返信が必要かわからない
- 「改めてご連絡します」と言ったのに、そのままになっていた
- 毎朝メールとカレンダーを両方確認するのが手間
使い方
Claudeに話しかけるだけです。
「今日のメールをまとめてSlackに送って」
これだけで、Claudeが以下を自動でやってくれます。
自動でやってくれること
🔴 未返信の顧客メールを検出します。自分宛(To)に届いた外部のメールで、まだ自分が返信していないものをピックアップ。CCにのみ入っているものは除外されるので、精度が高いです。
🟡 フォローアップ未実施を検出します。自分が過去に「改めてご連絡します」「後ほどお送りします」と送ったメールのうち、その後に続報を送っていないものを自動で探してくれます。約束の言葉を使ったメールを10日分遡って確認します。
📧 未読の重要メールをサマリーとして表示します。
📅 今日のカレンダー予定を一覧で表示します。
流れのイメージ

Slackに届くメッセージは、このような形式になります(実際の内容はダミーです)。
🌅 5/12(火)のデイリーダイジェスト
🔴 未返信の顧客メール(2 件)
• 【ご提案の件】 ── 株式会社〇〇 田中様 | 昨日 | お見積もり確認待ちです
• 【導入スケジュールについて】 ── △△商事 鈴木様 | 2日前 | スケジュール調整が必要
🟡 フォローアップ未実施(1 件)
• 【資料送付の件】 ── □□株式会社 | 3日前 | 「改めてお送りします」と回答済み
📅 今日の予定
• 10:00 — 全体ミーティング
• 14:00 — ◇◇様 月次定例
_Powered by Claude_
毎朝自動で届くように設定することもできます。
「毎朝8時に自動で送って」と頼むと、スケジュール実行の設定も案内してくれます。
スキル②:HubSpot(HS) Priority Check(商談の優先度を自動チェック)
こんな悩みを解決します
- 商談が多くてCRM(HubSpot)のステータスを更新し忘れる
- 今日の会議でお客様の温度感が変わったのに、記録が追いつかない
- 「あの案件、どこまで進んでたっけ?」が多発する
使い方
1日の終わりに話しかけるだけです。
「今日の商談を振り返ってHSを更新して」
自動でやってくれること
このスキルは3つのことを自動でつなぎ合わせます。
まず、Google Meetの会議メモ(Gemini自動生成メモ) をGmailから取得します。
Google MeetやGoogle Calendarを使っている場合、Geminiが会議の要約を自動生成してメールに届けてくれます。
このスキルはそのメモを読み込みます。
次に、HubSpot CRM から自分が担当している進行中の案件一覧を取得します。
そして、会議のメモと案件を照合 して、優先度を変えるべきかどうかをClaudeが判断します。
たとえば、今日の会議で「来月中に契約したい」という発言があったなら → 案件の優先度を「🟢 低」から「🔴 高」に上げることを提案してくれます。逆に「来期に持ち越しになった」なら、優先度を下げることを提案します。
あくまでも「提案」なので、最終的に変更するかどうかはあなたが判断します。
流れのイメージ

Slack DMに届くレポートは、このような形式になります(実際の内容はダミーです)。
📊 HS取引 優先度チェックレポート(5/12)
本日のGemini会議メモ 3件を分析しました。
⚠️ 優先度の変更を推奨する取引
1️⃣ ◇◇社 クラウド移行プロジェクト
現在:🟢 低 → 推奨:🔴 高
理由:役員が導入意向を明示。「来月中に契約したい」と発言あり
🔗 https://app.hubspot.com/deals/...
✅ 変更不要と判断した取引
- △△社 PoC:定例確認のみ、変化なし
CRMを自分で開いて手入力する手間なく、毎日の商談の変化がSlack上で把握できます。
2つのスキルを使ってみての感想
最初は「本当に動くのかな?」という不安でしたが、実際に使い始めると、思っていた以上に精度が高くて驚きました。
特に 「フォローアップ未実施」の検出 は、自分では絶対に気づけなかった抜け漏れを拾ってきます。
「改めてご連絡します」という言葉を送ったメールを自動でさかのぼって探してくれるのが痒い所に手が届いてありがたいです。
商談の優先度チェック も、「今日の会議で何があったか」を思い出す手間が省けます。
Geminiのメモがある程度正確であれば、Claudeが「これは優先度を上げるべき案件だ」というシグナルを拾ってくれます。
よくある疑問
Q. コードを書く必要はある?
ありません。
スキルのファイルはすでに用意されています。使い方は自然な日本語で話しかけるだけです。
Q. Gmail・カレンダー・HubSpot・Slackとの連携設定は難しい?
Claude CoworkのMCP(外部サービス連携)機能でそれぞれ認証設定が必要です。
設定は管理者またはサポートチームに相談してください。一度設定すれば、あとは話しかけるだけです。
Q. 個人情報やメールの内容が外部に漏れないか心配です
Claude Enterpriseを利用している場合、入力されたデータはモデルの学習には使われません。
詳しくはAnthropicのプライバシーポリシーをご確認ください。
Q. 自分の業務にカスタマイズできる?
できます。
スキルの SKILL.md ファイルを編集することで、自分の業務フローに合わせた動作にカスタマイズ可能です。
まとめ
この記事で紹介した2つのスキルをおさらいします。
| スキル名 | 何をしてくれるか | いつ使う |
|---|---|---|
| Email Daily Digest | Gmail・カレンダーをまとめてSlackに投稿 | 毎朝(自動化も可能) |
| HubSpot(HS) Priority Check | 会議メモとCRM案件を照合して優先度変更を提案 | 商談が終わった日の夜 |
どちらも「話しかける」だけ。コードは不要です。
Claudeは「賢いチャットボット」ではなく、自分の仕事の文脈を理解したうえで、複数のツールをまたいで動いてくれるアシスタント です。今まで手作業でこなしていた情報収集・整理・記録の一部をClaudeに任せることで、本来集中すべき「顧客との対話」や「提案の質」に時間を使えるようになります。
ぜひ一度、朝の「まとめて送って」から試してみてください。
関連リンク
この記事に登場する会社名・担当者名・取引名はすべてダミーデータです。実際の顧客情報は含まれていません。











